計算行動科学研究室
計算行動科学(Computational Behavioral Science)研究室では計算論モデリングや実験心理学的アプローチを通して動物やヒトの行動の背後にある基本原理を解明することを目指しています。2021年3月まで名古屋大学大学院情報学研究科 心理・認知科学専攻および文学部心理学教室に所属していました。現在では産業技術総合研究所に活動拠点を移しています。
News
2022/4/10 メンバーを更新しました。
2021/10/21 大庭さん (大平研究室・研究員) の論文“A learning mechanism shaping risk preferences and a preliminary test of its relationship with psychopathic traits”がScientific Reportsから出版されました。
2021/6/7 Google sitesの更新に伴い,サイトをアップグレードしました。おかしくなっているページがあるかもしれません。
2021/4/1 メンバーを更新しました。
2021/3/25 博士課程の菅原通代さんが博士 (情報学) の学位を取得するとともに,情報学研究科のエクセレントドクターに選出されました。
研究テーマ
行動選択・学習
行動実験・行動観察や行動データのモデリング,計算機シミュレーションにより行動選択と学習の基本原理を探求しています。最近では,学習における非対称性 (例えばネガティブな結果から学習する程度とポジティブな結果から学習する程度の違い) や,同じ選択を選び続ける傾向(固執性),他者の行動予測や他者の行動の影響,「サプライズ」の効果などに注目しています。
計算論モデリングの方法論についての理論研究
実験データに強化学習等の計算論モデルをフィットさせ,データの背後にある計算プロセスを推定するアプローチを計算論モデリング (モデルベース解析) とよびます。計算論モデリングの妥当性やその性質,限界についての理論的な研究を行っています。その成果の一部はこちらでも解説しています。
オンライン実験・調査の方法論についての研究
近年,オンラインでの実験や調査が盛んに行われるようになってきています。当研究室でもこの方法を用いるとともに,その実施方法や,データ分析の方法などについて検討を進めています(例えば無回答項目が含まれるデータを除外することの影響)。また,実験課題の最適化についても検討を始めています。オンライン実験やそのためのソフトウェア (Inquisit) のノウハウ,Rでの分析法などについて,遠山さんがこちらの資料にまとめてくれています。
計算論的精神医学に関する研究
「計算論的精神医学」の手法を用いた研究や,その有効性についての理論的研究を行っています。本研究室では直接的に患者さんを対象とした研究はできないため,健常者の中での精神疾患傾向に注目した研究や,オープンデータを用いた研究,理論研究が中心になります。
個人特性,パーソナリティの分布に関する研究
実験や質問紙調査により得られた個人特性の分布の統計的な特徴を捉え,そこから個人差がどのように形成されているかを考察する研究も始めています。