2025.03.01|SAT
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「第21回BNCシンポジウム- マテリアルAIシンポジウム -」を、2025年3月1日(土)にバイオ・ナノエレクトロニクス研究センターβ棟で及びオンラインのハイブリッド形式で開催しました。
参加者は学生を中心に90名(対面85名、オンライン5名)でした。
基調講演は、九州工業大学 教授/ニューロモルフィックAIハードウェア研究センター センター長の田中啓文 先生 により、「In-Materio Physical Reservoir Devices based on Random Network of Carbon Nanotube Sponge Structure for Robot Application」と題しまして、ナノカーボン材料を用いたランダムネットワークによるリザバーコンピューティングの研究について、ご講演いただきました。
リザバーコンピューティングにおける材料設計について、世界中で研究が進んでいるものの、明確な設計指針やそれを支える学理体系が十分に確立されていないことが説明され、未踏の研究分野であることを強く実感させる貴重な内容でした。
次に一般講演として、理工学部 電気電子情報工学科 教授/バイオ・ナノエレクトロニクス研究センター センター長より「ナノマテリアルの構造設計とニューロモルフィック素子への応用」と題して講演をした後、招待講演として、九州工業大学 教授の田向 権先生より「ホームサービスロボットへの応用を目指したレザバーシステムとマテリアル知能の可能性」と題して、リザバーコンピューティングの応用についてご講演いただきました。講演では、リザバーコンピューティングの応用として、エッジAIへの展開が重要であることを具体的な事例を交えてご紹介いただき、大変貴重な内容でした。
なお、招待講演予定者でした九州工業大学 准教授の常木澄人先生については、「スピントロニクスデバイスを用いたニューロモルフィックコンピューティング」と題して講演予定でしたが、体調不良のため講演がキャンセルとなりました。
午後からは、東京理科大学 准教授の生野 孝先生より「光電変換素子による光電子シナプス素子を用いた物理リザバーコンピューティング」と題し、光変換素子を利用したリザバーコンピューティングについて、ご講演いただきました。
講演では、リザバーコンピューティングにおける時系列データ処理の重要性やその活用事例についてご紹介いただきました。さらに、持続可能な低消費電力デバイスとして、色素増感型太陽電池を利用したリザバーの最新の研究成果をご発表いただき、大変興味深い内容でした。
次に、物質・材料研究機構 特命研究員の寺部 一弥様より「固体イオニクスを基盤とするニューロモルフィック素子の創製と評価」と題し、固体イオニクスを利用したリザバーコンピューティングについてご講演いただきました。 講演では、固体イオニクスの学理体系やニューロモルフィック素子としての活用、リザバーコンピューティングへの展開についてご紹介いただきました。寺部様は本研究分野の先駆者であり、その発展の歴史についても触れていただき、シンポジウムにおいて非常に意義深い内容となりました。
その後のパネルディスカッションでは、講演者および副センター長 片野諭先生をパネリストとした、パネルディスカッションを実施し、参加者学生に向けて、研究者やエンジニアのキャリアパスについて活発な意見交換を行いました。
パネルディスカッション後、β棟1階のフロアにて、49 件のポスター発表が実施されました。
講演とポスター発表のアブストラクトについては以下にアクセスしてください。
日時: 2025年3月1日(土) 10:00-17:10 / 17:30-19:00(懇親会)
場所: 東洋大学バイオ・ナノエレクトロニクス研究センターβ棟/福利厚生棟
形式: 対面およびオンラインのハイブリット開催
参加者数: 90名 (対面85名、オンライン5名)
ポスター: 49件
使用言語: 日本語
講演者: 田中 啓文/九州工業大学ニューロモルフィックAIハードウェア研究センター センター長
田向 権/九州工業大学 教授
常木 澄人/九州工業大学 准教授 ※体調不良のためキャンセル
生野 孝/東京理科大学 准教授
寺部 一弥/物質・材料研究機構 特命研究員
プログラム:
10:00-10:10 開会あいさつ
根岸 良太/東洋大学バイオ・ナノエレクトロニクス研究センターセンター長
10:10-10:50 基調講演
「In-Materio Physical Reservoir Devices based on Random Network of Carbon Nanotube Sponge Structure for Robot Application」
田中 啓文/九州工業大学ニューロモルフィックAIハードウェア研究センター センター長
座長: 片野 諭/東洋大学バイオ・ナノエレクトロニクス研究センター副センター長
10:50-11:20 一般講演
「ナノマテリアルの構造設計とニューロモルフィック素子への応用」
根岸 良太/東洋大学バイオ・ナノエレクトロニクス研究センターセンター長
座長: 片野 諭/東洋大学バイオ・ナノエレクトロニクス研究センター副センター長
11:30-12:00 招待講演
「ホームサービスロボットへの応用を目指したレザバーシステムとマテリアル知能の可能性」
田向 権/九州工業大学 教授
座長:根岸 良太/東洋大学バイオ・ナノエレクトロニクス研究センター センター長
12:00-12:30 招待講演
「スピントロニクスデバイスを用いたニューロモルフィックコンピューティング」
常木 澄人/九州工業大学 准教授*講演キャンセル
座長:根岸 良太/東洋大学バイオ・ナノエレクトロニクス研究センター センター長
12:30-13:30 昼食
13:30-14:00 招待講演
「光電変換素子による光電子シナプス素子を用いた物理リザバーコンピューティング」
生野 孝/東京理科大学 准教授
座長:根岸 良太/東洋大学バイオ・ナノエレクトロニクス研究センター センター長
14:00-14:30 招待講演
「固体イオニクスを基盤とするニューロモルフィック素子の創製と評価」
寺部 一弥/物質・材料研究機構 特命研究員
座長:根岸 良太/東洋大学バイオ・ナノエレクトロニクス研究センター センター長
14:40-15:10 パネルディスカッション
座長:根岸 良太/東洋大学バイオ・ナノエレクトロニクス研究センター センター長
パネリスト:
田中 啓文/九州工業大学ニューロモルフィックAIハードウェア研究センター センター長
田向 権/九州工業大学 教授
生野 孝/東京理科大学 准教授
寺部 一弥/物質・材料研究機構 特命研究員
片野 諭/東洋大学バイオ・ナノエレクトロニクス研究センター副 センター長
15:10-17:00 ポスターセッション
同時進行:応用物理学会 東洋大・東京電機大スチューデントチャプター
17:00-17:10 閉会あいさつ
根岸 良太/東洋大学バイオ・ナノエレクトロニクス研究センターセンター長
17:30-19:00 懇親会