ごみ捨て当番

・年に数回回ってくるごみ捨て当番をしました。二人一組で。当番は、学生も教授も、事務員にも平等に回ってきます。もともと週に二回しかお掃除の人が来てくれないのですが、それよりも速いペースで実験室ごみ(ダンボール、プラスチックなど)が溜まるので、ごみ捨てをどうしようかという議論が数年前にあったようです。お掃除の人に毎日来てもらおうとしたところ、それはできなかったということで、研究所員が分担することになりました。

 しかし、交渉上手な人がいたようで、「我々の労働の対価がほしい」といって、研究所にゴミ捨て分の報酬が支払われることになりました。そこで得られたお金はセミナー旅行、クリスマスパーティなどに使われています。



・さて、私達のオフィスがある生物科学部の建物の入口に、古い(少なくとも1960年代のものらしい)教授の大きな肖像画が3つかかっていました。しかし、男性教授ばかりがハイライトされるような時代のものが掲示されていることに違和感があったので、現在の学部長(女性)の肖像画などを追加するのはどうかと教員会議でコメントしました。すると、そのままそのコメントが学科長会議に持っていかれたようで、なんとしばらく後に肖像画がすべて撤去されていて驚きました。そのうち何か、違う絵が飾られるのかもしれません。学生の集合写真がいいとか、人物でない絵がいいとか、研究対象に関係する絵がいいとか、いろいろな意見が出ていました。


・町や大学はわりと通常営業になってきたように思います。地域のお祭なども開催され始めています。オスロにオペラを見に行こうと思ったのですが、ストライキが起きてしまい、結局予定されていた演目は上演されることなく流れてしまいました。日本にいたときは、舞台公演がストライキで中止になるということを経験したことがなかったので驚きました。


・ノルウェー語の夜間学校に行き始めました。仕事は基本的に英語でできるのですが、たまに「研究内容をわかりやすいノルウェー語で説明してください」などと無理なことを言われることがあります。大概同僚に助けてもらうのですが、ある程度はノルウェー語を習得したいものです。

 昼働いて、夜学校に行ってと時間を取られるので肉体的には非常に疲れますが、今の所大量の宿題が出るようなことはなく、そこまで大変ではないです。また講師の先生も、こちらが教員であるので、ある程度の共感を持って接してくれている感じがあります。ノルウェーでは永住権取得が(弁護士を雇うのが一般的な米国と比べると)比較的容易(ノルウェーに3年以上住み、自立できるくらいの収入があり、ノルウェー語やノルウェー文化の試験に合格すればよい)なのですが、博士課程学生などでもすでに永住権取得に向けて動いている人がいて、驚いています。永住権を得るまでは毎年ビザ更新料(8万円くらい)を取られるので、永住権獲得の良いモチベーションにはなります。


・9月にはセミナー旅行で、30人超の研究所員が集まって、博士課程学生を中心に研究内容を紹介しあい、議論しました。「研究室主宰者と同程度に優秀な学生が来るようなことはまずない」ということを何人かに言われましたが、今の所、私が指導している博士課程学生たちは、新しいことを習得していく点など、私より遥かに優秀に見えます。解析技術や、教育方法がどんどん進歩しているというのもあるのかもしれないですが。人事や指導、共同研究について学ぶことも多くありますが、学生・同僚に敬意を持ちつつ、お互いの想定や期待が食い違わないようにすり合わせながら、お互い幸せになれるようなよい研究をしていきたいです。(10.17.2021)