① コンサートの歴史 1回~10回
第10回 (10周年特別企画) 小野リサ/セレナータ・カリオカ
時はまだバブルの残照。好調な企業協賛等を背景に小野リサさんに突撃しました。しかし、天は私たちに味方しませんでした。ぐずぐずした天気は夕方には激しい雷雨。公園の山にいるひと達を危ないと誘導したり、公演をやれるのかという難しい局面を迎えた回でした。
地元の少年少女合唱団をゲストに迎え、リサさんとコラボする予定だった会場に、雨にぬれてうなだれてしまった、心づくしの手作りのひまわりの飾り・・・。
弱まった雨の合間に、40分ほどの公演を強行しました。
出番に備え、感電防止にサランラップをギターに、腕に、幾十にも巻き付けて本番に臨むリサさん。そして、雨の中、楽器が壊れていくのにもかかわらず、楽しそうに演奏を続けてくれるセレナータ・カリオカのメンバーたち。
雨の中「リサさ〜ん、がんばって〜!」と大きな声援をおくる、たくさんの観客、ファンの人々。
これ以上続けることは人命上危険、と公演中止を宣言せざるを得なかった、あのときがいまでも苦い思い出となって蘇ります。
公演後の打ち上げで
「ごめんなさい、私って、ほんとに雨女なの・・・」
と謝る、リサさん。
なんて飾らない、素敵な人なんだろうかと、眩しく見えました。
第9回 久保田 巧と東京フィルの仲間たち
久保田さんはフリッツクライスラー第2位。ミケランジェロ・アバド第1位。そして一位を出さないことで有名なミュンヘン国際コンクールで日本人として初めて優勝するという快挙を成し遂げてしばらくしての頃でした。当時、鶴牧東公園をのぞむ鶴牧3団地に、両親とお住まいでした。実行委員がこれも勇を奮って出演のお願いに伺いました。
弦楽アンサンブルは東京フィルの抜粋メンバー、コンサートマスターが荒井英治さんという豪華キャスト。強い湿気に雨が降らないことを願った、これも忘れられない一夜です。
第8回 ダ・カーポ
事前の打ち合わせで、私たちが考える地域コンサートに対し、真摯に聞いていただける姿勢に感銘を受けました。いまも変わらぬ人気にうなずけます。
当日の会場も静かな感動に包まれました。
第7回 N響ブラスクインテット
第6回 NHK東京放送児童合唱団
第5回 松本英彦クインテット(ゲスト:ジョージ川口)
1回かぎりのつもりの野外コンサートでしたが、予想外の成功で余剰金が発生してしまいます。メンバーたちは団地を回って、協賛金を集めをて2回、3回とコンサートを続け、エポックメーキングな第5回を迎えます。
ジャズコンサートをやりたい。
興行には素人のメンバーでしたが、当時、聖蹟桜ヶ丘在住だった松本英彦さん(合掌)に、なんのコネもなく、勇を奮って出演のお願いに伺ったそうです。
「そう、ジョージ(川口)も連れて行こう!」
快諾だったそうです。
この回が私(本城)の入居年でした。あまりの巨大団地、多摩ニュータウン。多少の不安を感じながら生活していました。でも、このときの鶴牧東公園に浮かび上がる、白熱のジャズシーンに胸が熱くなり、こうした活動をされている方々が住む地域なら住めるかもしれない、そう思ったことでした。
第1~4回 日本フィルブラスアンサンブル
いまも実行委員として活躍する片桐さん(落合在住)。まだ赤土だらけで潤いのない鶴牧・落合地区でなにかこどもたちと楽しめる企画ができないかと、学童クラブの父兄と語らって野外コンサートがスタートしました。
本当に素人に開催できるものか、と心配したそうです。出演は日本フィルのブラスアンサンブル。第1曲の「トランペット・ボランタリー」が流れると、メンバーたちは涙したそうです。