<愛媛大学 プロテオサイエンスセンター 湯口 貴聡>
寄生虫WSが私にとって外部の方に研究成果を発表する初めての機会でした。ワクワク感あり、不安ありの心持ちで参加させていただいたのですが、期待を裏切らない楽しくも勉強になる経験となりました。できることならもう1年早く参加したかったです!
まず、溢れるエネルギーに圧倒されました。きっと3日目の早朝に鳴り響いたJアラートに叩き起こされた人も少なくないと思います。こうした事態に左右されることなく、参加者のみなさまは最終日まで昼も夜もずっと元気でした。
そのエネルギーは議論の活発さにも表れていました。発表と同じ長さの10分間の質疑が途絶えることはなく、筋の通っていない点が露わになる“研究の核”に迫る質疑内容でした。こうした多数の質の高いご意見を頂戴できるのは貴重で、研究方向の修正を図る絶好の機会だと感じました。
そして、私の研究内容に興味を持ってくださる方が想像以上に多く、驚くとともに大変嬉しく思いました。いつもは面白い結果が出ても指導頂いている先生方と共有するだけで、ワクワクを秘めて毎日研究を進める日々です。それが今回のWSでは共有できたので、とても楽しかったです。思うような結果が出ない日々が続いても、このことを思い出して頑張れそうです。
このような良い意見交流の機会に恵まれたのは、3泊4日という長い開催期間に加えて、ミニバレーや温泉のレクリエーション、まるで修学旅行のような集団行動生活によるものだと思います。このおかげで、初参加の私でも多くの方々と交流することができました。特にミニバレーでは罰ゲームの存在が自然とコミュニケーションを増やして、チームの結束力を高めてくれたと思います。まさかあそこまで盛り上がれるとは思っていませんでした。初参加の人のためにもぜひ今後のWSでも続けて欲しいです。このような場でBPAを頂けたことは非常にありがたいです。また自分史上 “ベスト”という響きとは縁がなかったのでとても誇らしいです。
最後になりましたが、本大会を企画運営してくださった世話人の先生方、原虫病研究センターの皆様方、ありがとうございました。実は過去の開催時に先輩からBBQの写真が届いたことがあり、美味しいご飯も楽しみにしていました。期待を上回るような北海道色溢れるご飯ありがとうございました。
<帯広畜産大学・原虫病研究センター ・特任研究員・猪原史成>
分子寄生虫学ワークショップ&分子寄生虫・マラリア研究フォーラムは毎年夏に開催される会です。今回は、私の所属する原虫病研究センターで開催された4回目の会となりました。この度、光栄にもBPAを受賞し印象記を書く機会をいただきましたので、少しでも本ワークショップの魅力を伝える一助になれればと思います。
私が初めて本会に参加したのは、6年前に神戸セミナーハウスで開催された第20回でした。当時は学部5年生で右も左もわからない状態でしたが、学生から若手、中堅、大御所の先生までがそろって熱い議論を繰り広げる姿に衝撃を受け、それ以来ほぼ毎年参加させて頂いております。
さて、本ワークショップでは参加者は全員発表の原則に従い、学生やポスドクから大御所の先生に至るまで自身の研究内容を発表します。発表内容は完成された研究だけでなく構想段階のものでも良く、研究室外の方から極めて率直な意見を頂戴する貴重な機会となります。質疑応答では参加者から忌憚のない質問がなされ白熱した議論が延々と続き、質問時間10分という異例の長さであるにもかかわらず、座長の仕事は演者の紹介だけになることがほとんどです。夜にはお酒を飲みつつさらに議論を重ねて、各々交流を深めることができます。会の途中にはさまざまな企画が催され、今年はミニバレー大会、温泉、ジンギスカンといったイベントが行われました。若手の研究者にとっては本ワークショップを通じて国内の寄生虫研究のネットワークを拡げるチャンスになるでしょうし、私のような若輩者や学生のみなさんは同年代の研究者と熱く議論したり、さまざまな経歴をお持ちの先生方と垣根なくお話したりと濃密な4日間を過ごすことができたと思います。
最後になりましたが、本ワークショップを通して若手寄生虫研究者の成長の機会を与えてくださっている、世話人の方々をはじめ諸先生方へ深く御礼申し上げます。
追伸 前代未聞の無茶振りに見事応えた同期の林くんにこの場をお借りして個人的に拍手を送りたいと思います。