私たちと鳥肌
皆さんは、鳥肌が立つ経験をお持ちでしょうか?そして、それはどんなときでしょうか?
寒い環境にいるときや怖い思いをしたとき、多くの方が鳥肌を体験したことがあるのではないでしょうか。
中には感動したときに鳥肌が立つのを経験される方もいるかもしれません。
特に、恐怖や感動のように、感情的な体験をしたときの鳥肌にはまだ未解明な部分が数多くあります。
この研究は、そんな感情体験時の鳥肌について詳しく解明していくことを目的にしています。
・鳥肌はどのようにして起こる?
身体の表面にある立毛筋が収縮することによって、毛穴周辺の皮膚が隆起して起こります。
立毛筋は自分の意志では動かすことのできない不随意筋(平滑筋)で、自律神経の一つである交感神経によってその活動が制御されています。
鳥肌が生じた状態の皮膚の様子
(普通の状態と鳥肌の状態が切り替わるアニメーション)
・どんなときに起こる?
まず、寒いときに起きます。動物では毛を立てることで皮膚周辺に空気を保持し、断熱効果を得ています。
(人間は体毛が退化しているので効果はあまり期待できませんが・・・)
それと、怖いときや感動したときなど、強い感情体験をしたときに起きます。
このような感情反応としての鳥肌は、動物が身の危険を感じたときに毛を逆立てる防衛反応を受け継いだものと考えられています。
(毛皮を逆立てると体を大きく見せることができ、敵に攻撃を思いとどまらせることにつながる)
一方で、感動したときのようにポジティブな感情体験でなぜ鳥肌が起きるのかについては、その理由やメカニズムがまだよくわかっていません。
・鳥肌研究の難しさ
鳥肌はよく知られた感情反応でありながら、感情に伴う生理反応の中でも安定して再現することが難しいという特徴があります。
研究者は、過去の鳥肌の体験を尋ねたり、一定期間(一週間など)を区切って鳥肌が立ったときの報告をお願いしたり、
鳥肌ができるだけ立ちやすい刺激を用いて実験を行ったり、いろいろな工夫をして研究を進めています。
***研究へのお誘い***
鳥肌に自信のある方、研究にご興味のある方は、ぜひご協力ください!
「研究の難しさ」にも書いた通り、鳥肌の研究では再現性が大きな問題となります。
「どうすれば鳥肌が立ちやすいか」の工夫はもちろん、「鳥肌が立ちやすい方」のご協力をいただくことも研究の進展に大きな助けとなります。
例えば・・・
「いろんな状況で鳥肌が立ちやすくて困る」
「この音楽を聴くと/映画を観ると/etc・・・決まって鳥肌が立つのはなんで?」
「むしろ自分で自由に鳥肌が立てられちゃうんだけど・・・」
このような経験や特技をお持ちの方、ぜひご連絡ください!
連絡先
早稲田大学 片平建史
e-mail: katahira[a]waseda.jp
([a]を@に置き換えてください)