utsuo diary 2005

2005年1月2日(日)お墓の掃除

父の墓参りに行く。慣れた手つきでお墓の掃除。いつもここに来るとホッとするのは石の下に父の骨があるからだろうか。

花を生ける筒を拭いて新しい花を供え、水をあげて、お線香に火をつける。墓の脇に、そして両隣りとお向かいさんにもお線香をあげる。留守のあいだ、父をよろしくお願いしますと、お線香をあげる。

毎年恒例になった御神籤をひいたらあまり良いことが書いてなくてなんか気分が暗くなってしまった。年末から沈みっぱなしの私。年が明けてもそのままだなんて今年は一体どんな一年になるんだろうか。

数日後、竹内先生が蝋梅を持って訪ねて来られた。竹内先生は、私が小学生時代、家で預かっていたお子さんのお母さんで、私が中学生のときの臨時の英語の先生でもある。

暖かくて懐かしい思い出をこうして今でも思い出す機会を与えてくれる、長いお付き合いの大切さを感じて胸が熱くなった。

2005年1月7日(金)スタジオにて

広いスタジオにひとりでポツンとリハーサル。最近、大所帯バンドで演奏していて、リハーサルに5~6人しか集まらないと「きょうは少ないね」と話しているので、ひとりはあまりにも寂しいリハである。

ギターを持つのもまた久し振りで、すっかり下手になってしまってこれも寂しい。弾きながら、私はギターの音色がやっぱり一番好きだなぁとしみじみ思う。

最近、様々な国の災害や事件の現場で音楽が人々の心を癒している話を聞いて、少しだけれど私も音楽に関わっていて良かったと思った。どうか、歌えなくなったり弾けなくなったりしてしまいませんように。

2005年1月10日(月)食欲

一昨年の欧州ツアーですっかり太ってしまった体を元に戻すのは容易ではない。体力つけるためと思い、フランス人サイズの量とカロリーを毎食摂った結果、3週間で5キロも太ってしまった。

帰国後、フルコースとスウィーツの習慣がなかなか直せず、半年くらい経ってやっと本来の食生活を取り戻せたが体重はもとには戻っていない。今年また渡仏するので心配だ。

友人に「しょうが紅茶」の話を聞いたが私は紅茶が飲めないので「しょうが茶」を飲んでみたが効果は今ひとつ。もともと少食なのでダイエットは難しそうだ。

フランスに行ったら食べられないラーメンを今のうちに食べておこうと思い店に入ってしまう。食欲おそるべし。

2005年1月20日(木)横浜 THUMBS UP にて

今年最初のパスカルズLIVE。最近はヴァイオリンとリコーダーの演奏が半々になってきて、ヴァイオリンが慣れてきた分、リコーダーの比重が重い。

会場入りするも、さっそく新曲の練習にとりかかるが、これが結構むずかしい。

今度のツアーは、なかなか気が抜けない(普段は気を抜いているという意味ではない)厳しい日々となりそう。

2005年1月21日(金)龍太郎家にて

翌日は龍太郎家でDVDの試写会を兼ねた新年会。前回のツアーを思い出し、懐かしみ感動しながらBeBeちゃんの手作り料理や赤井さんの手作りケーキに心なごむひとときをゆったりと過ごす。

2005年1月26日(水)食欲、その2

PAULのスウィーツたち。私はここのパンペルデュが大好き。クグロフも。

こんなに食べているのでダイエットは当分無理と思う。

焼き鳥も買ってきてしまった。ここの焼き鳥もすごく美味しい。夕方7時くらいから売り始めて9時頃までにはすっかり売り切れてしまうので、ちょっと人には教えられません。

洋菓子と焼き鳥を一緒に食してニコニコしている自分が少し怖い。

2005年2月3日(木)友達

昨年のクリスマスの頃、大切な人を失った。それほど親しく交流があったわけではないが私にとってはとても大切な人だっただけに、自殺という形で突然終わってしまったことがとてもショックだった。

