7月7日に上野毛駅にある五島美術館にて風蘭茶会を行いました。暑い中総勢56名のお客様にご来席賜り、無事盛況のうちに終えることが出来ました。各時間帯富士見亭と古経楼の広間にて薄茶席を、古経楼の小間にて濃茶1席を開き計9席行いました。
本茶会の名前である風蘭は風通しの良い高所に好んで生息する多年草で、開花時期は6月から7月です。風通しが良いというイメージから暑い中でも涼を感じられるようこの名前に決めました。
また、本茶会を開催した五島美術館は東急電鉄の初代会長・五島慶太氏が設立した美術館であり、古経楼と富士見亭、そして本館も併せて国の有形文化財に登録されています。詳しい沿革は五島美術館の公式ホームページからご覧ください。
今回お借りした古経楼は元は明治時代に建てられたお茶室を五島氏が小間を増築するなど、現在の形に整えたものです。富士見亭は五島氏の最晩年に建てられたものであり、立礼式に対応したお茶室です。富士見亭はその名の通り、当時は茶室の大きな窓から富士山を望むことができたそうです。
※通常非公開のところ今回は許可を頂いて写真を掲載しています。
こちらは濃茶席でお出しした主菓子の七夕と会記、お道具です。現役の部員が外部のお客様向けに濃茶席を設けるのは初めてだったのでお稽古でも濃茶の練習に励みました。
こちらは古経楼薄茶席でお出しした錦玉製の岩清水とお道具です。岩清水には岩の間から湧き出る綺麗な水という意味があり、お道具とともに涼しさを感じられます。お道具ではガラスのお茶碗や青磁の皆具を用いて涼しさを表現しました。
こちらは富士見亭の窓からの景色を背景に干菓子(ホオズキと枝豆)写したものと会記、お道具です。4枚目は富士見亭の外観です。富士見亭でも青磁のサザエの蓋置をはじめ、青いお道具を用いて涼しさが感じられるようにしました。
画像は今回の茶券です。薄茶席の紐の色を水色、濃茶席を桃色にすることで織姫と彦星らしさを表現しています。
以下茶券担当の部員のコメントです。
風蘭茶会の茶券は、7月7日の七夕にちなんで短冊の形にしました。デザインでは天の川を表現するのに非常に悩みましたが、ブラシで絵の具を飛ばすことで、光一つ一つが綺麗な星空になりました。
風蘭茶会は初めて外部の方向けの濃茶席を行ったり、貴重なお茶室をお借りしたりと緊張することが多かったですがおかげさまで無事開催することが出来ました。暑い中お越しいただいた皆様、お茶室を貸してくださった五島美術館の方々に重ねてお礼申し上げます。