下記は、2006年12月、AdmissionsのDirectorであるMs.Paula S.Goldfardのインタビューの模様です。内容は受験生全般に求めること、後半はその中で日本人受験生に期待すること、という構成になっています。
(インタビュアーより)
率直な感想としては、日本人として期待されること、日本人としてPushすべき点などを聞き出したかったのですが、留学生への立場としてあくまでも平等な態度をとるPaulaさんからはなかなか聞き出すことは難しいということがわかりました。ただよく言われている企業からの寄付が関係するとか、国によって合格者人数を決めているということは全くないということがわかりましたし、アプリカントの方がわからないことや疑問点があれば、素直に聞いてほしいという感じを受けました。特に数年前からあるSternは日本人は受かり難いというのは全くの噂であり、事実ではありません。あまり予備校や同じアプリカント同士の話に惑わされることなく、疑問点があればすぐにAdmissionsに聞いていただきたいと思います。また在校生の代表として我々も全面的にお手伝いさせていただきますし、疑問点に関しては我々の憶測ではなく、Admissionsの意見を聞いてお伝えしたいと思います。皆様のアプライをお待ちしております。
(I: Interviewer, P:Paula女史)
I: どのような学生を求めていますか
P: Sternとして型にはまった学生を望んでいたり、決まった学生を望んでいるわけではありません。むしろいろんな学生の集まりを要望しており、それがSternが常々語っているDiversifyという言葉に要約されるのです。加えて我々が学生に望む要素としては
Brightness
Good Education
Personality and ability to get along with diversified student body
Fit with Stern
Strong interest in Stern and Deep research on Stern community
などを要求しており、それらはエッセイにて語ってほしいと思っています。
I: アプリカントにファイナンスのバックグランドや知識を求めていますか?
P: いいえ、どのような産業にいたかに関わらず、Sternはどれだけ充実した実務経験をしているかを考慮しています。(年数に関係なく)
I: Stern入学後は学生にどのような行動を期待していますか?
P: すべての学生になんらかのCommunity Leaderになってほしいと考えています。Stern communityだけではなく、NYのCommunityへの貢献とLeadershipを重要視してほしいと考えています。
I: Stern communityとは何ですか?
P: Stern communityとはSternの学生・教授陣・卒業生・職員らで構成され、それら構成員がそれぞれにBenefitを感じることを目的としています。
I:卒業後、卒業生としてどのような活動を期待しますか?
P: 卒業生には10年・20年以上経ったあとでも世界中でSternでの経験、学んだこと、ネットワークを駆使してほしいと思っています。是非みなさんにそのネットワークに参加していただき、貢献の力となってほしいと思います。
(日本人アプリカントについて)
I: 日本人アプリカントにどんなことを期待しますか?
P: Sternは国によって評価の基準を変えていません。つまりある特定の国について特別な評価基準はなく、すべての留学生にたいして評価基準は同じです。よって特にある国からの留学生に期待するということはなく、次のような項目を見ています。
Strong academic track record
Career achievement
Personal Characteristics
Careerに関しては
Less importance in title
More importance in how your responsibility has developed, how you showed your leadership, etc
No preference in whether you are sponsored by your company or self-sponsored
I: Stern入学後、日本人学生にどのようなことを期待しますか?
P: リーダーシップに加えて、他の学生が知らない日本でのビジネス、あるいは日本に関係するビジネスについてのインサイトをクラスに提供してほしいと思います。
I: 日本人を何人合格にするというような目標の数字はありますか?
P: 全くありません。Sternは常にすべてのアプリカントの中からベストの候補者を選ぶようにしており、特にどこの国からというのを考慮材料にいれていません。
I: 特に日本人女性アプリカントへのメッセージはありませんか?
P: 日本からビジネススクールを目指す女性は是非Sternにアプライしてほしいと思います。女性キャリアへの教育はSternが最重要視しているミッションのうちのひとつです。我々はそういった女性にコーチング・メンターリング、強いアルムナイとの関係をオファーしています。
(アプリカントの評価について)
I: どのようにアプリカントを評価しますか?
