一球会とは

いわき市中学校野球一球会とは

一球会の発足

平成5年 春 いわき市中学校野球一球会は発足された。その背景には、そのころのいわき市から福島県大会の上位進出ができておらず、地区のレベルアップを図るため、以下のような話し合いがされた。

・他校との交流をより活発にし、競技力向上と顧問間の交流を図り、チームのレベルアップを図る。

・顧問間の交流を図ることにより、練習試合や合同練習会の機会を多くする。

・選手間の交流の機会を多くすることにより、お互いに切磋琢磨しあい、技術力を向上させる。

・山間部の学校にもより多くの試合を経験させること。

・技術の向上だけではなく、野球人としてのマナーや中学生として正しい行動を身につけさせること。

以上のようにいわき市における中学校野球の振興のため、中学校野球指導者のOBと現役指導者の有志が発起人となり、「いわき市中学校野球一球会」が発足された。

活動の発展

以来、毎年行われる春と秋の大会の開催や、審判講習会、総会の開催などにより競技力が年々向上し、発足以来、東北中体連大会に6回、7チームが出場し(平成17年現在)、念願の全国大会にも平成15年には江名中学校が、昭和61年の勿来第一中学校以来17年ぶりに出場を果たした。

また、平成13年には県内に先駆け、いわき市内の選抜チーム「いわき松風クラブ」を結成し、毎年横浜スタジアムで行われる全国少年野球大会への出場を目標に練習を重ね、平成14年には全国準優勝、平成15年には全国第3位と、着実にいわき市の中学校野球のレベルがあがっていることを証明している。

競技力の向上

なぜ、一球会という組織を結成し、各種活動をすることにより、このように競技力が向上してきたのか?

一番の要因は指導者どうしの交流にある。

強豪と呼ばれるチームには必ず勝つためのコツを知っている指導者が存在する。一球会としての活動を運営しているのは野球部の指導者やOBの指導者であり、会を運営していくためにコミュニケーションが不可欠になる。その中から強いチーム、いい選手を育てるためのノウハウを習得していくのである。作戦面や選手やチームの育成法などの話がいつも飛び交っているのが一球会である。退職されたOBの指導者も一球会の会員である。OBからも指導のあり方や育成のあり方をいつも教わっている。

このように、新しい指導の考え方から、昔から変わらない不易の指導のあり方まで学べる場が一球会なのである。

次に大きな要因は保護者会のあり方である。

中学校野球は教育の場でもある。優勝が勝者ではないときもある。選手の将来を考えて指導者は日々練習に励んでいるが、そこに保護者との溝が生まれるときがある。本当の勝利をつかみ取るためには選手・指導者・保護者が三位一体になる必要性があるが、保護者との関係を保つことは、特に野球では容易ではない。

そこで、一球会では保護者会を会員に迎えることで中学校野球への理解を深める努力も続けている。そのことにより、教育の延長上に勝利があることを大人が理解し、選手育成の共通理解を図っている。

第3に全国の有名指導者の講演や市内高校指導者による講習会の開催である。

毎年総会時に講演会を催しているが、全国の有名指導者に講演や講習会を依頼し、指導者の指導力向上を図っている。直接お会いすることにより、野球に対する考え方や指導者としてのあり方を学び取る絶好のチャンスである。

いわき市内の高校の指導者による選手対象の講習会も一球会発足当初から毎年行っている。選手に直接還元できる大きな機会でもある。

このように多くの交流を図ることにより、いわき市内の中学校野球の競技力向上を図ってきたのである。

これからの一球会

一球会発足後20年以上たつが、初期の目的は達成されつつある。しかし、これからも中学校野球に携わるすべての野球小僧の未来のために活動の場を広げ、活動の内容に深みを持たせていきたいと考えている。