「人が健康で長生きするためには、どのような生活習慣・食習慣を送ったら良いのか?」その疑問を解き明かすために当研究室ではヒトを対象に様々な角度から調査・研究を行っています。学童期の子どもや青年期を対象に咀嚼や味覚感受性と健康状態、食習慣・生活習慣等との関連性を探索、さらに人が適切な食行動変容をするために高いヘルスリテラシーを身に付けられるような栄養教育方法の開発を目指しています。
地球温暖化の進行のため、将来も熱中症が日常生活上の脅威になることは確実です。そのため、熱中症予防の手軽で有効な対策を求めて研究を行っています。熱中症の発症要因には暑熱環境だけでなく、身体活動度、肥満、心肺機能、暑熱順化、熱中症の既往歴、加齢など様々な要因があります。熱中症予防の正しい行動を起こすために必要な知識の普及方法も検討しています。
生体高分子であるタンパク質やデンプンは生命の維持に欠かせない物質です。我々の研究室では様々な生体高分子の構造決定と物性との相関について研究しています。タンパク質の研究成果をもとに医薬品や農薬の開発を、デンプンなど食品関連の研究成果をもとに新しい食品の開発を目指しています。
魚油に豊富なn-3系脂肪酸は、糖・脂質代謝の改善や認知能力への作用が報告されており、老化に伴う炎症や様々な代謝性疾患の重症化予防に有効であることが考えられます。当研究室では、n-3系脂肪酸の供給源である魚油やエゴマ油など油脂の機能性に着目し、これら油脂の摂取による糖・脂質代謝の改善、炎症や老化に関わる遺伝子やたんぱく質発現への影響などを調べています。これら脂質栄養の研究により、人々のQOL向上への貢献を目指しています。
ヒトやマウスを用いて、食と脳機能の関係について研究しています。特に興味を持って実験しているのは食の嗜好性と脳機能、周産期ストレスなど、長期的な影響が出る脳内変化です。食の蓄積(世代を超えるようなもの)による変化も研究しています。
様々な食品の柔らかさや硬さの変化などを、構造変化の観点から調べています。新しい解析手法を開発して、硬さ・柔らかさ、そして食感を視覚的に捉えたいと考えています。
単糖やオリゴ糖(糖鎖)は生体において細胞同士の情報交換や、微生物との共生に関係していたり、物質の行き先を決めていたり、様々なコミュニケーションの場で活躍しています。生命が何故、糖を必要としたのか、必要だったのか、そしてその機能とは。
「おいしさ」を中心に食の機能性に関する研究を進めます。モデル細胞やモデル生物等を用い、分子生物学的手法や生化学的手法、バイオインフォマティクス、あるいは、データサイエンスを駆使した研究によって、食にまつわる個々の課題を解決していきます。そこから普遍的な”食品の機能=食の力”を明らかにし、食の機能性をより活用できる社会の実現を目指したいと考えています。
食品中の成分を、その化学的性質や存在形態に応じて、正確に測定する方法を開発しています。開発した方法を、品質管理の現場で活用して、食の安全・安心の確保に貢献します。
「科学の有用性」を実感し科学的能力と科学的態度の育成を目指す STEAM教育などをテーマにした学習モデル研究を行っている。
今後の社会動向等を見据えた学びの変革を志向し、世界の科学教育を牽引する実効性ある理論モデル、学習モデルと評価モデルを共創、提案することで、「科学の有用性」を実感し得る探究型の学びの実現、実践を通じて学習者の科学的能力と科学的態度の育成を目的とし、科学技術系人材育成や我が国の今後の教育課程に寄与する取組を目指している。
食品成分の持つ、抗酸化、抗ガン、抗菌、といった様々な機能を研究しています。加工食品を作るにあたって、どのような成分や機能を維持することができるか、向上させることができるか、そして食品として十分においしいものになるよう、検討しています。行きつくところは口に入れても危険ではない=食べ物を試料として、SDGsに貢献できること、を考えています。具体的には食品加工で廃棄される部位、大量に発生する部分などから有用成分を抽出し、その有用成分の特性を調べたり、競合因子を調べたりしています。
患者は、患った疾患のため、様々な生活上の制約を強いられる状況が多くあり、その結果、疾患の悪化を招くケースが少なくありません。患者が無理なく適切な栄養管理を実践するために必要なエビデンス構築と環境整備への貢献を目的として研究を行っています。
食とそれを取り巻く社会の課題は山積みです。経済学の考え方とデータサイエンスの技術を使い、そのような食と社会の課題を解決するために調査・研究を行う研究室です。現在は地球温暖化の解決のために、食は何をできるのか?どのようにすればいいのか?について研究を行っています。
当研究室は、VR(仮想現実)を含むXR技術を活用した経済実験などにより消費者行動に関するデータを収集し、食品に対する消費者需要を解明することに取り組んでいます。その上で、生産者の販売戦略や食料政策のあり方について提言を行うことを目指します。
微生物は食品の可食性を失わせるだけでなく、場合によっては食中毒を引き起こすこともあります。このような微生物のゲノム情報を解析し、その特性を明らかにすることで、食品の安全性・保存性を高め、フードロス削減や食糧問題の解決に貢献することを目指しています。
主な研究対象は、食を支える土地・水・大気などの自然資本の持続的な利用のための政策やコミュニティルールなどの制度デザインです。 アプローチとしては、経済学をベースに、空間情報利用にGISやドローン空撮画像を活用、食味実験や環境保全契約の逆オークションなど社会実験も取り入れています。現在の研究のキーワードは、生態系サービス支払い、社会実験、倫理的消費、農林業統計です。
シェイクスピアの受容史に関心があります。特に、17世紀から18世紀の出版文化において、「シェイクスピア」というブランドネームがどのように創成されたのか、また、ウィリアム・シェイクスピアの手によるとされる戯曲群が、どのような選別の過程を経て、活字として現代へと継承されてきたのかについて、批評史や書物史の観点から調査を進めています。
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