センターについて

超高齢社会を迎えた日本では、長生きを目指す医療から、避けることのできない「死」という運命にしっかりと向き合い、いつか亡くなるその時までどう過ごしたいかという、看取りの質を高める医療が求められています。私たちは患者さんやご家族が何をしたいかを一緒に考え、残された大切な時間を豊かでより良いものにできるように一緒に歩みます。絆、ぬくもり、幸せといった「学ぶべき医療の原点」が在宅医療にあります。

当院で在宅医療を受けている患者さんの疾患は多岐に渡り、終末期だけではありません。時には救急搬送をしたり、急性期の治療を在宅で行ったりすることもあり、総合診療的なアプローチが必要です。在宅医療は患者さんの自宅という密室で行われるため、外からは何をやっているのか見えづらいという問題がありましたが、当院ではトレーニングを受けたPAによって診療中の患者さんやご家族との会話が診療録に記録され、担当医に定期的なフィードバックを行うようにしています。臓器別専門医も多数在籍しており、近隣の急性期病院との交流も盛んです。在宅医療を受けている患者さんが入院しても、協働して患者さんをシームレスに診ていくことができます。当院の在宅医療は総合診療を学ぶ絶好のフィールドです。

在宅医療は決して医師一人ではできません。豊かな時間を実現させるためには、患者さんやご家族、そして多職種を巻き込んで「みんなで考える」というプロセスが重要になります。そんな在宅医療という「場」の力が、医師として、人として、大きく成長させてくれます。

経験は問いません。総合診療や在宅医療に興味がある医師の皆さん、まずは見学にいらしてください。是非、私たちと一緒に考えましょう！