2024年度ゼミ
社会経済的地位と社会経済的アウトカム
社会経済的地位(SES: Socio-Economic Status)が様々な社会経済的アウトカムに与える影響を考えます。
社会経済的地位(SES)が社会経済的アウトカムに与える影響を考えるときに、社会科学的な「概念」をどのように利用できるかを考えます。
社会科学的な「概念」を用いて、「べき」論(規範的議論)だけでなく、「だ」論(実証的議論)を展開できるように練習します。
1.社会科学の概念の例:経済学
人的資本 (human capital)
TBA
潜在能力(ケイパビリティ, capability)
TBA
2.社会科学の概念の例:社会学とその周辺
メリトクラシー(能力主義, meritocracy)
山口泰史(2016) 「メリトクラシー概念を用いた現代社会の実証的検討の動向」
https://repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/record/51253/file_preview/edu_56_16.pdf
マスキュリニティ(男性性, masculinity)
マスキュリニティ
https://ch-gender.jp/wp/?page_id=118
マチスモ
https://kotobank.jp/word/%E3%83%9E%E3%83%81%E3%82%B9%E3%83%A2-634622#goog_rewarded
有害な男らしさ
家族主義 (familialism)
TBA
ミソジニー (misogyny)
TBA
マイクロアグレッション (microaggression)
TBA
社会資本 (social capital)
TBA
権力 (power)
TBA
アイデンティティ (identity)
TBA
再分配と承認 (redistribution and recognition)
参考文献:フレイザー&ホネット(2012)『再配分か承認か?: 政治・哲学論争 』
ポリティカルコレクトネス (Political correctness)
映画『怪物』クィアめぐる批判と是枝裕和監督の応答 3時間半の対話
https://digital.asahi.com/articles/ASS323PGSS2WULLI00F.html
『傷つきやすいアメリカの大学生たち』
https://www.soshisha.com/book_wadai/books/2615.html
アメリカの大学でなぜ「ポリコレ」が重視されるようになったか、その「世代」的な理由
3.社会科学の概念例:その他
「ジョブ型」と「メンバーシップ型」
濱口圭一郎(2022) ジョブ型雇用の真実(財務総合政策研究所ランチミーティング)
https://www.mof.go.jp/pri/research/seminar/fy2021/lm20220215.pdf
佐藤 博樹(2022)「「ジョブ型雇用」を巡る議論をどのように理解すべきか―人事管理システム改革への示唆」
https://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2022/special/pdf/010-017.pdf
4.「概念」を活用して議論する
Crash Course Sociology
階級・階層・ジェンダーなどの概念の社会学的解説
Crash Course Sociology
https://www.youtube.com/playlist?list=PL8dPuuaLjXtMJ-AfB_7J1538YKWkZAnGA
再分配と承認
お題:「再分配か承認か」という議論があります。その議論の内容がどのようなものか、説明して下さい。その際に、「再分配」と「承認」という言葉が社会科学的な概念としてどういう意味を持つのかを予想しながら書いてみてください。
Chat GPT(GPT 4.0)の解答例:
Q.再分配か承認か、という言葉があります。意味を教えてください。
A.
「再分配か承認か」という言葉は、政策や社会的な選択に関連する概念かもしれませんが、このフレーズだけでは具体的な文脈が分かりません。一般的には、このようなフレーズは、社会や経済の問題に対する異なるアプローチや解決策を示唆している可能性があります。
「再分配」は通常、富や資源を社会的により平等に分配する政策や措置を指し、しばしば税制や社会福祉プログラムを通じて実行されます。「承認」は、何かを公式に認めること、または特定の状態や権利を認知することを意味することが多く、社会的、法的な文脈で用いられることがあります。
これら二つの用語が一緒に使われる場合、たとえば「社会的な公正を達成するためには、資源の再分配だけでなく、様々な集団や個人の存在や権利を承認することも重要である」という意味で用いられることが考えられます。それぞれの用語がどのような文脈で使われているかによって、その意味合いは異なるかもしれませんので、より詳細な情報があれば、もっと具体的に解説することができるでしょう。
Q.再分配か承認か、という哲学的議論を要約してください。 またパラグラフライティングの原則にのっとり、また序論・本論・結論という3部構成にして、3~4パラグラフで書いてください。
A.
序論:
哲学的議論において、「再分配か承認か」という問題は、社会正義をどのように実現すべきかという根本的な問いに対する二つの異なるアプローチを示しています。再分配は経済的資源の平等な分配を目指し、承認は個々のアイデンティティや文化的特性への尊重を強調します。この議論は、特に哲学者ナンシー・フレイザーとアクセル・ホーネットの間で展開された論争で注目されています。
本論:
再分配主義者は、経済的不平等が社会的不公正の主な原因であると主張します。彼らによれば、資源の公平な分配が社会的機会の平等を保証し、全ての個人が自己実現を果たすための基盤を提供するとされます。一方で、承認のアプローチは、経済的な問題だけではなく、性別、人種、性的指向などのアイデンティティに基づく差別や偏見を解消することを重視します。承認論者は、文化的な差異を認め、尊重することが社会的連帯感と正義を促進すると考えています。
結論:
この二つのアプローチは、一見対立するものとして捉えられがちですが、多くの哲学者はこれらを補完的な戦略として組み合わせることの重要性を指摘しています。実際の社会問題に対処するためには、経済的再分配だけでなく、社会的承認も同時に進める必要があるという見解が広まっています。この統合的なアプローチにより、より公平で包摂的な社会を実現する道が開かれるのです。
SES→アイデンティティ→行動の因果を考える
自分のSES(社会経済的地位:ジェンダー・職業・階層・学歴・世代・年齢など)が自分のアイデンティティに与えている影響について考えてみる。
SESのそれぞれの項目や項目間の関係について理解度・解像度を上げるためにどうしたらいいか考えてみる。
SESがアイデンティティに与える影響を量的・質的に検証するにはどうしたらいいか考えてみる。
自分のアイデンティティが自分の政治的・経済的・社会的行動に与える影響について考えてみる。
アイデンティティが政治的・経済的・社会的行動に与える影響を量的・質的に検証するにはどうしたらいいか考えてみる。
そもそも論として「SES→アイデンティティ→行動」という因果関係を想定して検証することの利点や限界を考えてみる。