秘跡

四肢(しし)・肉(しし)・詩() 教会裏で密やかに笑いあうとき追い払うとき
言葉と言葉のあいだで脆くおちたワセリンつきの皮膚片を食む
意識とは青みがかった鉤編みの糸―細断された葉緑素
フラッシュに眩む眼底のみずうみ暗室で若木は立ち枯れて
光から葡萄を生成する器官 カラス除けの息のないカラス
裁いてはいけません僕∵(なぜならば)僕もまた裁かれるのだから
現象を脱いで光になりたいと背骨を伝っていくオリブ油