一部の作物を育てる際に、土壌に不足する栄養素を葉の表面、特に気孔から吸収させる栽培方法(葉面散布)がある。食虫植物のように消化吸収に特化した組織を持っていなくとも、植物の葉は栄養吸収の能力を備えているのである。
アリ植物は、棲家や蜜を提供する代わりに、他の昆虫からの食害を防いでもらうことで、アリと共生している。昆虫と共生関係を結んでいる点で食虫植物とは異なるが、実は巣の中で死んだアリから栄養を吸収している。吸収経路は不明である。
土壌中には多量のタンパク質が含まれるが、植物はこれを他の生物(菌根菌など)に頼らず利用することができる。Paungfoo-Lonhienne et al. (2008)は、無菌的に培養したHakea actitesとArabidopsis thalianaにタンパク質(Bovine serum albumin)を与え、根の窒素含量や乾燥重量が増加することを発見した(下図)。本論文の著者らは、吸収経路の仮説として、(1)根から分泌されるプロテアーゼによる分解とトランスポーターによる.低分子の吸収、(2)エンドサイトーシスによる高分子の吸収、を挙げている。
Paungfoo-Lonhienne et al. (2008)から引用
Paungfoo-Lonhienne, C., Lonhienne, T.G.A., Rentsch, D., Robinson, N., Christie, M., Webb, R.I., Gamage, H.K., Carroll, B.J., Schenk, P.M., and Schmidt, S. (2008). Plants can use protein as a nitrogen source without assistance from other organisms. Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A. 105: 4524–9.