研究内容

コロナ加熱・太陽風駆動問題

コロナ加熱・太陽風駆動問題は太陽物理学における難問のひとつです。1940年代の分光観測によって、約6,000度の冷たい光球の上空には100万度を 優に越える熱いコロナ層が存在していることが発見されました。もちろん輻射や熱伝導、対流といった熱的な過程で冷たい光球がコロナを高温にすることはできません。現在の理解では、光球表面の対流運動と、表面に点状に分布する磁場構造とがカップルすることで生み出されるポインティングフラックスを利用してコロナにエネルギーを供給するというシナリオが有力です。高温のコロナができれば圧力勾配により太陽風が駆動されます。私の研究では数値計算を用いて、太陽コロナと太陽風を計算機中に再現しようと試みています。