作・演出 平田オリザより
PAP(パフォーミングアーツプロジェクト)は、毎年、プロの演出家を招いて学生たちと作品を創るプロジェクトです。本年は私が作・演出を担当しています。上演作品『もう風も吹かない』は、2003年、当時私が准教授を務めていた桜美林大学文学部総合文化学科演劇コースの一期生の卒業公演のために書き下ろした作品です。
本作は国際協力機構(JICA)が派遣する青年海外協力隊の訓練所が舞台になっています。協力隊員は派遣までは「候補生」と呼ばれ、国内に数カ所ある訓練所で70日以上の訓練を受けます。舞台上では、訓練所内での微妙な人間関係、訓練生の漠然とした不安の時間が丁寧に描かれていきます。
『もう風も吹かない』は近未来、日本が財政破綻か通貨危機に陥り海外支援が全面停止されるという設定です。本学での再演が決まったのは半年以上前でしたが、今年の夏以降は「ホームタウン問題」に端を発するJICAたたきが始まり、さらに本作は不気味な現実味を増してしまいました。
世界中に自国中心主義の風潮が広がる中、「人を助ける」ということの本質について向き合う作品となっています。
学生たちは厳しい稽古を繰り返し皆さんをお待ちしています。多くの方にご覧いただければ幸いです。
浅田
(演:齋藤 颯人)
自分が演じる浅田は楽しくて深みのある人物です、是非ご贔屓に。
飯島
(演:瀬尾 凛月)
ミャンマーに日本語を教えに行く、協力隊の候補生です。
友人が多く愛想も良い、その性格が幸か不幸か厄介な縁まで引き寄せてしまうみたいです。
大河原
(演:髙木 創太)
日本人の食生活を支える米。世界に羽ばたいていく訓練生の中で、農業隊員・大河原を演じさせていただきます。
普段はあまり演じない役柄を演じます。だのぢい
小野
(演:寺澤 莉子)
かるた隊員としての実力を発揮します!
木下
(演:大野智也)
雪香る、但馬に響くは、俳句かな
倉林
(演:葛西彩菜)
なんかずっとイライラしてるけど、意外と健気な子です。
よろしくお願いします。
桜田
(演:仲山 匠)
面白い演技ができるように頑張ってます。
下柳
(演:麻里依)
バングラデシュに派遣される看護師隊員です
津野
(演:阿部 壽希也)
真面目で不器用な
きのこ大好き男です。きのこに対する愛情に注目してください。ちなみに僕の推しきのこは「なめこ」です。
寺西
(演:高良日菜)
その場に溶け込めているような、でも違和感があるような人物にしたいです。
中根
(演:長友美咲希)
中根は、最後の派遣になることをあまり深刻には考えておらず、一見無関心に見えるかもしれません。でも彼女なりにきっと考えているのです。
西村
(演:石川 彩楓)
私が演じる時にこだわっているのは、言葉の使い方です。この戯曲は言葉がとても美しいので、それを崩さないように語順などを特に気をつけています。
西村は唯一舞台上で楽器を弾く役です。西村の音楽で楽しむ隊員たちの雰囲気に注目して欲しいです。
古山
(演:山中聖瑛)
私は古山という青年を演じます。悩みが多くて臆病な自動車隊員です。いい奴です。
右田
(演:室田 優希)
音楽隊員の役です。
どこか切ない人なんだろうなと思います。
自然体でやります。よろしくお願いします。
吉本
(演:藤 皐)
彼女から発される全ての言葉が行動が
私が愛するすべて
田所
(演:林 恒太朗)
"元協力隊員でJICA職員のおじさん"という、自分自身とはかけ離れたキャラクターを演じます。セリフを発するワクワク感を大切して、今の自分の精一杯を表現します。
丸山
(演:市田朱里)
丸山の厳しさの奥にある人間らしさを感じてもらえるよう、丁寧に演じられたらと思います。
片桐
(演:山内健司)
かなり危機的な状況の近未来ものですよね、そのなかで、真摯に生きる、笑って生きる、そんな若い人たちのお話だと思います。観る人の心が映る、鏡のような作品になっていると思います、いいですよー。私は教員としては、はじめて俳優として学生と向き合います、うれしいなあ。お楽しみに!
