研究内容

量子情報と磁気共鳴(NMR、ESR、MRI)を研究しています。

2017年までの研究については、コチラ(生産と技術2017年第69巻第3号に投稿)にまとめたものもあります。

以下の研究を私と一緒にしてみたいと思った学生や企業の方は、是非下記問い合わせ先にご連絡ください。

●量子情報

・超伝導量子ビットを制御するためのマイクロ波装置の開発

超伝導量子ビットや電子スピン量子ビットは数GHzから20GHzのマイクロ波パルスによって制御します。

安価でコンパクトな自由度の高いマイクロ波装置の開発と、実際に量子ビットを制御する実験を行っています。

参画プロジェクト:内閣府ムーンショット目標6誤り耐性型汎用量子コンピュータ「超伝導量子回路の集積化技術の開発

JST共創の場形成支援「量子ソフトウェア研究拠点

関連業績:arxiv1911.04314 , https://meetings.aps.org/Meeting/MAR22/Session/B35.7

・NMRを用いた量子機械学習の実装

量子機械学習とは、量子コンピュータを用いた機械学習のことです。

近未来の量子デバイスでも動くアルゴリズムとして、量子回路学習、量子エクストリーム学習、

量子レザバー計算、量子カーネル学習などのアルゴリズムが考えられています。

分子中の核スピンを量子ビットとするNMR量子コンピュータでの実装を研究しています。

スライドはコチラ

関連業績:arxiv1911.12021 , arxiv1806.10910

●磁気共鳴

・光励起三重項電子を用いた動的核偏極(トリプレットDNP)

核スピンは通常向きがバラバラで、それがNMRやMRIの感度が低い原因になっています。

低温を使えば向きを揃えることができますが、そのための装置は大掛かりなものになります。

試料に光を当て、電子スピンの向きが揃った光励起三重項状態を作り出し、

それを核スピンへと転写するトリプレットDNP法では室温で向きを揃えることができます。

2014年にこの方法で室温固体中で34%の偏極率(向きが揃っている割合)を達成しました。

より高い偏極率の達成、様々な分子への適用について研究しています。

関連業績:Proc. Natl. Acad. Sci. USA 2014

・室温溶解トリプレットDNPの創薬NMRやMRI医療診断への応用

トリプレットDNPによって室温で核スピンの向きを揃えた試料をお湯で溶解することで、

高偏極状態の液体を作る室温溶解トリプレットDNP技術を開発しました。

NMR信号やMRIの感度は偏極率に比例しますので、この液体は超高感度な測定が可能です。

これを、創薬やがん治療効果判定などの医療診断に応用する研究を行っています。

参画するCRESTプロジェクト代表の北川教授による解説動画はコチラ

参画プロジェクト:文科省QLEAP「量子生命技術の創成と医学・生命科学の革新

・量子符号化を用いた量子センシング

センサとして制御された量子ビットを用いる計測法を量子センシングと呼びます。

2量子ビット以上では、状態を符号化して量子もつれ状態にすることで、

測りたい量に敏感にしたり、測りたくない量に鈍感にしたりすることができます。

量子符号化された核スピンによる量子センシングの応用を研究しています。

関連業績:arxiv1908.08699

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文理融合型研究棟705号室

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