最終更新 2018/7/17
“Negative Royalty in Duopoly and Definition of License Fee: General Demand and Cost Functions”, with Yasuhito Tanaka, International Journal of Business and Economics.
モデル:Outside Innovatorと複占市場、Negative Royalty
概要:新技術保有企業から新技術購入企業に対して、新技術購入企業が生産を増やす毎に一定額を支払うNegative Royaltyの存在が指摘されている(Liao and Sen, 2005, The Manchester School)。先行研究の線形の需要関数と費用関数を拡張し、一般的な需要関数と費用関数を用いた分析を行った。生産される財が戦略的代替の関係にある時、Royaltyは必ず負になる。また、生産される財が戦略的補完の関係にあり、参入の脅し戦略が行われる場合、Royaltyは必ず正になることが示された。
4. “License or entry with vertical differentiation in duopoly”, with Yasuhito Tanaka, Economics and Business Letters, 2016
モデル:Outside Innovatorと独占市場、プロダクトイノベーション、License or entry
概要:高品質な財を生産出来るプロダクトイノベーション技術を保有している外部企業と、独占市場を考える。外部企業は独占市場に参入するか、独占企業へのライセンスによってライセンス料を得るか、参入とライセンスの両方を行うかを選択出来るものとする。限界費用一定の場合はライセンシングのみを行う戦略が最適になる。限界費用逓増の場合は、ライセンシングのみ、または参入かつライセンシングを行う戦略が最適になる。
8. “License or Entry in Duopoly with Quality Improving Innovation: AlternativeDefinitions of License Fee”, with Yasuhito Tanaka, Journal of Economics and Management, 2017
モデル:製品水準の内生的決定、複占市場、クールノーとベルトラン
概要:高品質な財を生産出来るプロダクトイノベーション技術を持つ外部企業とある独占市場を考える。外部企業は独占市場に参入するか、独占企業へライセンスするか、参入とライセンシングの両方を行うかを選択出来るものとする。製品の品質は企業が内生的に選択出来るモデルを使い、クールノー均衡とベルトラン均衡を導出した。ベルトラン均衡において参入のみを行う戦略が最適になることを示した。
12. “License and Entry Strategies for an Outside Innovator Under Duopoly”, with Yasuhito Tanaka, Italian Economic Journal, 2018
モデル:Outside innovatorと独占市場、限界費用一定と限界費用逓増、ナッシュ交渉解
概要:生産費用を下げる新技術を持つ外部企業と、独占市場を考える。外部企業は、独占市場へ参入、独占企業へ新技術をライセンス、参入かつライセンスの3戦略をとれるとする。限界費用一定の場合、独占企業へのライセンス戦略が最適となり、限界費用逓増の場合、新技術の費用低下が大きいとライセンスのみ、新技術の費用低下が小さいと参入かつライセンス戦略が最適となる。
10. “License and Entry Decisions for a Firm with a Cost Advantage in an International Duopoly under Convex Cost Functions”, with Yasuhito Tanaka, Journal of Economics and Management, 2018
モデル:国際モデル、限界費用逓増
概要:外国企業と国内の独占市場を考える。外国企業は生産費用の低い新技術を保有し、国内独占市場へ参入、新技術を国内独占企業へライセンス、ライセンスかつ参入するという3つの戦略をとることが出来る。限界費用が逓増する場合、外国市場と国内市場の相対的な大きさが外国企業の最適戦略に影響を与える。外国市場が小さい場合、ライセンスかつ参入戦略が最適になり、外国市場が大きい場合、ライセンスのみを行う戦略が最適になる。
11. “Vertical differentiation in oligopoly and license fees when outside innovatorcan enter the market: Two-step auction”, with Yasuhito Tanaka, Metroeconomica.
モデル:Outside Innovatorと複占市場、プロダクトイノベーション、License or entry
概要:高品質な財を生産出来る新技術を持つ外部企業と、複占市場において、新技術を持つ外部企業の戦略を分析した。外部企業は、複占市場に参入する、1社または2社へ新技術をライセンスする、参入してライセンスする、という3つの戦略を持つとする。外部企業の最適戦略は、小さな新技術の下で2社ライセンスかつ参入戦略が最適となる。大きな新技術の下では、2社の複占企業へライセンスし、参入しない戦略が最適となる。
“License and entry strategies for an outside innovator under duopoly with combination of royalty and fixed fee”, with Yasuhito Tanaka, Journal of Industry, Competition and Trade.
