開催報告
2026年5月29日と30日の2日間にわたり、「光共創科学コアリション戦略会議 第1回ビームライン講習会」を開催いたしました。
本講習会は、同会議構成機関に所属する研究者等を対象に、実機に触れる実践的な機会を提供することで、「放射光利用の基盤強化」「放射光人材の育成」、そして「新規利用者の裾野拡大」を図ることを目的として実施しました。
当日は、初めて放射光施設を利用する研究者から、具体的な測定計画を持つ研究者まで、幅広い層が参加しました。
講義セッション(SRIS棟アントレプレナーホール)
初日の5月29日は、東北大学SRIS棟アントレプレナーホールにて『講義セッション』が行われ、現地およびオンラインのハイブリッド形式で約120名が参加しました。
冒頭、主催者を代表して本戦略会議の議長である、湯上浩雄 東北大学 理事・副学長より開会挨拶が行われました。
続いて、光科学イノベーションセンター(PhoSIC)より、専門的な講義が行われました。 山根宏之 ビームライン部長による「コアリションビームラインの最新状況」では、2024年4月より運用を開始したコアリションビームラインの光学系およびエンドステーションの整備状況と今後の高度化計画について解説されました。 神谷和孝 部長による「XAFS測定と解析の基礎」では、XAFSの原理や解析の基礎に加え、実用的な応用へ向けた測定手法の選択条件や試料調製方法について説明が行われました。八木直人 理事長特別補佐による「X線CT測定と解析の基礎」では、X線CTの原理から撮影装置、画像再構成法に至るまで、実験計画や試料準備に直結する実践的な知見が共有されました。 池永英司 部長による「光電子分光測定と解析の基礎」では、光電子分光の基本原理と、実際のスペクトルデータを用いた化学シフト等による化学結合状態の識別など、データ解析の基本手順が解説されました。
各講義の終了後には質疑応答の時間が設けられ、参加者から多くの質問が寄せられ、活発な議論が交わされました。
実習セッション(NanoTerasu)
NanoTerasuにて行われた『実習セッション』には約40名が参加しました。
実習は、軟X線から硬X線領域までをカバーする多様なエンドステーションに分かれて実施されました。 参加者は、軟X線吸収分光(Soft X-ray XAS)、X線回折(XRD)、小角X線散乱(SAXS)、硬X線吸収微細構造(XAFS)、硬X線光電子分光(HAXPES)、X線CT(白色広視野CT・単色μCT)、走査型軟X線顕微分光(SXM)といった多様な分析手法の各ビームラインに分かれて実習に臨みました。
各ビームラインでは、PhoSICの担当者による標準サンプルを用いたデモンストレーションや測定フローの説明等が行われた後、参加者が持参した個別試料の測定が実施されました。
本講習会は、参加者がNanoTerasuを利用し、新たな研究や価値創出の契機を得るとともに、参加者同士の交流を深める重要な機会となりました。