北海道壮瞥高等学校の部活動に係る活動方針

 

はじめに

○生徒の自主的、自発的な参加により行われる部活動は、スポーツ・文化芸術、科学等に親しませ、学習意欲の向上や責任感、連帯感の涵養等、学校教育が目指す資質・能力の育成に資するものであり、学校教育の一環として、教育課程との関連が図られるよう留意する必要がある。

○学校教育の一環として行われる部活動は、異年齢との交流の中で、生徒同士や教員と生徒等との好ましい人間関係の構築を図ったり、生徒自身が活動を通して自己肯定感を高めたりするなど、生徒が自主的で多様な学びや経験をする場として、教育的意義が高い。

○部活動は教育課程外の活動であり、その設置・運営は学校の判断により行われるものであるが、部活動を実施する場合には、生徒にとって望ましいスポーツ・文化芸術環境となるよう、生徒の学校生活等への影響を考慮した休養日や活動時間を設定し、けがの防止や心身のリフレッシュを図るほか、部活動だけではなく、多様な人々と触れ合い、様々な体験を充実させるなど、生徒のバランスのとれた生活や心身の成長に配慮する必要がある。

また、教員が、健康でいきいきとやりがいをもって勤務しながら、学校教育の質を高められる環境を構築するためには、教員の部活動指導における負担が過度にならないよう配慮し、部活動が持続可能なものとなるよう、合理的でかつ効率的・効果的に行われる必要がある。

 ○令和4年(2022年)12月にスポーツ庁及び文化庁が全面的に改定した「学校部活動及び新たな地域クラブ活動の在り方等に関する総合的なガイドライン」に則り、「北海道の部活動の在り方に関する方針」を参考として、広域性や気候など北海道の特色及び学校の部活動の実態などを踏まえ、「道立学校に係る部活動の方針」が策定されたことから、本校でも部活動に係る活動方針を策定し、公表する

 

(1) 部活動における適切な指導の実施

○生徒のバランスのとれた健全な成長の確保の観点から、休養を適切に取ることが必要であること。

○過度の練習がスポーツ障害・外傷のリスクを高め、必ずしも体力・運動能力の向上につながらないこと等を正しく理解すること。

○生徒の体力の向上や、生涯を通じてスポーツに親しむ基礎を培うことができるよう、生徒とコミュニケーションを十分に図ること。

○生徒それぞれの目標を達成できるよう、競技種目の特性等を踏まえた科学的トレーニングの積極的な導入等により、休養を適切に取りつつ、短時間で効果が得られる指導を行うこと。

○専門的知見を有する保健体育担当の教諭や養護教諭等と連携・協力し、発達の個人差や成長期における体と心の状態等に関する正しい知識を得た上で指導を行うこと。

 

 (2) 文化部活動における適切な指導の実施

○生徒のバランスのとれた健全な成長の確保の観点から、休養を適切に取ることが必要であること。

○過度の練習が生徒の心身に負担を与え、文化部活動以外の様々な活動に参加する機会を奪うこと等を正しく理解すること。

○生徒の文化芸術等の能力向上や、生涯を通じて文化芸術等の活動に親しむ基礎を培うことができるよう、生徒とコミュニケーションを十分に図ること。

○生徒が技能等の向上や大会、コンクール、コンテスト、発表会等でのそれぞれの目標を達成できるよう、分野の特性等を踏まえた合理的でかつ効率的・効果的なトレーニングや活動の積極的な導入等により、休養を適切に取り、短時間で効果が得られる指導を行うこと。

○専門的知見を有する教諭や養護教諭等と連携・協力し、発達の個人差や成長期における体と心の状態等に関する正しい知識を得た上で指導を行うこと。


 (3) 適切な休養日の設定

○学期中は、週当たり2日以上の休養日を設ける(平日は少なくとも1日、土曜日及び日曜日(以下「週末」という。)は少なくとも1日以上を休養日とする。週末又は祝日に大会参加等で活動した場合は、休養日を他の日に振り替える。)。また、学校閉庁日は休養日とし、休養日の設定に当たって、道民家庭の日(毎月第3日曜日)は、可能な限り休養日とするよう努める。なお、休養日には学校で行う朝練習や自主練習も行わない。

 ○長期休業中の休養日の設定は、学期中に準じた扱いを行う。また、生徒が十分な休養を取ることができるとともに、部活動以外にも多様な活動を行うことができるよう、ある程度長期のオフシーズンを設ける。


(4) 活動時間の設定

○1日の活動時間は、長くとも平日では2時間程度、学校の休業日(学期中の週末を含む。)は3時間程度とし、できるだけ短時間に、合理的でかつ効率的・効果的な活動を行う。

大会等の当日において、活動時間が3時間以上になる場合は、十分な休養を取ることができるよう、その後の休養日や活動時間を設定する。酷暑時は原則として活動を行わない。


(5) 部活動の設置、統廃合、合同チーム等の編成

○生徒と部活動顧問の負担が過度にならないよう適正な数の部活動数を考慮した上で、既存の部活動の統廃合などと合わせて、競技力や技能の向上、大会等での成績以外にも、適度な頻度で行ったり、スポーツ・文化芸術等の活動に興味と関心をもつ同好の生徒が、学級内とは異なる人間関係を形成したりする等、生徒の多様なニーズに応じた活動を行うことができる部活動の設置について検討する。なお、部活動の設置や統廃合に当たっては、校内でガイドラインを作成するなどして、生徒や保護者の理解の下、長期的な見通しをもって行う。(本校は部員数0名で休部となり、3年間部員数0名が継続の場合廃部となる)

