《魔法》(まほう)
《魔導石》または己の《核》から力を引き出し、行使する事。
また、その現象の事。
《核》
人間や生物には体内(多くは心臓の中)に《核》があり、その性質に依存して魔法を行使することが出来る。
多くの生物は魔法を一つの性質しか使えないが、二つ以上の性質を行使できる者も居る。
《魔導石》(まどうせき)
魔法を行使するのに必要な物。
核とは違い、その魔導石の性質に依存して魔法を使うことが出来る。
多くの人間は《魔導石》を用いて魔法を使う。
魔導石は自然界に溢れて居るものだが、質のいい物となると人間の手の届かない場所にあることが多い。
使い続けると力が弱まり、いつかは崩れて砂となってしまう。
『死』の瞬間に結晶化するものであり、弱肉強食の世界である自然界の方が強い魔導石が産出する。
これは『死の凝縮』であり、他の生物を食らうことで自らの核は力を蓄え、死の瞬間に強力な魔導石となる。
《魔法の才能》
魔法の行使は得手不得手が存在する。
多くの人間は己の《核》から魔法を使うことが出来ない。
魔導石から魔法を使う事にも、その石から魔法を効率よく自分の狙ったとおりに力を引き出すことには才能が居る。
魔法が使えない人間は少なくない。
《魔導師》と《魔法使い》
魔導師は《魔導石》を用いて魔法を使う人。
魔法使いは自分の《核》から引き出した魔法を制御できる人。
《孔雀の七爪》(くじゃくの ななそう)
普通《核》による魔法は一つの性質しか持たないが、その例外として様々な能力を行使できる者への称号。
《黒杖同盟》が認定するもので、現時代には三人存在する。
《女神教会》(めがみ きょうかい)
女神信仰を教義とする組織。
世界各地に教会があり、人々はそこへ足繁く通う。
しかしそんな救済の裏では《黒杖同盟》と魔導石の取り合いや信念の違いなどから血を流している。
《霊石騎士団》(れいせき きしだん)
女神教会が設立した騎士団。モンスターの討伐を主な使命とする。
しかし裏では《黒杖同盟》との戦い、他宗教の排除など、公に出来ない仕事を受け持つ。
《黒杖同盟》(こくじょう どうめい)
高位魔法使い、魔導師による組織。
「今の世界(小さき世界)を守護する」という信条で結成されている。
魔導石の流通経路の確保や手配等、商人団体としての側面も強い。
しかしその実世界の魔石を独占、支配することにより、世界の覇権を握ろうとしている。
《魔工組合》とは魔導石や魔工の取引関係にある。
《魔工組合》(まこう くみあい)
「大きな世界」の遺物である《魔工》を掘り出し、修理し、管理することを目的とする組織。
最終目標を魔導文明の復活と位置づけ、発掘された魔工の技術を解析し、新たな魔工を生み出している。
ここの許可がなければ魔工の発掘作業は公式には行えない。
組合員は自分が掘り出したもの、修理した物を他の組合員に自慢したがる。
《魔工》は、基本的に掘り出した人間の所有物になるため、組合員は我先にと発掘したがる。
《黒杖同盟》とは魔導石や魔工の取引関係にあるが、
《女神教会》と《黒杖同盟》とのいざこざには中立の立場を取っている。
《世界冒険者宿機構》(せかい ぼうけんしゃやど きこう)
冒険者をサポートする目的で設立された組織。
この組織の意思に賛成する宿の亭主達は、自らの宿にシンボルである《双頭の馬》を飾る。
それ以外の表立った活動はない。
他の組織との繋がりは薄い。
《女神信仰》(めがみ しんこう)
世界中で信仰されている大規模な宗教。
「大きな世界」の作り主にして、その破壊を行ったとされる女神ノッテを信仰する。
「大きな世界」を取り戻すために、
女神に許しを請うための節制と聖職者による人々の救済を信条としている。
シンボルは二重になった輪。それぞれが「大きな世界」「小さき世界」を現している。
《魔工》