私の知る限り彼はそんな事をする人ではない。その彼が、こういう選択をせざるを得なかった心情を思うと心が痛む。

急にさびしくなって、遠く離れている友達に写メールを送った。久々なので笑った写真をと思ったが暗い表情になってしまう。

すぐに明るい返信が届いた。助かった、と思った。死を選んだ彼にもこういう友達がいただろうか。私がその一人になれなかったのがとても寂しい。

2005年2月25日(金)夜の雪

2月も終わるというのに、大雪が降った。来月からパスカルズツアーで行くフランスも雪が積もって大変寒いという。

そっと窓を開け空を見上げると北から南へと白いスジ状の光が走っていて、真夜中なのにとても明るく美しかった。フランスの雪はどんなだろうか。

2005年3月8日(火)出発

明け方まで準備に追われ、寝る間もなく成田空港へ向かう。

問題はシャルル・ド・ゴール空港に着くまでの飛行12時間。これさえ乗り切ればあとはどんなハードスケジュールもヨーロッパ各地の風情が癒してくれるはずだ。2001年も2003年のときも、そうして自分に言い聞かせて乗った。

けれど今回は今までとは何かが違う。心躍る気持ちはなく、ただ何ともいえない不安だけがあって、それは長時間飛行の不安も忘れてしまうほど深かった。何だろう?と思いながら搭乗口へと向かう。

2005年3月8日(火)〜31日(木)

Pascals Europe Tour 2005(フランス、ベルギー、スペイン)

3/8(火)〜31(木)は、2005 Tour ページをご覧ください。

2005年4月1日(金)帰国

4/1午後、成田着。ロビーにあった大型液晶テレビをじっと見る。1ヶ月留守にしていた間に季節もすっかり変わって浦島状態。空港内のレストランで休憩するが頭の中がまだフランスモードのため「アイスコーヒー」という言葉が思い出せなくてゼスチャーで注文。

帰宅後、熱いお茶を入れて、31日搭乗前にカルチェラタンで買ってきたクグロフを食べる。美味しい。

そしてトランクを開けてDVテープを取り出す。本番と道中合わせて20本以上。ダビング作業だけで2~3週間はかかるだろうか。

疲れがこみ上げてきた。とにかく今は何も考えず眠ろうと思う。

2005年4月6日(水)花見

時差ボケが治らない。目が覚めたら午後4時という日が続く。ツアー中の生活習慣も後を引いて、少し食べては眠るを繰り返している。何が食べたいのかもよくわからない。空港で、やっぱりこれでしょうと思い、とんこつラーメンを食べてみたが何か違った。

こんなときは花見。日本の伝統文化にふれ自身を取り戻すため?近くの神社へ向かう。五分咲きのしだれ桜が美しい。

花見帰り、お気に入りの喫茶店でワッフルセットを食べる。

2005年4月9日(土)おみやげ

おみやげを持ってフランス語教室へ行く。

クレルモン・フェランの旧市街で見つけた素敵なパティスリーで買った復活祭のチョコ。鳥の卵をかたどった色とりどりキャンディと動物(恐竜)型のビターなチョコの詰め合わせ。

そして、スペインのドライブインで買ったスペインのペコちゃん。金髪だ。よく見ると「SINCE 1932」と書いてある。中身は塩味の効いたひまわりの種。何種類か売っていたが中身は全ておつまみ系だった。

2005年4月18日(月)初台ドアーズ

パスカルズ「ただいま!ライブ」。気持ちはまだツアーの最中。ドアーズはステージと客席との関係や螺旋階段など内装がフランスのライブ会場にとても似ていて、何度もツアー中とダブってしまう。

楽屋に入るなり何のためらいもなく真っ直ぐ冷蔵庫を開けてドリンクチェックしてしまった。身体が思い出してツアー中と同じように体調を崩してしまうメンバーもいた。

楽屋に「あと5分だ」とフィリップが入ってくる気がするし、ライブ終了後は皆でバスに乗って夕食に行くような気がしてしまう。

2005年4月24日(日)インストアライブ その1

CD「どですかでん」発売インストアライブ。パスカルズを知らない人にも気軽に観てもらえる貴重な日だったのに、一部のあまりにも古い日本的超個人的駄々につきまとわれ最悪な気分となる。