○合同チームにおいては関係校等との協議の上、例えば、自校での練習を中心としながら、大会等の直前のみ合同練習を行うなど、双方の移動に係る時間を含め、合同チームや合同練習による活動を行うことにより、生徒と部活動顧問の負担が過度とならないこと等を考慮した上で、実施の可否を判断する。なお、合同練習などを行う際の移動時間については、生徒の活動時間には含めないこととするが、長時間の移動を伴う合同練習等の実施に当たっては、成長期にある生徒が、教育課程内の活動、部活動、学校外の活動、その他の食事、休養及び睡眠等の生活時間のバランスのとれた生活を送ることができるよう配慮した実施回数とする。

○障がいの有無や得意不得意に関わらず生徒が参加しやすいよう、スポーツ・文化芸術等に親しむことや、個別の課題や挑戦を大切にすること、過度な負担とならないよう活動時間を短くすることなどの工夫や配慮をする。

○部活動は生徒の意思に反して強制的に加入させることがないようにするとともに、その活動日数や活動時間を見直し、生徒が希望すれば、特定の種目・部門だけでなく、スポーツ・文化芸術や科学分野の活動や地域での活動も含めて、様々な活動を同時に経験できるよう配慮する。


(6) 部活動の地域連携

○学校や地域の実態に応じて、地域のスポーツ・文化芸術団体との連携や民間事業者の活用等により、保護者の理解と協力を得て、学校と地域が協働・融合した形での地域におけるスポーツ・文化芸術の環境整備を進める。その際、各地域において、行政、学校、スポーツ・文化芸術団体等の関係者が現状や課題を共有し、今後のスポーツ・文化芸術環境の在り方等を協議する場を設けることも考えられる。

○地域の実情等に応じ、学校種を越え、中学校、大学及び特別支援学校等との合同練習を実施するなどにより連携を深め、生徒同士の切磋琢磨や多様な交流の機会を設ける。

○学校と地域・保護者がともに子どもの健全な成長のための教育、スポーツ環境の充実及び文化芸術等の活動に親しむ機会の充実を支援するパートナーという考え方の下で、こうした取組を推進することについて、保護者の理解と協力を促す。

○地域や学校の実情に応じて、地域で実施されている地域クラブ活動と同じ分野の部活動について、休日の練習を共同で実施することや、休日に限らず平日においても、連携して活動することなどを検討する。

○地域の実情に応じて必要な場合は、地域で実施されているスポーツ・文化芸術活動の内容等について生徒や保護者に周知するなど、生徒が興味関心に応じて自分にふさわしい活動を選べるようにする。


(7) 部活動顧問等と生徒の信頼関係づくり

○指導の目的、技能等の向上や生徒の心身の成長のために適切な指導の内容や方法であること等を、生徒に明確に伝え、理解させた上で取り組ませるなど、部活動顧問、部活動指導員及び外部指導者と生徒の両者の信頼関係づくりが活動の前提となること。

○部活動顧問、部活動指導員及び外部指導者と生徒の間に信頼関係があれば、指導に当たって体罰等を行っても許されるはずとの認識は誤りであり、指導に当たっては、生徒の人間性や人格の尊厳を損ねたり否定するような発言や行為は許されないこと。


(8) 部活動内の生徒間の人間関係形成、リーダー育成等の集団づくり

○部活動においては、複数の学年の生徒が参加すること、同一学年でも異なる学級の生徒が参加すること、生徒の参加する目的や技能等が様々であること等の特色をもち、学級担任としての学級経営とは異なる指導が求められることを踏まえ、部活動顧問、部活動指導員及び外部指導者に対して、次のことを指導・徹底する。

○部活動顧問、部活動指導員及び外部指導者が、生徒のリーダー的な資質・能力の育成とともに、協調性、責任感の涵養等の望ましい人間関係や人権感覚の育成、生徒への目配り等により、部活動内における暴力行為やいじめ等の発生の防止を含めた適切な集団づくりに留意すること。


(9) 家庭や地域との連携を図る取組

部活動参観として保護者に部活動を公開する場を設けるなどして、保護者の部活動への理解を深め、学校と家庭が連携しながら部活動指導に取り組めるよう環境づくりに努める。

部活動が、地域の人々の協力や地域の関係団体との連携、民間事業者の活用等により、学校と地域がともに子どもを育てるという視点が重要であることに十分配慮して、判断する。


(10) 障がいのある生徒の部活動の充実

部活動等を通じて、障がいのある生徒と障がいのない生徒が交流する場を設けるよう努める。


(11) 時代に適した方針の見直し

国(文部科学省、文化庁、スポーツ庁等)や中央教育審議会、北海道教育委員会の動向等も注視しながら、必要に応じて、本方針の内容の見直しを行うこととする。