魔導石を動力とする、様々な品々。
調理用具、武器、乗り物など、便利な品が多い。
かつて魔導時代と呼ばれた時代には《魔工》の技術が高く、今よりも高度な物が数多く存在していた。
しかしそれらは世界崩壊と共に土の下に埋もれ、今は朽ちるのを待って居る状態である。
現在流通している魔工は、そのほとんどが《魔工組合》による製作か、発掘されたものである。
《魔導石畜産》
魔導石は自然界の中にも存在するが、人間は生物を飼う事によってその体内の魔導石を得る。
育てやすさ、魔導石の生成の安定から「三つ角羊」が家畜として広く浸透している。
その他の生物からも魔導石は取れるが、やはり自然界の生き物から取れるものよりも劣化する。
《冒険者》
一度破壊された世界は未だに謎が多く、世界を把握するために人々は奔走している。
冒険者とはそんな世界の中で未知を求め、生活費を稼ごうとする人々である。
危険な仕事であり、「命知らず」と揶揄されることが多い。
魔導石の採取、危険な生物の討伐、要人護衛などその仕事は多岐に渡る。
多くは一つの都市を拠点にして依頼を待つが、各地を点々とする者もいないわけではない。
「小さき世界」
物語の舞台。
多くの国が王制を敷く。
かつて存在した魔導時代、「大きな世界」の遺物が大地の下に眠っている。
人々は《女神信仰》の教えから、節制を重んじる者が多い。
魔導石の配給には格差があり、それはそのまま国力にも繋がっている面がある。
この名称は《女神信仰》の内部で使われていた言葉が一般的になったものである。
「大きな世界」
かつて存在した魔導時代のことをそう呼ぶ。
その時代、地図は「小さき世界」よりも格段に大きかった。
しかし世界は崩壊し、人間が住める場所はその時代の半分以下になってしまった。
文明水準は下がり、目には見えないが生物の進化も止まっている。
魔工に溢れた世界ではあったが、それ故に「小さき世界」よりも争いが多かった。
《女神ノッテと神アルヴァ》
「大きな世界」は二人の夫婦神によって作られた。
しかし、夫アルヴァは次の世界の為にこの世界を妻ノッテに任せた。
ノッテは世界の維持に努めていたが、ある日傲慢な人々がノッテの殺害を目論んだ。
それほどまでに人間はは強力な力を得ていたのだ。
ノッテはその行為を恐れた。
彼女の指から迸った破壊の光は七晩の間世界を切り裂き、崩壊させた。
人々がその光から逃げ、世界の中心へと集まった時、ようやく破壊は収まった。
ノッテは人間の行為を悲しみ、姿を隠してしまった。
そうして世界は「小さき世界」になり、世界は成長することが出来なくなってしまった。
『月』
「小さき世界」では月はいつも半分しか見えない。
これはアルヴァがこの世界を去り、ノッテのみがこの世界を見守っているからとされている。
月の正体は巨大な魔導石であり、それを核とした精霊が存在したが、今はその存在が確認できない。
砂漠の国『デザートローズ』
「小さき世界」の南方にある、ローゼライト王族が治める国。
国土の大半を金色の砂が覆っている、砂漠の王国である。
砂漠のど真ん中にある首都『ローゼライト』だけは『精霊・水晶鳥』の加護で水も緑も豊かであった。
王族を初めとして国民のほとんどが魔法の適性を持ち、魔法によって国が成り立っている。
魔法が使えないものは差別の対象であり、
仕事が貰えないため貴族(=魔法に秀でた者)の召使として扱き使われる。
ある日ローゼライトが一夜にして滅んだため、国は無法地帯と化す。
《ローゼライト魔法騎士団》
ローゼライト王家が設立した騎士団。
所属する者全員が強力な魔導師または魔法使いである。
王家に魔導石を捧げる役割を持ち、遠征を繰り返して魔導石を入手したり、他国との戦を行ったりする。
東の果ての国『シノノメ』
「小さき世界」の東の果てにある国。その更に東には「大きな世界」の残骸が壁と成っている。
