< 岐阜大学獣医寄生虫病学講座 馬場みなみ>
ハイキング、身を切られるような質問、夜通しの飲み会(という名の討論会)。先輩方から聞いたワークショップの印象。最初の一つはともかく、後者二つは一体どういうことだと戦慄したのを今でも覚えている。そうして初参戦した2014年、博士課程2年。諸事情が重なり、一人での参加。
「それ、何が面白いの?僕には全く分からない。」
他の学会ではおよそ聞けないであろう、根本を揺るがす質問に撃沈したのは言うまでもない。
それから早二年。先の言葉にめげず続けてきた研究内容でBPAをいただくことができ、本当にうれしく思っています。
今年度のワークショップは昨年同様帯広での開催でした。一昨年、昨年と天気に恵まれての開催であったにもかかわらず、今年は雨。しかもただの雨ではない。観測史上初、1週間で立て続けて北海道に上陸した3つの台風のうち、2つの台風とかち当たるというとんでもない当たり年。日程が前後1日どちらにずれていても開催が危ぶまれる状況でしたが、数多くの運休・欠航をかい潜ってほとんどの人が参加できたのは、皆様の熱い思いがあってのことだと思います。
あいにくの空模様とは裏腹に今年のワークショップも鋭い質問が飛び交い、大変な盛り上がりを見せていました。この熱い討論は、セッションが終わっても止まるところを知りません。通常の学会であれば、どうしても同じ研究グループの人や同年代の人間で固まりがちですが、このワークショップではドリンクを片手に由来も様々な学部生が、院生が、ポスドクが、教授が、輪となって討論しているところを随所で見かけました。このように様々な角度から忌憚ない意見を聴ける機会はめったにないので、とてもありがたいことだと思います。
また今年の企画では「道」をテーマに長年研究をなさってきた先生方にお話を聴くことができました。どの先生のお話も興味深く、一口に研究者と言えどその生き方は一様ではないことに少し安心しました。
最後に、研究成果の発表だけではなく、様々な企画や温泉やバレーボールなどのレクリエーションを組み込み、更に毎食おいしいごはんまで用意してくださり4日間という長丁場を滞りなく企画・運営してくださった世話人の皆様、原虫病研究センターの皆様に感謝申し上げます。本当にありがとうございました。