プログラム

プログラム

  • 特別講演 1

講演者:小松英彦 先生 (自然科学研究機構・生理学研究所感覚認知情報研究部門)

演題:質感を表現する脳の働きを探る

要旨:視覚の機能の成り立ちを理解するために重要なことは,①世界で起きている物理的な現象と,②心の中で起きる現象 (知覚),そして③それらをつなぐ脳の働き,という3者の関係を常に意識しながら研究を進めることです。前2者を良く理解すれば,すぐれた洞察によって脳の働きについての様々な情報が得られるからです。このような試みが成功している顕著な例は色覚の仕組みの理解に見出すことができますが,色覚の理解は実は極めて限定的なものです。例えば「金色」は子供でも知っている色ですが,これまでの色覚の理解ではとらえられません。世界の様々な物体の色を見る働きについて考えると,質感という観点から新しい研究の展開が必要なのです。質感は物の素材や表面状態を感覚刺激を通して認知する働きです。そのような質感に関わる情報の脳内表現についての最近の私たちの研究を紹介したいと思います。

  • 特別講演 2

講演者:木村展之 先生 (国立長寿医療研究センター・アルツハイマー病研究部)

演題:老化に伴う細胞内輸送機能の障害とアルツハイマー病

要旨:罹患者が既に460万人を越えるとされるアルツハイマー病 (AD) は,発症した患者自身のみならず家族や介護者にも多大な負担をもたらすことから,今後の更なる患者数増大が確実視されている高齢化社会において大きな社会的問題となりつつある。残念ながら,AD発症メカニズムの全容は未だ解明されていないが,老化がAD発症の最大危険因子であることは疑いようがない。また,AD患者の脳組織で確認される二大病変 (老人斑と神経原線維変化) は健常老人や一部の老齢動物の脳組織でも確認されることから,何故老化によってこれら病変が形成されるのかを明らかにすることは,ADの病態メカニズム解明に向けた一歩でもあると考えられる。そこで本講演では,AD研究領域における現在までの進展や新たな問題点・取り組みとともに,演者自身の研究成果でもある「老化に伴う細胞内輸送機能の障害がADの発症に繋がるのではないか」という新しい病態仮説について紹介したい。

  • 口頭発表

口頭発表は5-10分の発表と15-20分の発表の2つを予定しています。口頭発表希望者多数の場合は,ご希望とは異なる形式での発表をお願いする場合がございます。会場ではVGAケーブルとプロジェクターをご用意いたします。自機PC (必要に応じて映像変換ケーブル) をお持ちください。

  • ポスター発表

ポスターパネルの大きさは,横80 cm × 縦160 cm です。床に置き,壁に立てかけるので,縦は120 cmが実質利用可能です。