目的
目的
2001年に開設されたメディアセンターは、八王子キャンパスおよび上野毛キャンパスを含む全学の共同利用施設です。作品をつくる手助けとなる多様な施設の提供とともに、コンピュータやインターネットに代表される新しいデジタルメディアを駆使した、デジタルとアナログの融合による作品に関する支援を行っています。
マルチメディア時代、高密度情報化社会における新しいアートやデザインの役割を探究し、メディアの記憶と創造の拠点づくりを目指すグローバルなコアセンターです。写真からバーチャルリアリティまで、美と知の表現、伝達、蓄積、応用に関するさまざまなメディアは、技術革新や文化の変容とともに大きく変遷してきました。こうした歴史的な変化を踏まえつつ、さらなるメディアの変容がかつてない形で連鎖的に起こっている今日、メディアセンターはメディアや情報の在り方を総合的にとらえ、実験的なプロジェクトの実践をしています。
また、メディアセンターでは本学が輩出してきた多様な人材や多くの作品、研究成果等の豊潤な遺産をベースに、多彩なメディアや技術を自在にコントロールし、未来の創造力を実現する新しいタイプのアーティストやクリエイターを育てていくための拠点を目指しています。
特徴
コンテンツやビジョンの発信の場
デジタル時代における新しい情報や表現の在り方を模索し、かつてない形式をもってコンテンツやビジョンを多様なメディアテクノロジーを使って発信しています。
インタージャンルとインターメディアのシステム
従来の学科編成やカリキュラムを超えて、メディアやジャンルを自由に往来できるような創造研究環境を用意し、新しい価値や意味をつくり出せる人材の育成を目指します。
コラボレーションとネットワークの重視
未来の創造において何よりも重要なのは、コラボレーションとネットワークであるといわれています。メディアセンターでは各学科や教員、学生間の共同プロジェクトや共同イベントへの施設提供や技術支援を行っております。
メディアのパノラマ〈メディアウォール〉によるプレゼンテーション
メディアセンターの2階に設置されたメディアウォールによる大プレゼンテーションは、20世紀のメディアや表現をダイナミックに俯瞰し、21世紀の新しい創造の実践へとつなげていく見取り図です。20世紀のメディア、アート、デザインの100年の流れをオーディオ、ビジュアル、オブジェ、オリジナルプロダクト、パネル、写真などの複合的なプレゼンテーションシステムを用いて、コンコース全体で多元的に展開しているこのゾーンは、メディアの歴史や特性をさまざまな形で読み解く手掛かりとなります。
コミュニティと情報提供
メディアセンターはさまざまなイベント、シンポジウム、レクチャー、ワークショップなどのプログラムを企画運営し、学内だけでなく広く地域住民や外部来訪者に働きかけていくオープン・フォーラム・システムを有しています。この独自の情報蓄積と情報提供の仕組みを通じ、内外の交流を促進しています。
コンピュータリテラシーとベーシックプログラム
メディアセンターは本学の学生に基礎的なコンピュータ教育と関連するメディア研究プログラムを提供するトレーニングセンターでもあります。ベーシックな知識や技術を集中的に吸収していけるシステムをもっています。
CMTEL(素材研究室)の設置(2007年7月)
CMTEL とは、Color(色彩)、Material(材料)、Trend(傾向)をExperiment(実験)して、Exploration(調査)することにより、学生自身が制作物の材料や考え方、アイデアの糸口を見つけるためのLaboratory(研究室)です。
国内外問わずさまざまな材料メーカーなどからサンプルの供給、サポートを受けて運営し、その情報は常に新しい状態に更新していきます。このような素材の研究室は日本では初めての施設です。
収集される材料は、木材、金属、プラスティック、布材などはもちろんのこと、現在様々な材料メーカーで開発されている最先端の材料、技術も含みます。それらの情報はコンピュータ管理により自由に検索・閲覧し、スキャンすることができます。また、メーカーへの問い合わせもできるよう体制を整えました。このシステムにより、講習会の開催、共同研究の依頼にもつながる可能性があるといえるでしょう。
学内4,700名のアートとデザインを学ぶ学生の為のシンクタンク的な活動にとどまらず、メディアセンターの主旨通り、情報の発信、収集を行うために、アートセンター・カレッジ・オブ・デザインのCMTELとの連携を核にし、世界中の大学や研究機関とともに材料、トレンドについて研究を行います。
CMTELは国際的なネットワークを形成し、大学の「材の資料館」としての重要な幹となるべく誕生した、創造的なアーカイヴです。