イタリア研修は、多くの自然災害を経験してきたイタリア・日本両国の知見を共有し、災害復興とその後の持続可能な地域づくりについて、国際的かつ学際的な視点から学ぶことを目的としており、とりわけ、学生自らが問いを設定して現地でデータを収集し、日本の経験とも比較しながら、復興と持続可能な地域づくりについて考えることを重視しています。研修そのものは、2018年度より学長施策として開始され、2022年度からは教育力強化特別支援プログラム「地域づくりプラス」の一環として、建築学科・都市環境デザイン学科・人間環境デザイン学科・国際観光学科・国際地域学科の4学部5学科が連携して実施してきました。これまでに延べ6回の研修には197名の学生が参加しました。
2026年8月30日から9月11日にかけて実施した研修には18名が参加しました。本年度はボローニャから。世界最古の歴史を誇るボローニャ大学の博物館を視察しました。続いて港町アンコーナ、そして、カメリーノへ。カメリーノ市長やカメリーノ大学学長をはじめ多くの皆様に暖かく迎えられつつ、大聖堂の修復現場に加え、中心市街地や郊外、震災後に整備された緊急仮設住宅などを視察し、住民生活を含む復興の現状を多面的に学びました。同時並行的に学生は自ら設定したテーマに基づいて現地調査も行いました。今年度の調査では、中心市街地と郊外の復興状況比較、中心市街地での生活再建意向、宗教施設における観光利用と信仰実践、復興後の公共空間に対するニーズと利用行動など地に足の着いたものが多く、カメリーノ最終日のワークショップでは活発な議論が交わされました。学生は続くローマでも現地調査に取り組みました。
本年度の研修では、さらに、ボローニャとローマでワークショップを開いて、「地域づくりプラス」の枠組みやイタリア研修の成果を発信することに努めました。1088年に開かれたボローニャ大学では、"Building Bridges Between Italy and Japan" と題したワークショップでは、イタリアにおける全ての協定校にお声がけをして、各大学における研究・教育・学生交流などの国際的な取り組みを報告し合うとともに、震災復興から始まった連携を持続可能な地域づくりへさらに発展させる可能性を議論しました。またローマでは、Elena Leonardi上院議員のご協力の下、復興政策を担う政府関係者や在イタリア日本大使館関係者、大学研究者らとともに、震災復興、レジリエンス、国際協力をめぐる議論を行い、持続可能な地域づくりに向けた大学の役割を考えました。
最後にはなりますが、カメリーノ大学Lucia Ruggeri先生やボローニャ大学Simona Tondelli先生、Elena Leonardi上院議員をはじめ、本研修を支えてくださった多くの皆様に改めて御礼申し上げます。皆様のおかげさまをもってイタリア研修はますます展開します。乞うご期待ください。
カメリーノ中心市街地の大聖堂修復現場にて
カメリーノ大学でのワークショップにて
荘厳なボローニャ大学にて矢口学長のビデオメッセージ
議員会館でのワークショップを終えて