一番大切である来店、観覧、購入して下さったお客さんに大変失礼だったということには全く気付いていないようで

スタッフの方達がこんなに素敵なプラカードも作って下さっていたのに、本当に残念な一日でした。

あと2曲くらいは演奏したかったな。

2005年4月26日(火)食べおさめ

尼崎の脱線事故ニュースも知らず荷造りに追われる。やっとのことで諸々の引越手続もほぼ終わり、お気に入りの喫茶店で食べおさめ。

注文したものの、空腹とはいえこの店の特大サイズのスパゲティはさすがに完食できなかった。

食べながら、今度はいつこの店に来るだろうか、いつこの町に来るだろうか、と思う。

2005年5月3日(火)小旅行

吉祥寺音楽祭にパスカルズで出演のため電車に乗って出かける。晴れた日の長い電車移動。途中、海沿いを走ったりしてちょっとした旅行気分になる。

出演者は多勢いてパスカルズの出番は最後から2番目だったので、待ち時間をステージ裏で、帰りの電車の時間など気にしながら過ごす。

2005年5月12日(木)インストアライブ その2

CD「どですかでん」発売インストアライブ その2。

前回インストアライブでは、店でアルバムを購入された方に2001年フランス・レンヌでのライブより収録のCD‐R、そして今回は2003年フランス・パリでのライブより収録のCD‐Rのオマケ付き。

レンヌのライブ音源はビデオの方は録画時の電磁波か何かでテープにノイズが入ってしまいオリジナルが壊れてしまっているし、パリの「Café de la Danse」ライブ音源も貴重だと思う。

どちらのライブも今では遠く懐かしい良い思い出。今年2005年ツアーのビデオはまだダビング作業中。

2005年5月16日(月)湧水

実家近くの湧水池公園へ散歩に行く。水源地から合流河川まで全長2kmの小さな川の流れ。湧水だけで出来た川。

子供の頃は何の整備もされていない普通の川で、泳ぐ人も釣り人もいたが水難事故があったり環境保護のため、今では遊泳も釣りも禁止となり整備されて立派な泉公園になった。

観光バスも来るし、お土産も売っている。

透明度100%の水中を大小の鮎たちが気持ちよさそうにゆったりと泳いでいくのが見える。

子供の頃は、週末の朝に早起きして野生のセリなど採りに来た思い出があるけれど、それも今は立入禁止になっていて入れない。ちょっとサビシイ。

2005年5月21日(土)藤沢・遊行寺にて

どんとこい2005 in 遊行寺。2度目の参加。前回は大雨で本堂内でやったが今年は晴れて、前回演奏会場だった大広間が控室になっていた。

沢山のそそられる売店よりチキンのプレートとスウィーツを買ってきて食べながら、曲目選んだりリハーサルしたりして出番を待つ。

私は、どんとさんとは面識がないけれど、我が家には、むかし買ったコンピレーションアルバムと、印象が強かったので、アルバムを探して衝動買いしたものと2枚持っている。

どんな人だったんだろうと思いながら演奏する。

2005年5月22日(日)交通安全祈祷

あかねが車を運転することになった。緑豆色のラメ入り。とてもかわいい。さっそく神社に交通安全祈祷に行く。お守り札と車に貼るシールもらってひと安心。

ドライブしたいな。海とかいろいろ。車で何処までも行ってみたい。あかねが早く車に慣れますように。高速道路や雨や雪の日も夜も、安全に運転できますようにとお願いする。

鹿さんたちにもお願いする。

2005年5月27日(金)パスカルズ ツアー 岐阜県高山

名古屋駅から高速バスに乗り、高山へと向かう。車窓から見えるのどかな風景を楽しみながら知らない町を訪ねて演奏し、また移動していく様子が、3月の欧州ツアーとよく似ていて何だかいろいろ思い出してしまい落ち着かない一日だった。

