渡邊 仁奈
東北大学 農学研究科
動物環境管理学分野
修士課程2年
まず本大会の開催にご尽力くださった世話人のみなさま、共に過ごした先生方、先輩方、同期・後輩のみなさま、この度はかけがえのない経験と素晴らしい賞をいただき、本当にありがとうございました。心の底から参加して良かったです!初参加の身で恐縮ではありますが、本大会の振り返りに加え、修士学生の立場から「将来に迷う学生諸兄、MPWに参加すべし!!!」という思いを綴りたく思います。
新型コロナウイルス蔓延の影響で3年ぶりの開催となった本大会は、先生方の「待ちに待った!」の思いがまさに伝わる、過去最多の参加者数と演題数を2(3)泊3日に詰め込んだ超濃密な大会でした。噂に聞く合宿形式のように「常に寄生虫仲間と一緒!」という形ではありませんでしたが、データゼロのプロポーザルから何十年に渡る研究人生の振り返りまで、多種多様で興味深い55演題の研究発表のほか、感染症研究の資金調達から実地利用までを実体験もたっぷりにご紹介いただいた特別企画、予想を遥かに超えて盛り上がったペタンク大会、ロマンチックな屋外BBQ、憧れの先生・先輩方とちょっとそこらでお食事・・・!などなど、話し尽きぬたくさんの思い出ができました。諸事情により本大学からは学生のみの参加でしたが、世話人の先生方やペタンクで同じ班だった先生方が気さくに話しかけてくださったのもあり、緊張しながらも様々な形で交流を深め、情報収集することができました。
本大会は、私がこれまでに参加してきた学会や研究発表会とは一線を画すものでした。内向けの発表会と外向けの発表会のいいとこ取り、といえばよいのでしょうか。照れも奢りもなく、こんなにも真面目に研究・寄生虫への愛を存分に語り、聞いてもらえる空間があっていいのかしら!憧れの研究者に囲まれ、ガクガク震えながらもモチベーションが湧いてくる、なんとも不思議な空間を体験しました。
特にルーキーへの質疑応答では、ただ実験遂行上の疑問をいただき答えるだけではなく、「その研究のどこを面白いと感じているの?」「最終ゴールは何?薬剤作りたいだけなら最後の実験いらなくない?」「ストーリーが矛盾しているのに気づいてないでしょ、結局どっちに進みたいの?」等々、根本的な部分まで深掘ってご指導いただけるのが特徴的でした。「同じ発表を聞いても、そんなこと思いつきもしなかった!」と反省したり、「今の質問は私にも当てはまる、私の研究の場合はどうだ?」と自問自答したりすることで、一瞬一瞬、窮屈になっていた視野が広がる思いがしました。
一方で、所属研究室の中では当たり前に流される知識や技術に興味を持っていただけたり、生まれたての技術や着眼点にわくわくしたり、ダイナミックな研究戦略にド肝を抜かれたり、およそ本大会以外では決して体験できない感動を幾度となく味わえたことも、非常に印象的でした。特に会の終了後、興味を持った実験手法や各大学・各研究室の雰囲気、食べると美味しい蠕虫などについて、ざっくばらんにお話する時間の楽しいこと!2(3)泊3日があまりにも短く、あっという間に過ぎていきました。新型ウイルスの猛威が収まり、早く例年通り4日間の開催ができるよう祈るばかりです。
最後になりますが、初参加予定のみなさまに伝えたいことは「男女問わず学生にも優しい、雰囲気の良い会ですので、恐れることなく飛び込んでみてください」ということです。特に、研究の話を飽きるほどしてみたい、将来研究者を目指そうか迷っている、という雑念多き学生諸兄にこそ是非、厳しく優しい諸先生・先輩方に胸を貸していただき、身を委ね、学び尽くし、私のように感動してみてほしいと思います。
改めて、素晴らしい大会に参加させていただき、ありがとうございました。
本大会の今後益々のご発展をお祈りいたします。
ホン ジン
東京大学 農学生命科学研究科
応用免疫学研究室
博士課程3年
今回、分子寄生虫学ワークショップ/分子寄生虫・マラリア研究フォーラムには初めて参加させていただきました。三日間という短い間でしたが、とても有意義な時間を過ごしたと思っています。
博士課程三年というシニアスチューデントにもなりましたが、自分の研究を分野のプロの方々に発表するのがそもそも初めてでした。広くて静かな会場で自分のスライドが大きくスクリーンに映った途端、ドキドキしていました。そしてふっと長崎へ出発する前の日を思い出した。この会に経験したことのある先生がにこりと笑顔をみせて、嬉しそうに『あの会に参加するのね。体育会系らしきところがあるし、厳しいコメントやハードなディスカッションをしていただける場なので、良い鍛えになるね』と言った。その一言が頭の隅を過ぎると、緊張や不安に身を任せた私でいながらも、違う視野を持つ先生たちからはどういう評判やディスカッションが来るのかを楽しみにしていました。結果、まさにあの先生の言う通りでした。連続で本質を問う質問のなかで、回答に困りながら、勉強になったことも、「なるほど」と頷くことも沢山ありました。また、他の方々の研究発表を聞いて、今まであまり触れない内容に、自分の研究に参考できるような考え方や手法などから、色々とインスピレーションを受けました。特に印象に残ったのは、参加者の方々が他の人の研究を自分の研究のように情熱を持って活発に議論するところで、研究の楽しさがよく伝わってきました。また、質問が厳しくも論理的な話であって、問い詰めるよりも考えさせる方向へ持っていくのが特に学生にとってありがたいとこるであると思います。
発表や演題以外に、2日目のペタンク合戦が想像以上に面白かったです。ゲームをやりながら、先生か学生か問わず、気軽に交流できる場が作られていたと思います。私自身は普段あまり運動やチームワークに馴染んでないですが、ほぼ初対面の方々と楽しく話して、協力プレイができまして、非常に良い思い出になったと思います。こう言う風に研究の世界に踏み込んで、ライバルでありながらも沢山仲間を作っていけるのが嬉しいです。
末筆ながら、本会を企画していただいた世話人の先生方、その他運営などを行っていただいた長崎大学の皆様に感謝申し上げます。本当にありがとうございました。