Refer "TECHNIQUES FOR TACTICAL RADIO OPERATIONS " by Headquarters, Department of the Army
これはアメリカ陸軍本部が書いた "TECHNIQUES FOR TACTICAL RADIO OPERATIONS " を参照したものです。
最近SNS(Twitter ,Facebook ,他)で妨害電波を受けた報告や動画を見かけます。妨害電波を受けた方にとっては正義感や義憤からSNSで報告されているとは思いますが、逆効果です。
「妨害電波を受けても(SNSや無線等で)報告してはならない」は米陸軍の通信教科書マニュアルに書かれているので以下に対訳として載せておきます。妨害をSNSで報告されている方は先にご一読の上、ご一考をお勧めします。
不法局・違法局は常に新しい、より(こちら側の)混乱を招くような形態のジャミングを完成させ、使用しようとしている。(原文は敵だが訳者ab449が推敲)
無線従事者は妨害電波(ジャミング)の影響(をこちら側が受けるかもしれない可能性)にますます注意を払う必要がある。訓練と経験は、信号が妨害電波であるかどうかを判断するため最も重要な手段である。
訓練で妨害電波の影響を受けたり、実際の状況でジャミングの影響を受けることは非常に重要です。妨害電波は迷惑でこちらが対処する必要が有るため、妨害電波を認識する能力は重要です。
以下の段落では、敵の妨害電波を検知した場合に取るべき行動について説明します。
いずれかの行動で妨害の問題が緩和された場合は、そのまま通常の運用を続けて「通常の運用を継続」し(上位本部へ妨害の)報告が求められます。
敵の妨害行為は、通常、妨害行為の後に短い聴取期間があります。
この短い期間の(味方の)オペレーターの動きは、敵に妨害(ジャミング)がどの程度効果が有ったかを伝えてしまいます。
例えば、妨害が始まる前と何も変わらずに作戦が正常に継続されている場合、敵は自分の妨害が特に効果的では無かったと考えるでしょう。
一方、通信の内容に(「妨害されている」と受け取れる通信)問題点が含まれていたり、作戦(交信)が完全に終了していたりすると、敵はジャミングの効果が高いと判断するでしょう。
敵はこのように作戦(交信)を監視しているので、特に命令がない限り、作戦(交信)を終了したり、いかなる方法でも無線に悪影響があることを敵に明かしてはなりません。(いかなる方法とはSNSも当然含まれる)
敵に無線(交信)が悪影響を受けていることを明かしてはならないのです。
つまり、ジャミングによって機能が低下しても、通常のオペレーション(交信)に妨害電波が悪影響を与え(劣化させ)ていても、通常の動作(交信)を続けなければなりません。
ATP 6-02.53 TECHNIQUES FOR TACTICAL RADIO OPERATIONS
繰り返します。
妨害する方から見ればSNS他で報告・実況は「戦果」が有ったというレポートです。妨害する方はSNSを見て「チョースイテ」来るでしょう。あるいはターゲットをSNSで報告する人に絞り込むかも知れません。だから「妨害電波を受けたら報告してはならない」のです。
事細かく音やメータの振れ具合を動画(録画日時や継続した時間・受信点も記録されている事が多い)で公開することは妨害した方へ公開で受信報告を送っている様なものです。
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