高山は修学旅行で来たことがある。きょうは富山の友人も来て一緒に演奏もできて楽しかった。

2005年5月28日(土)パスカルズ ツアー 滋賀県水口

朝7時出発で水口へ。

会場ロビーにお店がいっぱい出ていた。お昼にいただいたカレーがとっても美味しかった。手作りパンも。

宿から食事からお風呂の世話までしていただいて贅沢な一日。この日はお客さんも沢山来てくれて大盛況。

夜はまた手作りの美味しい料理を堪能。嬉しい美味しい一日でした。

2005年5月29日(日)パスカルズ ツアー 愛知万博

朝8時半出発で愛知万博へ。早くからガイドブックを見て楽しみにしていたが地球市民村から一歩も出られず。

乗りたかった観覧車を見上げながら、暑さと強い日差しにやられ激しい頭痛に耐えながらの演奏。

夕日がとても美しかった。

2005年6月6日(月)紫陽花と海

あかねの車で初ドライブ。天皇の旧御用邸のある海へと向かう。

御用邸の庭の松林に敷き詰められた、私の背丈より大きな紫陽花たちに囲まれながら歩いて行く。

やがて見えてきた堤防への急な階段を上っていくと、見上げた空の向こうから海風に乗って波音が聴こえてきた。

まだ海開きする前の、一年で最も美しい海。雨上がりで少し濁ってはいたが浜辺をゆったりと歩きながら貝殻を拾って歩いた。来て良かった。

2005年6月14日(火)仕事

田植えの終わった田圃に鴨が一羽、そよ風に揺られて気持ちよさそうに泳いでいた。

時折くるりと輪を描きながら、まだ小さな苗の間を上手に渡り歩く姿を見ながら私もこんな風に仕事ができたらなと思った。

午後のスウィーツの時間をミスドで過ごす。最近このドーナツにはまっている。

2005年6月23日(木)イルカ

静岡では、ごくたまにではあるが鮮魚コーナーに、こうしてイルカが並んでいることがある。「醤油干岩手産」は初めて見た。

静岡産は皮付き生の切り身で売っている。さいの目に切って味噌味でゴボウなどと一緒に臭みがなくなるまでじっくり煮込む。くじら肉とまたひと味違う珍味。

2005年7月5日(火)午後の散歩

強い日差しの中「ずんだ号」(あかねの車)に乗って散歩に出かける。暑いけれども風は爽やかで気持ちいい。

古い蔵を改造して作られたお店に入ってみる。民芸品や地酒、コーヒー、米、奥には小さな喫茶スペースもあって地元の牛乳やアイスクリーム、コーヒー、手作り豆腐など食べたりできるようになっている。

それらを、買うでもなく食べるでもなくただ何となくぼんやり見て歩く。ゆっくり二廻りほどして涼しくなったところで店をあとにした。土間を歩く靴音が響いてなお一層涼しく感じた。

蔵を通り抜けた先に小さな中庭があって池の中では鮎も涼しげに泳いでいた。

2005年7月11日(月)ゴーヤ

今年初めてゴーヤを植えてみた。強い日差しにぐんぐん伸びて空まで行く勢い。今、たくさんの黄色い花が咲いている。

覆い茂った葉を掻き分けて見てみると、花の根元に3cmくらいの「チビ・ゴーヤ」がいた。かわいい。これがやがて濃い緑色の20cmくらいの大きさになれば収穫だ。楽しみだなぁ。

2005年7月19日(火)本番の朝

パスカルズ本番当日の朝、宿泊していたホテル近くで遅いモーニング。パスカルズ+ホテル+モーニングといえば、オレンジジュースが欠かせない私。オムレツとハムはスペインでの辛かった食事情を思い出すが、ここは日本なので安心だ。本番の朝にこんなにゆっくりしたのは初めてかも知れない。

