早大これはソウダイと呼ばれるのが普通だが、何故ハヤダイ自動車部なのか、それには次のような可愛い名づけ親があったのだ。
昭和10年ある日の昼下がり、新人部員訓練のために4~5人編成で、隊列を組んで練馬方面に練習ドライプに出掛けたときの事である、途中にあった空地に車を止め小休止をしたのであるが、学校帰りの子供たちが珍しいと部車を取り囲み、中には大きな声でハヤダイの自動車だと車を撫ぜる者もいて大はしゃぎだった。早大(ソウダイ)と呼ぶのだと云っても聞かず、ハヤダイ、ハヤダイと皆で囃子立てた。我々もそうか、ハヤダイ、ハヤダイでも良いかと云うことになり、ここに名誉あるハヤダイ自動車部誕生と相成った次第である。以後想像もしていなかった名前が立派に通用したのである。
音読み、訓読みと面倒な時代であったが、可愛い子供達の命名でハヤダイ自動車部の誕生、今も忘れられない一駒である。
1936(昭和10)年10月早大自動車部内対抗試合