慶應義塾大学SFCで飯盛義徳研究会とスローシティのグループワークを行いました!
慶應義塾大学SFCで飯盛義徳研究会とスローシティのグループワークを行いました!
国際学部 国際地域学科の鈴木ゼミ(地域社会学)では、スローシティ運動(イタリア発祥の持続可能なまちづくり)を研究テーマとしています。
今回は同じくスローシティを研究テーマとしている慶應義塾大学湘南・藤沢キャンパス(SFC)の飯盛義徳教授の研究会(ゼミナール)の皆さんと、スローシティの抱える問題やどのように日本で普及させていくべきかなどについてグループワークと意見交換を行いました。
慶應SFCではゼミナール(研究会)が1年春学期から必修であり、全学年のゼミ生がいっしょに学んでいます。はじめに、東洋大学の鈴木鉄忠教授の講義を受け、スローシティの理念や歴史、そしてイタリアや韓国における実例、認証システムや課題などについて学びました。地域の文化や暮らしを大切にしながら持続可能なまちづくりを進めるというスローシティの考え方が、各国でどのように具体化されているのかを知ることで、日本でスローシティをどう位置づけ、どのように根付かせていくべきか改めて考える機会となりました。
次の時限には、グループに分かれて話し合いを行いました。私の参加したグループでは、まず「国際的な認証を得ることのメリットをどのように可視化するか」が重要だという意見が出ました。日本ではスローシティを推進する目的や意義がまだ十分に共有されておらず、「なぜ今スローシティなのか」「何のために取り組むのか」といった根本的な問いに対する答えが具体的に求められていると感じました。例えば韓国では、ソウル一極集中の是正や地方の観光振興を目的としてスローシティ運動が広まっています。しかし、日本では観光は必ずしも東京に一極集中していないうえ、競争率も高いため、観光だけを主なターゲットに普及を進めるのは難しいのではないかと考察しました。
そこで私たちのグループでは、近年の大都市から地方への”移住ブーム”に着目し、その流れを活かすことでスローシティをより広く伝えられるのではないかと考えました。移住への関心が高まる中、東京にも地方の暮らしへの憧れを持つ人が一定数いると想定されます。その一方で、スローシティについての情報が関心層に十分に届いているのでしょうか。その点を改めて見直す必要があると思いました。地域の人々に理解を促すことはもちろん、地域外の都市部の人々へのアプローチも強化することも大事だと考えました。
また、飯盛研究会のスローシティチームが千葉県香取市でインタビューした際に、スローという名称のイメージから「発展をあきらめて田舎町にシフトしていくのか?」と誤解している地域住民の方もいるというご指摘がありました。こうした状況を踏まえ、スローシティを東京などの都市部の“対抗馬”としてブランド化し、地域に誇りを生み出す視点が重要だと考えました。東京的な価値観で比較すれば見劣りする部分があっても、別の観点から「ここが強みだ」と胸を張れるようなプロモーションこそ、地域への愛着心を育み、移住先としての魅力度アップにも最も効果的なのではないかという結論を私たちのグループは導きました。
普段、他大学の学生との意見交換をする機会少ないため、非常に貴重で濃密な時間となりました。多様な視点に触れることで、自分自身にも新たな刺激があり、大きな学びを得ることができました。
このような機会をくださった慶應義塾大学 飯盛義徳先生および研究室の皆さまに心より感謝申し上げます。
(執筆者:東洋大学国際学部国際地域学科2年髙須大地、鈴木鉄忠教授)
(慶應義塾大学湘南・藤沢キャンパスの福沢諭吉像にて記念撮影)
この活動は、「東洋大学地域活性化支援事業」の支援金と「地域活性化支援活動に関する東洋大学と前橋赤城マイマイの会との相互協力覚書」の下に、実施しています。