PHOTOSYMBIOSIS LAB

地球上のほぼ全ての生物は、他の生物と「共生」しています。その中でも、光合成を行う生物が別の生物と共生することで、新たな生きる仕組みが生まれることを「光共生」と呼びます。有名な例では、褐虫藻と呼ばれる微細藻類がサンゴと細胞内共生したり、シャコガイと細胞外共生することが知られています。緑藻クロレラがグリーンヒドラやミドリゾウリムシと共生するのも光共生です。また、光共生は植物の起源にも深く関わっています。陸上植物や藻類の持つ葉緑体は、真核生物の祖先がシアノバクテリア様の原核生物を細胞内に取り込むことにより獲得されたと考えられていますが、これも光共生の一例です。

 私たちは、実験室内で共生状態を模した環境を再構成したり、共生状態が崩壊する「白化」と再共生の過程を操作する実験系を駆使して、共生過程に関わる遺伝子発現、分泌分子、細胞機能などを、ゲノムから環境応答まで幅広い視点から構成的に理解する研究を進めています。これらの研究により、現在の地球上に見られる生物多様性の理解を深められるだけでなく、太古の生物進化史に迫ることができると考えています。

 丸山研は2022年にスタートしたまだ新しい研究グループです。東京大学柏キャンパスで、日々研究を行っています。大学院生も募集中です。私たちの研究に興味を持って頂けた方は、研究背景は問いませんので、是非こちらからお気軽にご連絡下さい。

東京大学 大学院新領域創成科学研究科 

先端生命科学専攻 統合生命科学分野 

准教授 丸山真一朗