生産工場に入庫する場合、完成車が箱詰めになっていた場合は、現地で車両を取り出さねばならない。これをノックダウンと云い、一方コンベアラインに上がる組み立て箱詰めの部品をコンプリートと称する。その外に可動可能なシャシーの陸送がある。最近はトレーラ一の開発により、専ら陸上ではトレーラ一輸送が主体となっている。海上輸送の場合はカーフェリ一使用により、何百何千台と云う大量輸送が主流になっている。
我々昭和中期の頃はハンドルの真下にトラックのタイヤチュープを結びつけ背もたれのない仮設の運転台を作り、名古屋、大阪方面に2台、3台と陸送している光景によく出会ったもので、それが結構格好が良く見え、レギュラークラスの部員達は、一度やって見たいと羨望の眼差しで眺めたもんです。
これらの事もフォード工場見学による新知識の集大成とも云え、課外授業の成果が花を開いたように、生きた社会教育の場で自分自身が一歩一歩前進している実感が得られ喜び、且つ大いに振い立ったのである。
時間は貴重なもの、すべてを余す所なく。吸い取り紙のように吸収するのが青春の特権なのだ。目的を持って前進あるのみと語りあったものである。