けれど、今日演奏する、ふちがみとふなとさんの曲がまだ私の中であまり仕上がっていなかったので気持ちはかなりソワソワしていたのだった。

2005年7月30日(土)遠くで花火の音がしたので

花火大会の夜。大きな音のする方角を探り当ててやっと何とか花火が見える高台にまでたどり着きシャッターを切るが、次の瞬間にはもう消えているので、あとで見たら暗闇ばかりが写っていた。

それならと連写に切りかえてみたが、これが限界。シャッターに気を取られているうちに花火は終了。遠い隣り町での花火大会のなごりを惜しみながらポツポツと帰宅。

2005年8月2日(火)病院の近くに

入口の柵に小さな青ブドウの蔦が絡まるログハウスタイプのかわいいスウィーツのお店があったので入ってみた。

店内の一角にはカフェスペースがあり、そこでホットコーヒーを飲みながらケーキを食べてのんびりする。上に飾られた宝石のようなものはマスクメロンと夕張メロン。

ヨーロッパではまずハズレはないけれど、日本では慎重に探さなければ美味しいスウィーツにもパンにも会えない。今日は美しい出会いだった。

2005年8月16日(火)夏祭り

実家の隣町にある大社の夏祭りに出掛ける。何年振りだろう。近年、商店街の大型デパートが次々と閉店し閑散としているという噂を聞いていたけれど、すごい人出でビックリ。

今日は祭り2日目で頼朝行列があるというので急いで出掛けたが間に合わなかった。

大社まで数km続く、両側にぎっしりと屋台が並ぶメインストリートの車道(歩行者天国)をヒラヒラと渡り歩きながら境内へ。

恐ろしく懐かしいお化け屋敷や射的やスマートボールなどを見て歩く。

2005年8月20日(土)満月

毎日のように月を眺めているけれど、近年これほど美しい月を見たことがあっただろうかと思うほどキレイだったので写真に撮ってみた。

肉眼ではとても大きいのに写真に撮ると小さくなってしまう。レンズに双眼鏡をあてると大きく撮れるとその後テレビでやっていた。

そういえば我が家には21倍の双眼鏡があった。これを使えば肉眼に近い又はそれ以上の星の写真も撮れるかも。十五夜が楽しみ。

2005年9月4日(日)リハーサルと台風

パスカルズのリハーサルのため龍太郎家へ。昼間は炎天下、夜は台風直撃という激しい天候のなか、美味しい料理の並んだ宴会状態のテーブルを囲んで新曲の練習。

帰る頃には土砂降りで、最寄り駅まで車で送ってもらって何とか電車に乗り込んだものの2駅ほどで上下線とも不通となる。激しい雨が吹き付ける見知らぬ山間の駅で危うく一夜を過ごす事になるところだった。

2005年9月11日(日)〜12日(月)本番と翌日

パスカルズ本番。吉祥寺SPC。嵐の夜のリハーサルの成果は発揮できただろうか。

とにかく照明が美しかった。この店ではいつも照明がとても凝っているので楽しみだが、ステージからはよく見えないし本番中は見る余裕もない。

写真はビデオからキャプチャ。この光景を幽体離脱して客席から見たかった。

そして翌日、いつものお気に入りのお店でランチ&カフェ。ここのオムライスは絶品。そしてこのコーヒー。いつも素敵なイラストを描いて出してくれる。そしてとても美味しい。

2005年9月18日(日)満月と銀杏

今年の十五夜は晴れて美しかった。月見だんご食べるのも忘れて見入ってしまった。何枚も写真を撮る。

肉眼で見るよりかなり小さいが金色に輝く美しい月が撮れた。肉眼でも昔はもう少し大きかった。だんだん小さく遠くなっていくなんて寂しい。

黄色い月を見た数日後は黄色い銀杏。近くのショッピングモール入口脇の大木にたくさんの実をつけていた。

熟した実が地面に大量に落ちていてチャンス!と思いきや「防犯カメラ作動中」の立て札が。そうだよね..。

2005年9月24日(土)病院への道

バイト先を出て病院へ行くためのバス停に向かう途中、とても古い橋がかかっている。ひび割れて今にも崩れそうな柱の手前に急な下り坂があり、その先に何軒か家もある。ふと見ると、道の反対側の柱に「昭和十四年」の表記。だいじょうぶだろうか。

