「第22回分子寄生虫学ワークショップ印象記」
岩手大学・農学部・共同獣医学科・獣医寄生虫学研究室 関(市川)まどか
第22回分子寄生虫学ワークショップは、第12回分子寄生虫・マラリア研究フォーラムとの合同大会として、帯広畜産大学原虫病研究センターPKホールで開催されました。
■初参加までの経緯
学部から博士課程にかけて「単為生殖型肝蛭の起源解明」をテーマに、寄生虫学会のなかでも蠕虫類を専門とする研究者に限られた狭い世界で研究に取り組んでいた私にとって、分子寄生虫学WSは多数派(?)の原虫を専門とする研究者による別世界という認識で、正直なところ、なんとなく近寄りがたい(怖い)イメージでした。博士課程修了後、原虫病研究センターでポスドクを務めていた間に知り合った仲間たちから、分子寄生虫学WSは「Scienceの場では誰もが平等である」という言葉をモットーに熱いディスカッションが交わされる会で、絶対に成長できるから是非参加を、と紹介され、ドキドキしながら初めて参加いたしました。
■発表セッションについて
噂に違わぬ熱いディスカッションに最初は圧倒されましたが、鋭く本質をつく質問の数々は、発表内容を多角的に考えるトレーニングになりました。また、同世代の研究者の優れた研究発表に大いに刺激を受けるとともに、シニアの先生方の発表では研究テーマの企画力、実行力を見せつけられた思いがし、自身が将来目指すべき研究者像として大いに勉強になりました。
■レクリエーションについて
ソフトボール大会や温泉、夜の部は発表セッションとは違うリラックスした雰囲気で参加者の方々と交流することができました。発表セッションでは鋭い質問を連発していた先生方が別人のような表情でソフトボールを楽しんでおられたのは特に印象に残りました。このようなレクリエーションは、私のような初参加のメンバーでも気楽に過ごすことができ、大変ありがたい時間でした。
■最後に
今回、非常にありがたいことにBPAを頂くことができました。学部の頃から根性でコツコツと積み重ねてきた肝蛭の交雑実験に反響を頂き、これまでの努力が報われた思いが致しました。しかし、同時に発表した内容はあくまで単為生殖という現象を解き明かすためのスタートラインに過ぎず、研究の真価が問われるのはこれからだと強く感じました。今回の受賞を励みにこれからも努力してまいりたいと考えておりますので、今後ともご指導・ご鞭撻を頂けますようよろしくお願い申し上げます。
最後になりましたが、本WSを企画・運営してくださった世話人の先生方ならびにスタッフの皆様方に心より御礼申し上げます。誠にありがとうございました。