前橋市「粕川元気祭り」に参加しました!
前橋市「粕川元気祭り」に参加しました!
国際学部 国際地域学科の鈴木ゼミでは、スローシティ運動(イタリア発祥の持続可能なまちづくり)を研究テーマとしています。
群馬県前橋市の赤城エリアは、日本で2番目に国際スローシティ(チッタスロー)連盟の認証を受けた地区です。鈴木ゼミでは前橋・赤城スローシティの空き古民家の利活用プロジェクトに参加し、地域の方々や現地の大学生と交流しながら、フィールドワークを行っています。
2025年11月2日、群馬県前橋市立粕川小学校で粕川元気祭りが開催されました。そこに鈴木ゼミ4期生4名、5期生5名でボランティアとして参加させていただきました。当日は粕川小学校の周りにある複数の駐車場がいっぱいになる程の人で賑わっていました。フライドポテト、飲み物、スリランカ料理、鮎の塩焼き、牛の串焼き、イカの串焼き、ベビーカステラなど多くのお店が出店していました。他にもバザー品の出店、景品がもらうことができる抽選会、少年少女達のステージでの発表など様々なことが行われており、大いに盛り上がりました。
私たち鈴木ゼミは、その中でもひろ味工房さんの「野菜たっぷりマルゲリータ」の販売とワタナベファームさんの野菜とジュースの販売を伝わせていただきました。半々の人数に分かれ2班で時間を決めて分担し、効率よく、積極的にお手伝いをすることができました。ピザを8等分に切る係、お持ち帰り用の箱にピザを入れてお客様に提供する係、ジュースを売る係、野菜を売る係と複数の役割を分担して元気よく楽しく販売することができました。ピザは生地をこねて盛り付けをし、窯でこんがりと焼いて提供しました。外でピザを焼いて販売する経験はなかなかできないので、新鮮な気持ちで楽しかったです。ただピザを販売するだけでなく、声を出してお客様を呼び込み、地域の方々とコミュニケーションをたくさん取ることができ、ボランティア活動を通して、地域コミュニティのリアルを体感することができたと感じます。会話の中でお客様に笑顔で「ありがとう。」と言っていただけることは、とてもやりがいになりました。しっかりとお手伝いすることができ、私たちが担当したピザは見事に完売させることができまし また、他の出店も笑顔でコミュニケーションを取りながら活動しており、地域の人と人のつながりや、その温かさを感じることができました。お昼休憩時には、自分たちが販売していたピザをいただきました。野菜がたっぷりで、伸びるチーズもたっぷりでとてもおいしかったです。
ピザに使用している野菜は全てワタナベファームさんのもので、販売していた野菜も富士見産でした。これはスローシティの推奨する認証項目「地域産品の活用」にあてはまります。地元の食材を使って地元の祭りで販売するという点でSlow Cityを体感しました。
地域の食の魅力を、地域の祭りを通して感じることができるいい機会になったと感じます。また、多くの地域の人々が明るく楽しく交流する姿は、人も地域の貴重な財産であると感じ、地域コミュニティはその地域の人々の居場所になると再確認できました。この点もスローシティの認証項目「歓迎体制の構築」につながる取り組みだと思います。
最後に4期生ゼミ長の宇佐美さんの体験を紹介します。「今回は人数が多かったので、2チームに分かれて活動しました。私たちのチームは、前半は他のブースを回り、後半はピザの販売をしました。アカゲラクラフトという竹の弓矢ワークショップのブースにお邪魔して山田裕久さんとお話する機会を頂きました。山田さんは粕川町で余っている竹を再利用して弓矢の手作りキットを販売したり、弓矢を作るワークショップを開催したりしています。性教育アドバイザーの藤野彩子さんもワークショップを手伝っていたので、お話を伺うことが出来ました。性被害やジェンダーについてなど、3歳の子どもから大人まで教育をしています。また性教育を楽しく、ポジティブなものとして受け入れてもらうために、ラジオの配信もしています。今回の粕川元気まつりで地域の方との新しい繋がりを作ることが出来て、今後もイベントに参加した際は地域の方と積極的に繋がりを作ろうと思いました。」
鈴木ゼミ5期生にあたる2年ゼミ生は、地域の活動に参加することが初めてでしたが明るく元気に取り組み、地域活動の面白さや、学びを体感することができたと思います。積極的に地域の方々と交流する姿勢は素晴らしかったです。
以下に参加した2年ゼミ生のフィールドノートの一部を紹介します。
今回のフィールドワークを通して感じたことは、やはり都心よりも地方のほうが人と人との距離が近いということだ。今回全く訪れたことのない地域に行き活動したが、東京の学生である私たちにも気さくに声をかけてくださる方が多く柔らかい空気感が伝わってきた。このようなイベントが開催されることは地域の結束を強め、また地域の魅力を発信することに繋がるだろうと感じた(西)。
余っている竹をクラフト作品へと生まれ変わらせる活動を進める方のお話しで特に印象に残ったのは、「管理しきれない竹林」というマイナスに捉えられがちな地域課題を、「新たな価値を生み出す資源」として捉え直している点である。竹を使ったクラフト体験は、ただ物を作るだけでなく、地域の自然や暮らしについて考えるきっかけにもなっていて、このような考え方がとても良いと思った。また、活動を通じて地域の人と外から来た人が自然に交わる場が生まれていることも印象的であった。
今回のフィールドワークを通じて、地域の活動は特別な人だけがやっているのではなく、一人ひとりの思いや行動が積み重なってできているということだった。さらに、外部から訪れた私たちに対しても「何かあったらいつでも連絡してね」と気さくに声をかけてくださる地域の方々のあたたかさが強く心に残った(水野)
観察を通して、粕川元気祭りは老若男女問わず色々な層に適した屋台が集まっていること、粕川地区の人にとって大きなお祭りという存在であることが推測された。また、地域の屋台が密集しているため、地域の人が沢山集まれるほどの場所として小学校の校庭で開催する必要があるのだと感じた。お店によって年齢層がバラバラな点からは、どの層が来ても楽しめるような屋台・出店選びをお祭りの運営が取り組んでいた状況もうかがえた。
今回のフィールドワークでの観察を踏まえ、今後の開催では粕川元気祭りが大きなお祭りであることを自覚して来場者がアクセスしやすいような駐車場や道案内作りを考える必要があると感じた。また、引き続き屋台のターゲットを分散させて様々な層が楽しめるお祭りを維持・改善することで、この粕川地区というスローシティ地域における地域活性化の促進をより進めていくことができると思われる(田村)。
大学進学を機に上京してきて二年が経つが、その二年で一番変わったこととしては、人とのつながりを感じにくくなったことである。人と人とのつながりが東京はあまりないように感じる。それに対して今回訪れた前橋市は、人のぬくもりをとても感じた。東京での生活はスローシティとは反対にあるものであると、今回の活動で改めて感じた(小柳)。
これからも多くの地域活動に参加し、Slowを感じ地域活動を盛り上げ、地域活性化に貢献できたら幸いです。関わってくださったすべての方々、ありがとうございました。
東洋大学国際学部国際地域学科3年上田壮馬、鈴木鉄忠教授
この活動は、「東洋大学地域活性化支援事業」の支援金と「地域活性化支援活動に関する東洋大学と前橋赤城マイマイの会との相互協力覚書」の下に、実施しています。