2005年9月28日(水)稲生座にて

久し振りに稲生座で弾き語り。以前は30分前に出ても余裕だった道のりを、今日は2時間かけて行く。

歌いたい曲が沢山ありすぎて迷いが出てしまい新曲に辿り着けないまま終わる。ギターも冴えず歌も最悪。こんな心境で「急いでこの街を出ないと帰れない」という状況に自分を持っていくのがあまりにも寂しくて、お願いして友人宅に泊めてもらう。

すっかりご馳走になったあとは、秋の長い夜を愛い猫と遊んでのんびり過ごした。

みんなありがとう。静かな夜でした。

2005年10月11日(火)散歩の途中で

ある日の午後、国道脇の土手がいちめん金色の野原になっている事に気づいた。もうすっかり秋の風景だ。

道端の草花や大空を行く雲を見たり、夜は静かに浮かぶ月を見上げては季節を楽しむ私が、今年は年明けから落ち着かないまま、今が秋かどうかも楽しめなくなってしまっている。私は今ここにいて地面を踏み金色の野原を見ている。空を見上げ風を頬に受けている。私はここ、と叫びたい。何処に向かって放てばいいのだろう。

2005年10月20日(木)陽だまり

あかねの体調がやっと少し落ち着いてきたので、小さなお祝いに退院後初のすがきやラーメンを食べに行く。

途中、コンビニでお茶を買ったらサザエさんの縁側陽だまり風景キャラクターグッズが付いていた。紅葉美しい秋になっても心身ともに疲れるばかりの日々。私はこんな風に過ごしたいなといつも思っているのに現実はけっこう厳しい。

2005年10月22日(土)小さな幸せ

バイト帰りのグッタリした身体には、こんなスウィーツが深くしみ込み心地良い。体中の緊張を全部緩めて、できるだけ無になって、そうして味わうこの店のケーキはもちろん、店内の雰囲気も、小さなテーブルと椅子の形も、窓際のオブジェも全て私の小さな幸せの中に一緒に刻んで帰ろうと思った。

2005年10月29日(土)紅葉はまだだけど

隣町の川沿いに続く遊歩道をふらり散歩。色づきを期待して出掛けたが紅葉はまだらしい。それでも、ほんのり赤く色づいた葉っぱが、風を受けてハラハラと水面に舞い落ちていく様子を見ながらせせらぎの音に耳を傾ける風情はなかなかのものだ。点在する湧水の轍も美しい。やっぱり来て良かった。

2005年11月4日(金)干し柿をつくる

柿を頂いたので皮を剥いてベランダに干した。我が家の2階のベランダは日中とても日当たりが良いので期待できそう。まだ艶のある橙色の実が小春日和の軒先で揺ら揺ら笑っている。私も何だか嬉しくて笑ってしまう。早く美味しくなってねと祈り。

2005年11月9日(水)内祝

友人から内祝が届いた。自家製デザインによるモダンなフタ、職人による手作りというクラシックな缶の中に入っていたのは、どれも懐かしい母の手作りの味がするクッキー。心までも遠い日の小春日和の縁側に連れていってくれる。

こんな優しいお菓子を作って我が娘に食べさせてあげる友人夫婦の姿が目に浮かび、とても豊かな気分になった。おめでとう。ありがとう。

2005年11月16日(水)この中から、ひとつだけ

所用で隣町に出掛けた。用事を早々に済ませ、お気に入りのスウィーツを食べにDolceへ行く。

1階はテイクアウト、2階は喫茶室になっていてケーキを注文すると店員がトレイいっぱいにケーキを並べて『どちらになさいますか?』と聞きにやってくる。こうして沢山の可愛いスウィーツたちを見せられると、この中からひとつだけ選べというのが酷な話である。

