2023.04.01|SAT
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東洋大学アジア文化研究所にある2拠点
人間文化研究機構ネットワーク型基幹研究プロジェクト「グローバル地域研究」プログラムには「グローバル地中海」「環インド洋」「海域アジア・オセアニア」「東ユーラシア」の4つの地域研究プロジェクトがあり、そのうちの2拠点である、「グローバル地中海地域研究プロジェクト」研究代表:三沢伸生(社会学部教授/アジア文化研究所研究員)、「海域アジア・オセアニア研究」研究代表:長津一史(社会学部教授/アジア文化研究所研究員)が2022年8月より東洋大学アジア文化研究所を拠点として設置されました。
本プロジェクトは、地中海を取り囲む諸国を、北は「ヨーロッパ」、南は「中東・北アフリカ」として分断する既存の地域研究の枠組みを脱構築し、「地中海地域」としての歴史的・文化的な関係性を包括的にとらえるアプローチを探求します。また、地中海は内海であるものの、西に航海すれば大西洋の先にアメリカ大陸、南東のスエズ運河を経由して紅海から東アフリカやインド洋と繋がっています。一方、シルクロードは中央アジアまで続いています。こうした地理的空間を念頭に、17世紀から現代までの地中海を介したグローバルな人・モノ・知識の往来について、超地域的かつ学際的アプローチを援用して考察することで、新しい地域研究の構築を目指します。(拠点HPより)
海域アジア・オセアニアの人びとは、津波等の自然災害による被害を被りやすいエコトーン(遷移帯)、海辺に生活の場を築き続けてきた。それは、かれらがこのニッチに、独自の社会文化的意味を見いだし、同時に罹災等の不確実な状況に対処していく力、レジリエンスを確保してきたからにほかならない。本拠点は、「海辺居住のレジリエンスと在地の論理」をテーマとして、(1)自然災害と海辺居住の歴史過程、(2)その過程に生じた社会文化面の変容と適応、(3)外部アクターによる海辺居住への関与とその影響を、100年程度の長期的なタイムスパンで分析しようする。これらの分析を基に人びとが海辺居住により確保してきたレジリエンスのあり方を明らかにすることと、地域間比較によりそのレジリエンスの地域性と共通性を示すことが本研究の主な目的になる。本年度は事業実施の体制を整備し、インドネシアやタイ、日本において予備的な調査を実施する。他に、ホームページの作成を進めると同時に、中長期的な成果発信の計画について検討する。(拠点HPより)