私が学生時代の物の値段などを紹介しよう。先ず下宿代は三食付きと云うことは昼の弁当を含んでの事で、月額8円から10円程度、だから自宅から通学すれば、経済的には楽ではあるが、門限他家族からの制約もある。地方からの学生は下宿か寄宿舎を利用せざるを得ない。地方からの学生のお金の悩みは尽きない、どうしても不足したときの頼みの綱は、学生証で短期借り入れをするか、質屋に何かを持っていき借りるかである。最後は仕送りしてくれる両親に頼る他はないが、成る可くは自分で切り盛りしたものである。学生の昼食は学食なら10銭から15銭位で済む、タバコは15銭、コーヒ一代10銭、その他の小遣い10銭、計一日に50銭が必要であった。
映画は週一回、安物は見なかった。ガソリン5ガロン缶付きで2円リッタ一換算すると11銭である。旅館の泊まりは2食付きで1円50銭から2円までで多少の土産料が、必要だった。当時、フォード乗用車一台が3800円から4000円、自転車一台が20円、だから、1円の価値は学生にとってほ大変な額でありました。
学生服は一着3円から5円、短靴は4円、授業料年100円を三回払い、ちなみに大学卒の給料は都市で60円、郡部で50円前後でありました。