ユーミンが荒井だった頃 (2013.9.5)
ロック派、フォーク派、何だか分からない音楽ファン派閥が有り、そしてニューミュージックという言葉が出始めたのはいつ頃の事だろう。
そんな時代に彗星の如く日本のミュージックシーンに登場したのが荒井由美(松任谷)だ。
現在、上映されている宮崎 駿監督の「風立ちぬ」で流れる「ひこうき雲」が入っていたのがデビューアルバムのはずである。
高校生だった私たちの同級生の一人にその「ニューミュージック」の先駆者がおり「荒井由美」と「谷山浩子」の時代が来るとよく言っていたものである。
その「荒井由美」が秋田県民会館でコンサートを行う事になった。
ホール近くの千秋公園の花見が盛んに行われている4月末だったと記憶している。
自分も友人と二人でチケットを手に入れ(別の友人の家族が経営している喫茶店でも販売しておりそちらで購入したら結構、ステージに近い席)コンサートに出向いた。
当時の県民会館は2000席で満員状態だった。
コンサートは二部構成で1部は本人のピアノの弾き語りを主体として二部はバックバンド(後で知ったがT-スクェアがメンバー)を従えた構成だったはず。
何と二部の始まりは今では当たり前かもしれないが三日月型のゴンドラに乗った本人が5m程の高さから降りてきて歌うという演出に会場から大きな歓声が上がったのを覚えている。
そんな会場の雰囲気に自分もかなり気分が高揚していたのか本人のトークの最中に「私も自分の曲でなく他人に書いた曲が大ヒットしてしまって・・・(バンバンのいちご白書をもう一度)」の下りでつい「印税、ちょうだい!!」と声を出してしまった。
本人が「おや?会場に面白い子がいるみたい・・・ステージに上がってもらいましょうか。みなさん、拍手!」とか言われ何とステージに上がってしまったのだ。
名前、歳、学校名などを聞かれた事は覚えているが多少、交わしたはずの会話は記憶にない。
その後、コンサートはテンポよく進みアンコールは「ルージュの伝言」、会場は総立ちで終了した。
何人かの観客から握手(からかわれて)を求められ、まんざらでもなかった事を記憶している。
今でもその時の自分の突飛な行動となる要因は不明だ。
あれから40年少し経ち、第一線で活躍(容姿も若く美しく・・)しているユーミンの姿を見るたび思い出すあの日にホールから出た時、見た美しい夜桜と、そして不甲斐なく感じる現在の自分の姿・・・。
(古い画像ですいません。当時のご本人は画像の様なメークでした。)