2015年度印象記

2015年度BPAを獲得された佐々木さんと花館さんの印象記になります

<旭川医科大学寄生虫学講座 佐々木瑞希>

 

旭川での生活も1年が過ぎたところで思春期を迎えたので、ちょっと外の世界に出たくなりました。というわけで、新しい旭川医大寄生虫学講座をアピールすべく、初めてこの大会に参加させていただくことにしました。

私の発表がプログラムの最初だったので、どのような会なのかわからないまま気楽な調子でHymemolepis幼虫の培養について話したところ、たくさんの質問やアドバイスをいただき、びっくりしてしまいました。さらに驚くべきことに、発表終了後にもたくさんの方に声をかけていただき、情熱的な質問をいただきました。最初だから元気なだけかと思ったのですが、夜までみなさんお元気でしたし、次の日もその次の日もかわらずお元気でしたので、とにかくエネルギーがすごいみたいです。いずれにしても、未だ解明されていないことの多い条虫類に興味をもっていただけたことはとてもうれしいことです。いただいたアドバイスやみなさまの発表から学んだことを取り入れて、条虫研究の新たな一歩を踏み出せるのではないかとときめいています。私の遊び半分(?)の実験にBPAをくださって、本当にありがとうございます。

ちなみに、凶器のような質問を飛ばしていた先生方も、バレーボールやお食事のときは、チャーミングな一面を見せてくださいましたので、そのギャップにまた胸がときめきました。

本当に濃密な4日間をすごすことができました。みなさまありがとうございました。来年の夏には新しいデータを持って参加できるよう、がんばります。今後ともよろしくお願いいたします。

<国立感染症研究所 花舘有希>

◎ はじめに

印象記執筆の依頼を受け、何を書こうかとものすごく悩みましたが、正直に、本WSを通して感じたことを片っ端から綴っていきたいと思います。この印象記が、WSへの参加を迷っていたり、過去に参加をしたものの心が折れてしまい次の参加を躊躇している学生への参考になれば幸いです。

◎ WSの醍醐味

今、私はこのWSがとても好きです。しかし初めてWSに参加した修士1年生のころ、討論でも飲み会でも先輩方にこてんぱに打ち負かされて帰ってきたとき、次回への参加に不安を覚えました。討論や自分のデータへの自信のなさから、参加を躊躇してしまうこともありました。自分自身がそうだったからこそ、寄生虫WSから得られると思うことをここに列挙し、そのようなつまらないことを理由に参加を見送ってしまうことがどんなにもったいないことか、伝えられたらと思います。

・未完成な研究の発表

プレリミナリーな研究テーマを5分間で発表し、それについて討論する機会を得られます。研究のスタートアップにおいて、研究室外の人から率直な意見やアドバイスが貰える貴重な機会だと思います。

・異例の長さの質疑応答

発表10分に対して質疑応答10分という贅沢なディスカッションタイムが設けられています。答える方もなかなか大変ですが、先生方が時間を余すことなく真剣に質問をして下さるので、他の学会と違い深い討論ができることが最大のメリットだと思います。またこの質疑時間の長さは、学生が質問をするチャンスも与えてくれる良い機会です。

・ベストプレゼンテーションアワード (BPA)

寄生虫学会のBPAとは異なり全ての人にBPAを獲得するチャンスがあり、発表のモチベーションを上げてくれます。BPAのための事前登録の必要もないので、こっそりと賞の獲得を狙っている人には良いかもしれません。

・レクリエーション

学会では話しかけられないような雰囲気の先生方と共に、汗を流しながらスポーツを行います。これが意外と楽しく、普段みられない先生方の一面をみることで親近感も湧き、夜の飲み会のときに話しかけやすくなるのが嬉しいです。ちなみに、大御所の先生方ほど、かなり本気で優勝を狙ってきます。

◎ 今年のWSの印象

今年も前回と同様、分子寄生虫・マラリア研究フォーラムとの合同大会として帯広畜産大学原虫病研究センターで開催されました。今回の大会で特に印象深かったことなどを紹介したいと思います。まず最も新しいこととして、他分野から発表者の方を招待する企画が設けられました。発表が面白かったのはもちろんのこと、質疑応答でも活発な討論を展開して頂き、非常に刺激を受けました。つぎに、レクリエーションのバレーボールは初めてでしたが、距離が近く顔がよく見え、時にはお互い(物理的に)ぶつかりながら、楽しく汗を流しました。個人的には今までのレクリエーションで一番楽しかったです。また前回に引き続き2度目の座談会について。今回はオーディエンスが気軽に参加しづらい雰囲気に感じました。小さなグループを複数作るなどして、カジュアルで活発に発言できるような会にして頂けると、よりお互いフィードバックを得られる会になるのではと思いました。また、神戸時代のような、真夜中までエンドレスで行われる討論会(飲み会)が無くなってしまったのも少し寂しく感じました。大会中ノンストップで続く討論会(&飲み会)が楽しみのひとつでもあるので、ぜひ復活を願います。

◎ さいごに

今回BPAを頂いたことに関して、正直嬉しさよりも未だ信じられない気持ちでいっぱいです。ただ、長年続けてきた研究の成果をこういった形で評価して頂き、非常に感慨深く思います。同時に、これを励みにさらに研究を発展させていかなければと気の引き締まる思いです。

最後になりましたが、本大会を企画・運営して下さった先生方に心より感謝を申し上げます。