デジタル授業など

デジタル授業など


1月末から授業が始まりました。パンデミックの状況により政府・自治体の指針が安定せず、それを受けて授業はオンラインになったり、要件を満たせば限定的に実習が許されたりしていました。3月20日現在は、ほぼ例外なくオンラインです。教員も学生も右往左往していますが、デジタル授業は試行錯誤を重ねて少しずつうまく行っているのではないかと思います。


先日、センター長から「授業について話がある」と言われ、まさか早くも学生から苦情が来てクビになるだろうかと思って非常に緊張したのですが、秋学期の授業をリニューアルして受け持ってほしいということでした。テニュア(終身雇用+准教授への昇格)取得の要件として、本年度はベテラン教授と共同運営し、来年度に引き継いでコースの責任者になるという予定です。新任の研究者を育成しようというサポート体制がとても頼もしく、期待にぜひ応えなければと思います。


授業ですが、大学院生向けで実践的であることも相まってか、現在受け持っているものも、秋学期に受け持つものも、コース責任者がすべての回に渡って話し続けるというわけではありません。植物学、タンパク質、ゲノム編集、微生物学の専門家など多彩な講師(博士課程学生のこともある)を呼んできて講義・実演をしてもらったり、実習を入れたりすることで幅をもたせ、変化をつけるようです。



テニュアトラック制と研究環境


ところで、5年後に昇格審査を受ける「テニュアトラック」という新しいシステムは、まだこの大学の中にしっかり組み込まれておらず、時々不具合も起きます。そろそろノルウェー語の勉強を真剣に始めようかと、学内で職員無形に開催されるノルウェー語教室に連絡したところ、「終身雇用職員」のみが優先的に授業を受けられるが、私の職位ではそこに含まれないという返事が返ってきました。


しかし、そのことを聞いた学部長が驚いてノルウェー語講座へ連絡を入れてくれたらしく、すぐにテニュアトラック教員も「終身雇用職員」の枠で優先されることになりました(ちなみに学部長は女性です。私が所属する生物科学部の他に、科学技術学部、化学部、環境学部、経済学部、獣医学部、社会学部の計7つの学部がありますが、うち4学部の学部長が女性です)。このフットワークの軽さとシステムの柔軟さには驚かされ、眼を見張るばかりです。また、組織一人ひとりの成員がとても尊重されていることを感じます。ありがたいことです。


研究者で構成される労働組合などもあり、労働者の権利が強く、博士課程学生の給料が高かったり(600万弱)、大学院生やポスドク(多くの場合短期雇用の、博士号取得直後の若手研究員)も子供を産んだりできるような、かなりよい労働環境が整えられつつあるように見受けられます。




引越しの後始末など


2020年にニューヨーク→シカゴ→ノルウェーと3回も引っ越してしまったので、アメリカの確定申告がなかなか煩雑でした。引っ越しに際して様々な手続きが生じましたが、どうにもうまく行かないものも多く、まだ終わっていない(半ば諦めかけている)ものもあります。


アメリカで契約していた携帯電話会社なのですが、引っ越すので契約を止めると言ったにもかかわらず引き落としが続いており、返金をすると言われたのですが待てど暮らせどこず、何度も電話をし直して、どうやら誤った返金手続きがされていることがわかり、修正したという連絡が昨年末に来たのですが、まだ返金されていません。5000円くらいなので、もういいかなという気にもなりつつあります。何度も何度も電話をかけ、「引き落とされないようにしました」「返金手続きをしました」と言われ安心しても結局引き落とされていたり、返金が来なかったり、ということが半年ほども続いています。電話のたびに言うことが変わるそれぞれの担当者に、一から状況を説明して、身分証明のための様々な情報を口頭で伝え、「また掛け直します」と言われ、いつ来るかわからない電話を(何時頃になるかと聞いても答えてくれない)時差のためにこちらの深夜まで待っていなければならなかったり、かなり精神力を削られます。


また、アメリカの銀行ともやりとりをしているのですが、こちらは似たような状況に加え、何度かけても非常に音質が悪く、古い映画かレコードを聞いているように、酷いノイズの入ったロボットのような歪んだ音声がかすかに聞こえるばかりで、これはもはや英語力どうのという問題ではなく、冗談のような試練です。なお、日本の年金をノルウェーのクレジットカードで払えるように変更するべく、何度か日本年金機構に問い合わせの電話をかけましたが、こちらの音質は問題なく通話できました。向こう側にどう聞こえているのかはわからないのですが、こんなに通話が困難なら、なにかセキュリティの強いウェブ通話・ビデオ通話システムで、カード番号や身分証明書などを画像で提示できたらいいのにと思います。



ノルウェーに来る際に、ある欧州の航空会社で2020年9月に航空券を購入したのですが、渡航前にキャンセルになってしまいました。航空会社から代理店を通さずに買ったのですが、航空券代を返金するという連絡は来たものの、待てど暮らせど返金が来ませんでした。twitterには返金を待つ乗客たちが、歯を剥き出した絵文字や鬼の絵文字とともに怒りのメッセージを書き込んで、阿鼻叫喚でした。これがつい先日、6ヶ月後になってようやく返金されました。航空会社も混乱を極めているのだとは思いますが……。

(3.20.2021)

スーパーマーケットの脇で。

仕事場の裏に馬がいるのを発見しました。

春らしくなりつつあります。もうすぐポスク(イースター)です。