P: 強いアカデミックバックグランドが必要とされます。また、就業経験の充実度、Stern communityへのコミットメント、事前にSternのリサーチを十分行っていること、強いリーダーシップを発揮できる可能性がある、Sternへのフィットを感じられること、以上をよく見ています。
I: 最近のアプリカントがどのような傾向があるかなど変化がありますか?
P: 今年はまだ始まったばかりですし、昨年から特に変わっているということは聞いていません。
I: どのようにGMATやTOEFLのスコアを評価の対象として組み入れているのですか?
P: GMATはアプリケーションの一構成要素でしかありません。我々は一番高い点数しかみません。つまり他のスコアのヒストリーから評価に何の影響もありません。アプリケーション提出後のスコアの更新もできますが、その際はあらかじめアプリケーションにて再受験する旨を記載することが重要です。SternはGMATやTOEFLの得点で下限を設けていることはありません。あくまでもアプリケーションの総合で評価をすることになります。
(エッセイについて)
I: Commitment in Stern communityという点についてどのようなエッセイを期待しているのですか?留学生の場合、不利になりませんか?
P: キャンパスを容易に訪れることができない留学生の場合、SternのWebsiteをチェックしたり、Uploadされている在校生へのインタビュービデオなどを見ることによってSternのことを知ることができます。また留学生はStudent Ambassadorと呼ばれる在校生やAdmissionsに直接メールすることにで質問をすることは大歓迎です。
I: “Describe yourself” essayではどのようなことを期待していますか?
P: アプリカントの方をさらによく知ることができるようなご自身の経験を我々とシェアしてほしいと思います。それらはパーソナルなことでもプロフェッショナルなことでも構いません。
I: Recommendation letterはどのような役割を果たすべきで、どのように評価しているのですか?
P: Recommendation letterでは、アプリカントは書く内容をコントロールすることはできませんが、少なくとも誰に頼むかはコントロールすることができます。あなたのより優れた違った面を引き出せると思われる方を選んでください。Recommendation letterを書く方の英語がそれほどよくなくても、そこから伝わる内容が重要だと思ってください。
I: 面接に関して何かコメントはありますか?
P: 面接官はアプリカントのエッセイを非常によく読んでから面接に臨みます。面接前にもう一度ご自身のエッセイを読み返すことをお勧めいたします。ただしエッセイと同じ質問をすることが目的ではなく、エッセイ上から想像されるアプリカント像と実際のご自身とのFitを確認することが面接の目的です。面接はinvitation onlyになります。
I: インタビューなしでWaitlistになってしまった方へアドバイスはありますか?
P: そのような形でWaitlistと連絡を受けた場合でも、今一度ご自身の評価をしていただいて、なにかUpdateがあればAdmissionsにレポートをしてください。
I: GMATの点数で悩んでいらっしゃる方から、今出してトライすべきか、来年まで待って出すべきかよく尋ねられることがあります。その場合の考慮すべきことなのですが、リアプリカントは不利になりますか?
P: リアプリカントが不利になることはありません。ただし、その時点でのご自身の評価を再度行って、Updateを我々にレポートしていただくことが必要です。
I: 今年はアジアを訪問して面接を行いますか?
P: はい。ただしどの国で行うかはまだ決定しておりません。昨年は中国で行いましたが、アジアのアプリカントが訪問できるような場所で行います。
I: 最後になにかアプリカントの皆さんにメッセージをお願いいたします。
P: アプリカントの皆さんには是非Sternのことをより知ってもらいたいと思っています。そのために我々はなんの努力も惜しみません。皆様とキャンパスにてお会いできるのを楽しみにしております。
I: お時間ありがとうございました。
(インタビュアーより)
Paula女史は非常にもの柔らかに、かつStern Communityの重要さ、目指しているDiversityを静かに語ってくれました。一般的な質問に関しては非常にまともな答えで、ある意味他との学校の差別化という意味ではやや物足りないかもしれませんが、FitとStern Communityという言葉は強調して使われていますので、今後も非常に強いキーワードになってくると思います。