2026年5月23日(土)〜24日(日)、5月30日(土)〜31日(日) の合計4日間で、国際学部国際地域学科において、昨年に引き続き3回目となる「空間表現研修」を実施しました。
本研修は、事前学習、現地での施設視察、および事後学習を組み合わせた実践的なカリキュラムで構成されています。学生たちが複数の表現手法(スケッチ、図面、CAD)の基本技術を体系的に理解するとともに、一連の演習を通じて、空間表現における方法論や役割、今後の課題について深く考察することを目的としています。
今年度の学外実習では、世田谷区にある名建築「旧猪股邸(猪俣庭園)」(吉田五十八設計)と、貴重な歴史的建造物が移築・保存されている「江戸東京たてもの園」を訪問しました。
実習中、学生たちは真剣な表情でスケッチに取り組んでおり、旧猪股邸では庭園の解説担当の方へ熱心に質問を重ねる姿が印象的でした。
旧猪股邸で住宅の解説を熱心に聞く学生
旧猪股邸でスケッチに取り組む学生
旧猪股邸のリビングから中庭を望む
また「江戸東京たてもの園」では、前川國男自邸や堀口捨己設計の建築をはじめ、数多くの貴重な歴史的建築物を熱心に見学しました。
学生と前川國男自邸を訪問しました
前川國男自邸の前でスケッチに取り組む学生
図面や文献で目にした「設計思想」と、目の前にある「実際の建築物・空間」を五感で組み合わせて体感することの重要性を、身をもって学ぶ貴重な機会となりました。(科目担当教員:国際学部国際地域学科 牧野冬生)
<受講生コメント>
空間表現研修では、建築を見る、考える、表現する、楽しさを体験することができました。
事前学習では、平面図や断面図の読み方、図面による表現方法について学び、前川國男自邸のトレースや軸測投影図の作成に取り組みました。建物を訪れる前に空間構成や設計の工夫について学んでいたことで、実際に建築を見学した際には、図面と実空間を結びつけながら理解を深めることができました。
校外学習では、旧猪股邸と江戸東京たてもの園を訪れました。旧猪股邸では、ガイドの方による熱意あふれる丁寧な解説を通して、建築家が人の動きや視線、空間の見え方まで考え抜いて設計していることを知り、建築には見た目の美しさだけでなく、人をもてなすための工夫や思いやりが込められていることを学びました。また、前川國男自邸では授業で学んだ内容を実際の空間で確認することができ、建築への理解がさらに深まりました。
研修後は学んだことを各自ポスターにまとめて発表し、牧野先生からの講評を通して新たな視点を得ることができました。最終日にはAutoCADを用いた製図の面白さを実感しました。4日間を通して、建築の魅力と空間表現の奥深さを学ぶことができた、非常に充実した研修となりました。(4年 鈴木亜里紗)
本講座は建築学的視点から空間を表現する種々の技法について実践的に学ぶものである。1日目は基礎的な平面における空間の表現技法を学び、2日目に実際に猪股邸と江戸東京たてもの園に赴きそれら建築物を観察し、3日目と4日目にAutoCADを用いて「住吉の長屋」を作図するといった構成で進む。
私が最も印象に残った課題は建築物の観察とそのレポートの作成である。どこに画像を配置するべきか、スケッチで見せたいものは何か、文章でどの程度説明するか、といったように表現について非常に注意を払った。
空間表現とは畢竟、空間という情報を「相手に伝える」ということである。建築学に興味がなかったとしても、相手に情報を伝えるスキルは、文理を問わず様々な学問分野で応用可能なものであることは言うまでもない。本講座の課題提出を通してレポート等における表現の手法を吟味することができるようになる。私は本講座の受講を強く勧める。(4年 溝口八洲)
<授業を受けての感想より>
・建築にはあまり興味がなかったけど、CADや製図をして、どんどん完成していく感覚が楽しいと感じた。
・授業全体を通してとても楽しく学ぶことができました。実際に外へ行って建築を見る活動はとても新鮮で、建築に対する興味がさらに深まりました。これからもこのような実践的な授業があると嬉しいです。
・CADの使い方を学べたのが自分の中で大きな財産であった。実際使ってみるとかなり難しかったが、コマンドを覚えられて良かった。
・就職活動や1Qのまとめ課題が全て並行しており、課題のボリュームが多すぎるようには感じた。その一方で自分の知らないことを深く、自分の手を動かすことで学びを得られたのでその点で頑張れて良かったと思う。建物の訪問では2箇所離れすぎているので、交通費含め厳しいものはあったと思う。猪俣庭園は絶対行くべきだと思った。建築の全てがまとまっているように思えた。もっと長い時間をとって深く観察したかった。
・2週間週末連続の研修は少し大変でしたが、とても楽しかったです。特にCADの実習が一番印象に残りました。実習を通してCADの基本的な使い方を学ぶことができ、自分で図面を作成する楽しさも感じました。また、普段はなかなかできない貴重な体験ができ、とても有意義な研修だったと思います。ありがとうございました。
・期間が短く密度の高い授業であった。ハードではあるが、学びも多かったと思う。
・実際に猪俣庭園に行って調査をする活動。理由は情報だけじゃ分からない感覚を実際に見に行って感じることができたから。
・実際に建築や庭園を見学しながら学べたことが最も印象に残りました。教室だけでは分からない空間の雰囲気や、人の動線、自然との調和を実際に感じることができ、とても勉強になりました。また、日本建築の特徴や歴史について、実物を通して理解を深められたことが楽しかったです。
・猪股邸のプレゼンが印象に残った。テーマを持って見学したことで新たな発見を言語化出来た。
・実際に建物を見に行ったこと。事前講義みたいなものを通してこの建物を建てた時の思いみたいなところを学習していったので知っている知識の答え合わせみたいな側面があり楽しかったです。
・AutoCADの実習はとても興味深かった。YouTube等で多少齧っていた程度であったが、この授業を通して基礎的な操作に慣れることができた。
・猪俣邸や江戸東京たてもの園に訪れ、写真やスケッチをした活動が一番印象的でした。理由として、この授業を受けるまでそもそもこの建物の名前も存在も知らなかったのですが、今の時代には中々ないくらい植栽が埋め込まれ、今でもお手入れされている形に素晴らしさを感じました。自分の家にも庭があるので、もう少し活用したいです。
・CADの実習、細かい作業は苦手だと思っていたが仕組みが分かれば思ったよりできたから。
・率直にAutoCADは時間もかかり細かいため大変でしたが、メジャー(計測コマンド: measure)して完璧に揃った時の達成感が気持ちよかったです。楽しかったです。
・CADの実習はとても面白いと思いました。最初は操作が少し難しかったですが、レイヤーを分けたり、線の種類を変えたりするうちに、少しずつ図面らしくなっていくのが楽しかったです。また、手で描くよりも正確に表現できるので、CADの便利さも感じました。
・AutoCADの実習です。建築というと私にとってはとても敷居の高いものだと思っていたので、トレースとはいえ自分にも図面が描けるのかと思えるような体験がすごく面白かったです。