筆者は通勤に市内を走る一般のバスを使っています。また運動を兼ねて職場から1時間かけて歩くこともあります。今回は視点を変えて、自分のクルマやレンタカーを使わない3種類の移動方法での経験をお話ししたいと思います。
まずは、歩く、です。歩行者が少ないので、多くの運転者は「歩行者がいない」前提で運転しているようにみえます。以前夜間に交差点を渡ろうしたとき、歩行者信号が青にも関わらず、クルマが左折してきて危うくひかれそうになったことが何度かあり、以降、夜の横断歩道を渡る際は携帯電話をONにして光らせてから渡るようになりました。日本の町中に比べると照明が暗く見づらい上、そもそも人通りが少ないので運転者の心理としては意識が薄れるのでしょうか。
交差点で横断するには、押しボタンを押して待っていないとクルマ用信号が青に変わっても歩行者用信号が青にならないところがあります。交差点ではなく一般道路の途中にある信号のない横断歩道にも押しボタンがついているところもあり、横断歩道部分に埋められた黄色のランプが点滅して運転者に知らせる仕組みになっています。たいてい「歩行者に譲らないと法律違反になる」との警告の看板とセットになっているところが面白いところです。日本でも信号のない横断歩道では歩行者がいても停まらない運転者が多いので、このあたりの運転マナーは万国共通なのでしょう。
次に、バス、です。本数は少ないですが、バスの仕組みもキチンとあります。私の住むエリアのバスにはGPSが搭載されていて、アプリでどこを走っているのかが分かるようになっています。日本のようにプリペイドカードで乗ることができるのですが、面白いのは運転手には運賃を集める義務がないのか、プリペイドカード読み取り機が壊れているときでもそのまま走っていて、「乗って良いよ」と言うだけです。雨天時には、乗り込もうとする乗客が濡れないようにとの配慮なのか、プリペイドカードをタッチしようとすると「行って、行って」と、支払いよりも早く車内に入るよう、せかされた経験もあります。
バスの前面には自転車を載せられるラックが用意されていて、バス停と目的地・出発地の間は自転車で移動するという使い方ができます。また障がい者用の仕組みも良くできていて、車いすの人が来ると、バスの車高を下げ、自動でスロープを歩道に渡し、車いすの人はそのまま乗ってきます。車内には車いすを固定するフックが用意されていて、運転手が運転席から後ろに来て、フックをひっかけて固定します。日本の混雑するバスでは考えられないのですが、私が乗る路線は大体5~6人しか乗っていないことが多いのでこのような対処が可能なのでしょう。何度か乗客は私一人、ということもありました。
バスの車内。
この時の乗客は私一人でした。前方右側の車いすマークがある部分のシートを倒して車いすを固定します。
フロントガラス中央下に見える小さな機械がプリペイドカードをタッチする自動改札機です。
最後は、ライドシェア、です。こちらはタクシーに相当するライドシェアが非常によく発達しています。日本のように二種免許が必要かつ認可制ではなく、ライドシェアの事業者と契約した一般人の運転するクルマに乗せて行ってもらうという仕組みです。主な事業者はUberとLyftで、利用者はスマートフォン上のアプリで、行先の住所または地図上の場所を指定すると、急ぎで迎えに行くのか、他の客と相乗りするのかなどの選択肢と金額が表示され、選択するとGPSで検出した現在の自分の居場所に迎えに来てくれます。アプリ上には運転手の顔と名前、クルマの写真、ナンバー、口コミの星数が現れてきて、またそのクルマの場所が随時地図上に表示され、あと何分で到着かも表示されるので安心でき、とても便利です。現金の授受はなく、クレジットカード決済です。
出張等で出かける場合、アメリカではほぼ飛行機を使うことになるのですが、到着ロビーに着くと「Ride share」「Ride App」「Uber/Lyft」などの掲示があり、指定の場所に行きアプリでクルマを呼びます。ただし金額はダイナミックに変わり、例えば天候等で飛行機が遅れて深夜近くに飛行機到着が集中すると、皆が一斉にライドシェアを使うため一気に金額が跳ね上がり、通常$50前後のところが$150近くになったことがありました。さすがに「これはないよな」と思って躊躇してしまい、10分ほど経ってからまた見ると通常の価格まで下がりました。ほんの少しの時間差だったのですが…。
利用し終えると、アプリ上で運転手を5段階評価する画面が示され、チップを出すかどうかの画面が現れ、それを選択してレシートがメールで送信されて利用完了です。以前は、チップ指定画面がなかったと記憶しているのですが、最近は至るところでチップの「請求」がされています。チップ目当てなのか、なかには後ろの席に水のボトルを用意したり、スマートフォン充電ケーブルを提供したりと工夫している運転手もいます。私は通常、チップを支払わないのですが、一度自分のミスで到着地の指定を間違えたときがあり、その運転手さんは気持ちよく変更に応じてくれたので、さすがにこの時はチップをはずみました。
ライドシェアの仕組みは非常に便利と思います。タクシー運転手が足りないと言われている日本でもこの仕組みが解禁されると良いと私自身は思っているのですが、みなさまはどうお考えでしょうか。
ソルトレイクシティ空港の案内看板。
下段左にRide Shareとあります。ライドシェアの表記は必ずしも統一されておらず、空港によっては異なる場合があります。普通のタクシーはGround Transportationになります。
⇒ 11. クルマの税金と維持費(coming soon...)