森林の群集生態学 

Nakamura Community Ecology Labo

森林フィールドを基盤とした群集生態学の研究をやってみませんか

森林の主要構成要素である高木を暖める野外操作実験(温暖化実験)を行っています。苫小牧研究林(北海道)では写真のように林冠クレーンで温暖化したミズナラ高木(高さ20m程度)の林冠部(高木の枝葉が茂る部位)にアクセスして調査をしていました。この林冠の生態学は未開の地であり、「最後のフロンティア」と呼ばれています。その後、中川研究林(北海道)ではダケカンバ高木を暖める実験も始めました。これら落葉広葉樹に加えて、最近では和歌山研究林の常緑広葉樹(照葉樹)でも同様の温暖化実験を始めています。このように気候変動(地球温暖化、台風など)や環境汚染(窒素降下物)への応答や生物多様性の生態系機能(食害抵抗性など)の解明についてフィールド研究をしています。

入学を希望する学生の方はこちら

中村誠宏(なかむら まさひろ)

北海道大学 北方生物圏フィールド科学センター 森林圏ステーション

苫小牧研究林

053-0035 北海道苫小牧市字高丘

E-mail: masahiro[at]fsc.hokudai.ac.jp ([at]は@に置き換えてください)

Phone: 0144-33-2171

20224月から苫小牧研究林に赴任しました。

苫小牧研究林の情報はこちら


学部学生を対象とした研究体験(是非ご参加下さい)

北大研究林では学部生が大学院入学前に実践的な研究体験ができる森林研究フィールドトレーニング実施しています。そのプログラムで「昆虫と植物の相互作用の生態と進化」というプログラムを内海先生と開催してます。

|自己紹介

福岡出身(長崎生まれ)です。学部は帯広畜産大学、修士は北海道大学、博士は京都大学と学生時代は大学が変わりました。大学が変わるたびに不安な気持ちになりましたが、フィールド調査を続けているうちに、研究が楽しくなりました生態学の研究は地味な作業がとても多いですが、フィールドから自然の仕組みを見つけだす過程はとても魅力的です。まだ勉強中ですが、一緒に研究してみませんか?

|研究概要

北海道(苫小牧、中川、名寄)と和歌山(熊野)の森林において、植物と昆虫の関係(相互作用)を中心に森林の群集生態学の研究をしています。気候変動(地球温暖化、台風など)への応答や生物多様性の機能(害虫防御など)の解明を視野にいれて研究を進めています。多地点観測や長期モニタリングのデータから生物群集のパターンを検出して、野外操作実験から因果関係(仕組み)を解明する、野外調査手法基本としています。例えば、下の写真のように赤外線ランプでダケカンバ高木の林冠部の枝を暖めたり、農電ケーブルで土壌(根部)を暖めることで、温暖化が森林に与える影響の仕組みを解明しようとしました。

写真1:赤外線ランプでダケカンバ高木の林冠の枝を暖める。展葉、落葉、枝の成長、芽の生産に影響を与えていた。

写真2:農電ケーブルを用いてダケカンバ高木の周辺の土壌を暖める。地面の雪が解けている。この土壌温暖化は遠く離れた樹冠の葉の形質と被食度に影響を与えていた。

|News

2021.4.13 小池先生、宮本先生との共著による「森林保護学の基礎」(農文協)が出版になりました。情報はこちら

2018.11.6 国立生態院(大韓民国)と 北方生物圏フィールド科学センターとの交流協定を締結式に参加しました。詳しくは以下のHPをご覧ください。

https://www.fsc.hokudai.ac.jp/20181109-2/

2018.8.27-31和歌山研究林において第4回森林フィールドトレーニング(「生きものたちのつながり」の生態学 in 南紀熊野)が開催されました。

2018.8.8 和歌山研究林と古座川町の包括連携協定締結記念講演会を古座川町中央公民館にて行いました。「和歌山研究林って、どんなとこ?」というタイトルで講演を行いました。

2018.7.27 和歌山研究林と古座川町の包括連携協定の調印を行いました。

2018.7.9   古座川町の高池小学校において3年生を対象に出張授業「生き物の生態について」を行って来ました。

2017.10.1 名寄北管理部から異動して、和歌山研究林に赴任しました。

2017.8.14-18 雨竜研究林において第3回森林フィールドトレーニング(昆虫ー植物相互作用の生態と進化)が開催されました。そのお知らせはこちらです。

2017.6.13 同僚の内海さんとの共著による「動物−植物相互作用調査法」(共立出版)が出版になります。この共立出版のサイトをご覧下さい。

http://www.kyoritsu-pub.co.jp/bookdetail/9784320057562

2016.7.27-31 雨竜研究林において第2回森林フィールドトレーニング(プログラムB: 昆虫ー植物相互作用の生態と進化)が開催されました。そのブログはこちらです。

2015.11.17 札幌の道新ホールにおいて「温暖化がもたらす森の昆虫のゆくえ」というタイトルでUHB大学の講演を行いました。温かい拍手をありがとうございました。

2015.8.3-8 天塩研究林において第1回森林フィールドトレーニング(プログラムA: 地球温暖化研究の「い・ろ・は」)を行ないました。北海道大学の学部学生が参加してくれました。

2015.7.27-30 雨竜研究林において第1回森林フィールドトレーニング(プログラムB: 昆虫ー植物相互作用の生態と進化)が開催されました。そのブログはこちらです。

2014.4.23 第19回時計台サロンにおいて「森の昆虫と地球温暖化」というタイトルで講演を行いました。市民向けの講演でした。

2013.12.6 新しくホームページを開設しました。

中村誠宏は北海道大学 北方生物圏フィールド科学センター 森林圏ステーションで教員をしています。普段は苫小牧研究林にいます。