本多
(演:宮内美彩希)
なにかとバタバタ動き回ってます。
東田
(演:齊藤文也)
うわまた来た…
って気分になると思います
脇田
(演:髙橋智子)
所員の脇田役、髙橋です。20年前に大学生だった自分が演じた役に、今の自分としてもう一度出会えることが嬉しいです。新しい共演者の皆さんと共に、改めてこの作品の魅力を感じています。
八雲
(演:村井まどか)
訓練生が抱える不安をちょっと先に経験した先輩として、力になれる事とそうでない事と自分の経験を思い出しながら訓練生たちを見守っているのかな?と思いつつ演じています。色々な立場の人がいますが、それぞれ共感する部分があります。楽しんでいただけたら幸いです。
木下 恵
(演:渡邉 英莉香)
恵ちゃんは大学生で同じ学生なので演じていてとても楽しいです。恵ちゃんの発言ひとつひとつが彼らにどのように響くのかぜひ注目していただきたいです。
三枝
(演:宮下 千裕)
支えてくださる全ての方へ感謝を込めて出演させていただきます。
皆様のご来場、お待ちしております。
Staff interviews
舞台監督 仕事内容:タイムテーブルの作成、ゲネプロや本番の進行
スタッフの一員として主には舞台の安全管理や各セクションの橋渡しとなるべく、ご指導いただきながら4人のチームで精一杯
活動をしてきました。上演の終わりを迎えるその時まで全力で座組を支え、駆け抜けていきたいと思っています。
直接観客の皆さまの目に触れる機会はございませんが、こうした舞台の関わり方もあるのだと知っていただけると幸いです。
本当に多くのに人々の努力が詰まった作品となっております。どうぞお楽しみください!
演出補佐 仕事内容:稽古場運営のサポート全般 (変更点などの記録、小道具の準備や管理など)
秋山: 観れば観るほど一人ひとりの温かさが心に沁みてくる作品です。ゆっくりじっくり言葉を堪能しながら、
そして伝わってくるエネルギーをぜひ劇場で体験してください!
船川: JICAの訓練生達と共に、人生のこととか、悩みながら考える時間をお過ごしください。
森: 観れば観るほど、俳優たちの役分析のきめ細やかさが鮮明に見えてくる「スルメ作品」です!
ぜひ何度でもお越しください。
衣裳チーム 仕事内容:衣裳のプラン、裾上げ、ジャケットのアレンジ、管理、メンテナンス等
キャストの顔と衣裳が合うか一人一人考えながら、スタイリングしました。
JICA所員のジャケットは青年団さんからお借りし、襟を少しアレンジさせていただき、
未来を感じられるデザインになったのではないかと思います。
今回、衣裳の数は小道具も合わせて140点以上!!様々なキャラクターとそれぞれを彩る衣裳にもご注目ください!
照明チーム 仕事内容:照明プランの作成/仕込み・本番の照明オペレーション
好みも経験も異なるメンバーが集まった照明班ですが、日々あれこれ試行錯誤しながら
共に『もう風も吹かない』の光づくりに向き合ってきました。
俳優の皆さんのお芝居や美術をただ照らすだけでなく「光そのものも作品の一部になれるように」と、
3人の違いも大切にしつつ一灯一灯を作っています。
物語とともに移ろっていく空間の表情を、照明のちょっとしたこだわりとともに感じていただければ幸いです。
コミュニケーションデザイン 仕事内容:グリーンルームの設置・稽古場内での居方のデザイン・
ホワイエから稽古場(静思堂)内の様子が見えるよう、モニターの設置・ホワイエデザイン(カフェ設置、
展示制作、受付カウンターの制作、設置)
今回は、「観客と作品、俳優をつなぐ癒やし空間」というコンセプトのもと、稽古場やホワイエをデザインしてみました!
新しい取り組みで悩むこともありましたが、たくさんの話し合いを重ねてPAPに必要な空間を考えてきました。
是非観劇後もホワイエでゆっくり劇の余韻に浸って頂けますと幸いです。