かつて「大戦争」で逃げ延びた亜人達が暮らした地で、ここの住民達の血には亜人の血が流れている。
しかしそれももはや極僅かな話で、普通の人間となんら変わりが無い。
閉鎖的な小国であるため、「幻の国」とも揶揄される。
力強き帝国『ラーヴァ』
「小さき世界」での戦争でもっとも力を持つ大国。
多くの小国を戦争によって飲み込んできた。
《黒杖同盟》の本拠地はこの領土内にある。
女神信仰の聖地『アダマス』
「小さき世界」の中心で、「大きな世界」で最後に人々が逃げ込んだ場所。
何処の国とも交流を持ち、中立を謳っている。
山全てが女神信仰の領地であり、聖職者達が日夜参拝する人々を世話する姿が見られる。
『水晶鳥』と『水晶の剣』
ローゼライトが砂漠の真ん中にあって水に溢れた土地であった訳は、『精霊』の存在である。
『水晶鳥』という強力な精霊と、それを御す『水晶の剣』とを用いて都市を繁栄させていた。
その昔、『水晶鳥』は人間との契約で、自らの力と自らの体の一部から作り上げた『剣』とを与えた。
見返りは人々の安寧と、定期的な魔導石の供給である。
その為、デザートローズ王国は魔導石の確保に重点を置き、
国民は魔法を扱える者ばかりが居住するようになり、後世の血にもそれが残った。
『水晶鳥』の力は時間を経るごとに強くなり、『水晶の剣』の制御を外れるようになった。
王家は『水晶鳥』に国が見捨てられることを危惧し、歴代の中でももっとも強大な魔力を持つ
王女ハロウディア(ハル)の身に王宮に住んでいた『水晶鳥』そのものを封印した。
一方で『水晶の剣』を受け継いだのはハロウディアの双子の妹、リィンディアである。
彼女もまた強い魔力を持っていたが、同時に野心家でもあった。
『水晶鳥の力を用いて世界を自分のものにする』
その気持ちは『水晶の剣』に流れ、穢し、結果ローゼライトを一晩で滅ぼすことになった。
『二重の輪』(ふたえ の わ)
《女神信仰》のシンボル。
「大きな世界」を模した外側の輪と、「小さき世界」を模した内側の輪、
さらに内側の輪の中には自分を表す小さな魔導石が連なっている。
聖職者はその魔導石を用いて人々を救済する。
《人間》
「小さき世界」に住まう者。
魔導石から魔法を引き出すことに長けていた種族であり、
「大きな世界」ではその力を用いて《大戦争》で世界の覇権を勝ち取った。
《亜人》
かつて「大きな世界」には多くの種族がいた。
しかし彼らは「大戦争」の折、人間との争いで敗北。
その原因は主に、魔導石から魔法を引き出す力が劣ることであった。
亜人達は自らの核から魔法を引き出す事に長けており、複数の魔法を使うことも可能であった。
彼らが死んだ時に結晶化する魔導石は強力で、人間達は戦争を続ければ続けるほどに力を付けていった。
結局彼らは絶滅し、「小さき世界」では人間との混血の中に残るだけの存在となってしまった。
《モンスター》
人間以外の生物。
ドラゴンやユニコーンなどの高等な知恵を持つものから、
スライムなどの単純な思考しか持たないものまで様々。
全ての生体が知られて居るわけではなく、モンスター学者なる職業が存在する。
モンスター達もまた核を持ち、多くは死して良質な魔導石に変化する。
モンスター達はお互いに喰らい合い自らの力を高めようとする。その対象は人間も含まれる。
討伐対象であり、狩りの対象であり、畏怖の対象である。
また弱い種は家畜として人間社会の中に生息している。
《精霊》
高密度の魔導石が核に変化し、意思を持った超自然の存在。
名も無き者から、名を持つほど強大な力を持つものまで様々。
基本的に生物を恐れず、成長もしない。
魔法によって殺すことが可能で、すると核は魔導石へ変化する。
この時の魔導石は、核になる前とは別な性質になっている場合が多い。