下の図では、ELF (enzyme labelled fluorescence)法によって細胞内フォスファターゼ活性を蛍光で検出している。ここから分かる通り、食虫植物の腺細胞は高いフォスファターゼ活性を示す(Płachno et al., 2006)。ここで検出しているのは細胞内のフォスファターゼ活性なので、消化に寄与しているとしたらエンドサイトーシスによるリン酸化合物吸収後であろう。しかし、使用している試薬が腺細胞特異的に吸収されているため腺細胞のみ光って見えるという可能性は排除できていないので、結果は慎重に解釈すべきである。
Płachno et al. (2006)から引用
本論文では上図に載っている種以外でも同様の実験が行われており、結果は下図にまとめられている。
Płachno et al. (2006)から引用
アメリカモウセンゴケ(Drosera capillaris)では、キイロショウジョウバエを与えてから24時間のうちにフォスファターゼ活性が誘導される(下図:Pavlovič et al., 2014)。少なくともこの著者らの実験条件下では、アメリカモウセンゴケはリン制限の状態にある。さらに、窒素よりもリンの方が吸収効率がよいらしく、餌を与えるとN:P比が徐々に下がっていく(Pavlovič et al., 2014)。これに対して、phosphodiesterase活性は粘液から検出されなかった。
Pavlovič et al. (2014)から引用
Płachno, B.J., Adamec, L., Lichtscheidl, I.K., Peroutka, M., Adlassnig, W., and Vrba, J. (2006). Fluorescence labelling of phosphatase activity in digestive glands of carnivorous plants. Plant Biol. (Stuttg). 8: 813–20.
Pavlovič, A., Krausko, M., Libiaková, M., and Adamec, L. (2014). Feeding on prey increases photosynthetic efficiency in the carnivorous sundew Drosera capensis. Ann. Bot. 113: 69–78.