PTOS(ピートス)は、NECのN5200(エヌゴーニーマルマル)のスタンドアロン用OSです。実際に使い始めたのは1981年のN5200/05からです。私たちは、N5200を5200(ごせんにひゃく)と呼んでいました。その後、N5200/05mkIIが発売され、旧機種と区別するためにmkII(マークツー)と呼びました。
当時のHDD(hard disk drive)の容量は40MBしかないにもかかわらず、数十万円と非常に高価でした。バックアップにカセット型の磁気テープを使っていました。FDD(Floppy Disk Drive) のサイズは8インチと大型で、容量が1.25MBしかありませんでした。
このころは、NECが提供するPETOS11K2の通信ソフトを使い、N5200同士で公衆回線2400BPSの通信を行っていました。モデムは電話型のタイプで、約20万円と高価でした。
当時の開発環境は、COBOL5(規格はCOBOL74)を使い、ISAMをベースとしたアプリを開発していました。N5200については、WikiのN5200をご覧下さい。
さらにN5200/07とN5200/03が発売され、新旧の機種を区別するために、05(オーファイブ)、mkII(マークツー)、07(オーセブン)、03(オースリー)と呼んでいました。
ついに、1997年にN5200シリーズのハードウェア販売が終了しました。しかし、PC-9821シリーズ上で動くPC-PTOSが発売されました。開発管理チームは、ほっと一安心です。システム開発環境も、COBOL74からCOBOL85になりました。通信環境もPETOS11K2からCOBOLで開発したJCA手順の通信に変わりました。HDDの容量が8GBに増え、規格がSASIからIDEとSCSIになりました。バックアップには容量が230MBや640MBのMO(Magneto-Optical disk)に代わり、処理速度が速くなりました。外部とのデータ交換に使う媒体は一部FDが現役です。FDのサイズは3.5インチに小型化されましたが、容量は1.25MBのままです。MS-DOSのファイルを扱うこともできます。
この方法でシステム開発と通信を行っています。PC-PTOSについては、個人のサイトをご覧下さい。JCA手順についてはWikiの電子データ交換をご覧下さい。
2003年にPC-9821シリーズの販売が終了し、PC-PTOSも同時に販売終了となりました。そして、2010年10月にPC-9821シリーズとPC-PTOSのサポートが終了しました。パソコンも家電製品と一緒で製造後7年で、部品が手に入りにくくなります。メーカーは修理を受け付けてくれません。つまり、これでメーカーのサポートを得ることは完全にできなくなりました。
2020年の現在でも、PC-98シリーズを使用している製造業関係者は、かなり残っております。国産の部品を使っていたので、品質が高く故障しにくいです。それだけPC-98シリーズが総合的に優れたいたベストセラー機だったことが伺えます。現在、使用中のPC-98の故障対策として部品をストックしていますが、いざ使おうとすると1/3以上が故障して使えません。まだ、PC-98シリーズの中古販売や修理してくれる業者さんがあります。「PC―98のミシマ」(静岡県伊豆の国市)が有名です。当分は、PC-98シリーズを業務用として使用する予定です。
ところで、朝日新聞電子版2016年5月4日に「あのPC―98が高値で売られてた 意外な場所で活躍中」の記事が掲載されました。http://www.asahi.com/articles/ASJ5432RSJ54UEHF001.htm
http://withnews.jp/article/f0160314001qq000000000000000W00b0901qq000013115A