粘り着け式以外の食虫植物は、その捕虫葉形態や運動能力が獲物の捕獲に大きな役割を果たす。被子植物の葉は通常、光合成に適した扁平な形をしている。その一方、落とし穴式食虫植物フクロユキノシタCephalotus follicularisに目を向けると、まず形が壺状で、口元にある歯、口元まで虫を誘導する突起(キール)、蓋、分泌腺、果てはネズミ返しまで備えている。平らな葉から進化したはずであるが、いったいどこをどう変化させればこのような複雑な形態が出来上がるのであろうか。
落とし穴式(pitfall trap)以外にも、ハエトリソウ属の挟み込み式(snap trap)、タヌキモ属の吸い込み式(suction trap)、ゲンリセア属のウナギ籠式(eel trap)など、様々な捕虫様式があり、それによって捕虫葉形態は大きく異なる。
福島健児, 長谷部光泰. 2014. 食虫植物はどのような遺伝的変化によって進化したのか?. 細胞工学 33(1): 96-100 より一部引用