懐かしく聞こえる部歌1号は昭和9年4月早稲田大学の自動車部とモーター研究会が合併するに当たり、自動車協会の長谷川先輩が先頭になり、我々新入部員に歌えと云われた余り冴えない節の歌であった。当時の事であるから、文形も古めかしい。
見ずや早稲田の若人が
駆るハンドルに花吹雪
夕べは賀茂の清流に
みそぎ集う友輩よ
青春の歌を呼び合おう
今朝函嶺の湖の上に
霊峰富士を仰ぎつつ
流れも清き鴨の瀬に
急ぎ集う友輩よ
青春の歌ぞ打ち振う
我々新部員達は車上の鼻唄を聞きながらパンク直しに汗を流していたので、歌詞や曲などは飛び飛びにしか覚えられない、早く車中で鼻唄を歌い、後輩の調子を取る身分になりたいものだとつくづく嘆いたものでした。恐らく今生きているOBの中でもこの歌を耳にした事のある人は私の他にはもうはいない筈だ。この部歌の一節、歴史の一頁に残して置きたいものだ。歌詞、曲いずれも作者不明である。