私はイチゴのショートケーキを選んだ。私の生クリーム嫌いを知っている人ならビックリするだろうが、美味しい本物の生クリームなら、私は大好きなのである。

2005年11月20日(日)美味しいリハーサル

12/26のSPCパスカルズLIVEリハーサルのため、自宅から約2時間かけて龍太郎家へ。最寄り駅から急な坂道を登った所にあるため、まだリハビリ中のあかねには大変きつい。

途中何度も休みながらやっと到着。ここでリハーサルする時は自動的に豪華手作り夕食つきなので苦しい坂道だって頑張れる。あかねの闘病を皆さんに励ましていただいたお礼にと買っていったタルトも好評で良かった。

写真のタルト横の器には、なかなか手に入らない幻の塩オリーブ。皆が持参したボージョレ飲み比べながら、外は極寒だったがとても暖かい時間を過ごし深夜まで。

2005年12月9日(金)耳鳴り

引越して一番の心残りは、フランス語教室に通えなくなってしまったこと。教室もスタッフの人達も先生も一緒に勉強していた生徒さんたちとも仲良く楽しく学べていたからこそ、苦手な宿題も頑張って続けられたのだった。

引越してから、自分で教科書を開くことがほとんどなくなってしまったので、これは大変と思い、CDつきのトレーニング本を購入。

私の能力では「20日間完全マスター」とはいかないが、来年夏くらいまでに覚えられたらいいなと思う。ネイティブなフランス人が単語とそれを使った文章を淡々と1000語、1000文語るCDは、今のところ、10のうち2くらいしか意味が掴めないため、ほとんど念仏に近い。ならば催眠学習と思い、夜ベッドに入って聞くと翌朝つらい耳鳴りが。

2005年12月12日(月)赤桃のジャム

友人から頂いたアルザス地方の赤桃ジャム。とろーんと幸せにとろけてしまいそうな甘い香り。そしてとっても美味しい。

早く今すぐフランスに行きたくなってしまった。

2005年12月23日(金)リハーサル

都内某所にてパスカルズのリハーサル。普段は空き事務所なので冷暖房設備もなく、すごく寒い。電気ストーブ、石油ストーブ、電気毛布、貼るカイロ。すべてを使ってもまだ寒かった。

休憩は高級シャンパンとシュトーレンをみんなで。ドイツのシュトーレン。日本のは何だったのかと思うくらい歯ごたえもしっとり感も味わいも違う。シュトーレンがこんなに美味しいとは。

2005年12月25日(日)ゾウのクリスマス

友人の所属する管弦楽団の演奏を観に鶯谷方面へ。ステージ中央左脇に赤いベールをかけた椅子。そして「ゾウのババール」語り手のお姉さんがババールのぬいぐるみを抱いて登場。赤い椅子にチョコンと乗せて、語りと演奏が始まった。楽しいひとときでした。

夜はゾウの誘いを受けて?インド人経営する本格インド料理屋「ガネシャ」で食事。

その後、宿泊先のホテルで小さなケーキと共に、メリークリスマス♪

2005年12月26日(月)パスカルズ at SPC

昨日の寒さにやられたのか、あるいは12/23のリハーサルからか、昨夜半過ぎから体調をすっかり崩してしまい、フラフラ状態で会場入り。

新曲多いのにこれはヤバイ。何度見直しても曲の流れがつかめず落ち着かないまま本番。足元に鼻をかんだティッシュが散乱。途中から耳も聞こえなくなり涙も止まらなくなる。

打ち上げは近くの怪しい中華料理屋で。私は座っているのがやっとの精神状態となり、あかねが持参していた水をもらい、店のピーナッツをつまんだだけ。

今年最後のライブだったのに、こんな終わり方は何か心残りで寂しかった。