モデル:Royalty and Fixed Fee、License or entry、一般的な需要関数と費用関数
概要:生産費用の低い新技術を持つ外部企業と、独占市場を考える。外部企業は独占市場へ参入、独占企業へ新技術をライセンス、参入かつライセンスの3戦略をとることが出来る。分析には一般的な需要関数、concaveとconvexの費用関数を用いた。費用関数がconcaveの場合、独占市場への参入戦略と独占企業へのライセンス戦略が等しく最適になる。費用関数がconvexの場合、独占市場への参入かつ独占企業へのライセンス戦略が最適になる。
2. “Subsidy or tax policy for new technology adoption in duopoly with quadratic and linear cost functions”, with Yasuhito Tanaka, Economics Bulletin, 2015
モデル:複占市場、同質財、限界費用一定と限界費用逓増
概要:企業の新技術導入行動に対する最適な経済政策と、費用関数の形状の関係を分析した。費用関数が線形で限界費用一定の場合、企業の新技術導入インセンティブが社会的に過少または過剰であり、企業の新技術導入に対して補助金や課税を行うことが望ましい。一方、費用関数が二次関数で限界費用逓増の場合は、補助金政策が望ましいケースは存在するが、課税政策が望ましいケースは存在しないことが示された。
3. “Subsidizing New Technology Adoption in a Stackelberg Duopoly: Cases of Substitutes and Complements”, with Yasuhito Tanaka, Italian Economic Journal, 2016
モデル:Stackelberg複占市場、代替財と補完財
概要:市場にリーダーが存在するStackelberg複占市場において、企業の新技術導入行動に対する社会的に望ましい政府の経済政策を分析した。企業が対称的なクールノー市場では、全企業に平等な政策によって社会的に望ましい状態を達成出来る。一方、市場にリーダーが存在する場合、リーダー企業の新技術導入に対してのみ補助金を与えて優遇する差別的な経済政策が社会的に望ましくなる可能性を示した。フォロワー企業に差別的な補助金を与える必要な無いことも示している。
5. “Taxation or subsidization policy for new technology adoption in oligopoly”, with Yasuhito Tanaka, International Journal of Business and Economics, 2016
モデル:同質財寡占市場
概要:寡占市場における企業数と、企業の新技術導入行動に対する政府の望ましい経済政策の関係を分析した。企業数が少なく、新技術の導入費用が大きい場合には、補助金政策によって企業の新技術導入を促すことが社会的に望ましい可能性がある。一方、企業数が多い、または、新技術の導入費用が小さい場合には、課税政策によって企業の新技術導入を抑制することが社会的に望ましい可能性が高いことを示した。
7. “Competitiveness and subsidy or tax policy for new technology adoption in duopoly”, with Yasuhito Tanaka, Global Economic Review, 2017
モデル:同質財複占市場、相対利潤
概要:複占市場における競争の激しさと、企業の新技術導入に対する最適な政策の関係について分析した。競争の激しさは、自社利潤とライバル企業の利潤の差を考慮する割合によって表すことが出来る。市場の競争が穏やか、または非常に激しい場合、企業の新技術導入インセンティブは社会的に過剰になるため、新技術導入に課税することが望ましい。一方、市場の競争が中程度の場合は、新技術導入に補助金を出すことが望ましいことが示された。
1. “Incentive for adoption of new technology in duopoly under absolute and relative profit maximization”, with Yasuhito Tanaka, Economics Bulletin, 2014
モデル:複占市場、差別化財
概要:企業の競争的行動(相対利潤最大化(*))が企業の新技術導入インセンティブに与える影響を分析した。市場の競争の激しさと企業の技術進歩の関係は、多様な分析結果が存在する。今回のモデル分析では、企業の競争的行動が新技術導入インセンティブを高めることを示した。
(*)相対利潤最大化は、ライバル企業の利潤と自社利潤の差を最大化する企業の行動である。進化ゲームのある分析では、相対利潤最大化が企業の最適戦略になる。
6. “Subsidy for New Technology Adoption in Duopoly with Differentiated Goods underAbsolute and Relative Profit Maximization”, with Yasuhito Tanaka, Journal of Economics Library, 2016
モデル:複占市場、差別化財、相対利潤、補完財と代替財
概要:通常の利潤最大化と、進化ゲームにおいて均衡となる相対利潤最大化において、企業の新技術導入行動に対する政府の望ましい経済政策を分析した。補完財も含めた複占市場においては、政府は新技術導入に対して補助金を行うことが望ましいことが示された。また、相対利潤最大化において代替財が生産される場合、1社にのみ補助金を与える差別的な政策が社会的に望ましい状態が存在する。
9. “Competitiveness of firm behavior and public policy for new technology adoptionin an oligopoly”, with Yasuhito Tanaka, Journal of Industry, Competition and Trade, 2017
モデル:寡占市場、相対利潤
概要:企業の新技術導入インセンティブと社会的に望ましい経済政策を分析した。競争が中程度の場合に新技術の導入が活発になり、それ以外は低調になるという結果を得た。こうした結論は応募者の知る限り理論研究では示されていない。経済政策に関しては、企業の新技術導入に対して補助金(課税)が望ましい可能性が高いのは、新技術の導入費用が大きい(小さい)場合、または、企業の競争が激しい(緩やかな)時であることが示された。