国際地域学科・久松ゼミは「グローバル企業の経済学」を学んでいます。今年も9月に恒例の3年・4年の夏合宿(二泊三日@東洋大学富士見高原セミナーハウス)を実施しました。久松ゼミでは3年春学期には企業会計を学び、同業種2企業を選んで、夏休みに財務分析レポート(A4×30枚程度)を執筆し、合宿の2日目で発表し改善のためのコメントを受けます。4年生は合宿1日目では卒業論文の中間報告をおこない、2日目の3年生の発表ではコメンテーターやサポーターとして3年生がより良い分析ができるように応援します。そして、この応援が4年生の財務分析理解の定着につながるのです。3日目は工場見学です。
今年の財務分析レポートの発表では、IFRS(国際会計基準)を採用した多くの企業について分析がおこなわれ、まさに株式市場を通じてもグローバル化が進んでいることを実感しました。ゼミ生たちもしっかりと財務分析の完成に向けて発表をおこないコメントを受けました。ゼミOGOBからもBS(貸借対照表)やPL(損益計算書)の着実な理解が営業においても重要であるという感想が寄せられており、より良い分析に向けてのモティベーションの向上につながっています。今回の発表で受けたコメントをもとに完成版をつくっていきます。
合宿3日目は工場見学です。今年はカゴメと信玄餅の工場を見学しました。前者では、日本のみならず世界の野菜を活用した飲料づくりの品質管理と製造工程を学びました。気候変動により、世界各地からの原料輸入に変化ができていることを知り、21世紀の課題を生産現場から感じました。後者では、テーマパークを採用した巧みなマーケティングを学ぶことができました。
本合宿は、3年生と4年生の必修講義である演習ゼミナールⅠとⅢに付随していますが、国際地域学研修(財務分析研修)という国際地域学科Project Study科目として単位履修することも可能です。初中級の企業会計の知識を春学期に示した学生が、財務分析レポートの作成・発表・完成と工場見学レポートの執筆により、内容が精査され単位が与えられます。財務分析と工場見学は関連があります。例えば、財務分析で棚卸資産として学んだ原材料の在庫が工場見学においてどのように管理されているかを現場で見ることで、企業を両目で見る目が育っていくのです。
カゴメ工場見学にて