プログラム

口頭発表

ポスターセッション

発表概要

11月5日(木)13:10-13:40

○五十嵐光(中央大 M2),礒島伸(法政大 准教授),竹村剛一(中央大 准教授)

『q差分エアリー方程式の一般解に対応する超離散パンルヴェII型方程式の特殊解』

q差分パンルヴェII型方程式(q-PII)を符号付き超離散化することで得られる符号付き超離散PIIのパラメータを含む特殊解を, q-PIIの行列式解から求める. 行列式の要素はq-Airy方程式を満たす必要があるが, 今回は新しくq-Airy方程式の特殊解q-Ai, q-Bi関数の線形結合を要素としたときの超離散解を求める.

11月5日(木)13:40-14:10

長尾秀人(明石工高専 助教)

『パデ補間によるq差分パンルヴェ方程式とその退化』

パデ補間の方法によって、非線形2階q差分方程式であるq差分パンルヴェ方程式E7型からA2+A1型までの時間発展方程式、ラックス形式、超幾何型特殊解を同時に構成した。また、それらの退化極限も構成した。本講演では、これらの結果について報告する。

11月5日(木)14:20-15:20

Alfred RAMANI(Ecole Polytechnique 教授,特別講演)

『Discrete Painlevé equations in the E8(1) affine Weyl group』

Discrete Painlev&eacute equations associated to E8(1) affine Weyl group, of whatever type (additive, multiplicative or elliptic) have been little studied. Only a few concrete examples were known. Using the new representation of discrete Painlev&eacute equations that we have called "the trihomographic form" we found quite a few new such equations. An interesting feature is that they present very varied periodicities, up and including the highest possible one, namely eight.

11月5日(木)15:30-16:00

○佐藤純(東京大 助教),西成活裕(東京大 教授)

『吸脱着つきASEPの緩和ダイナミクス』

ベーテ仮設で可解な吸脱着つきASEPを構成することに成功し,その緩和ダイナミクスをベーテ仮設によるスペクトルの解析で調べた.

11月5日(木)16:00-16:30

○神吉雅崇(東京大 特任助教),時弘哲治(東京大 教授),間瀬崇史(東京大 D3)

『拡張型Hietarinta-Viallet方程式の代数的エントロピー』

非可積分系であるが特異点閉じ込めテストに通る離散系として有名な、Hietarinta-Viallet方程式のある拡張形式を提案し、その複雑さの指標である代数的エントロピーを求める。互いに素条件との関係についても述べる。

11月5日(木)16:40-17:40

Basil GRAMMATICOS(Université de Paris VII&XI 教授,特別講演)

『Singularity Confinement: the inside story』

We present some recent developments which show how singularity confinement can be a sufficient discrete integrability criterion.

11月6日(金)10:00-10:30

上岡修平(京都大 助教)

『平面分割と離散二次元戸田分子』

組合せ論に現れる平面分割と、離散可積分系のひとつである離散二次元戸田分子との間の関係をみる。特に離散二次元戸田分子の特殊解から、大きさに制限のある平面分割の「良い」和公式が得られることを示す。

11月6日(金)10:30-11:00

角畠浩(富山大 講師)

『質量交換をする2粒子系の正準形式』

ソリトンを点粒子と見なした際の粒子系に対応する質量を交換する2粒子系の正準形式を論じる。

11月6日(金)11:10-12:10

斉木吉隆(一橋大 准教授,特別講演)

『多地域景気変動における同期現象』

同期現象は自然科学・社会科学を問わずしばしば観察され、これまでに様々な研究がなされてき た。本研究では地域景気変動を捉える代表的な指標である都道府県別鉱工業生産指数の月次データに対してクロスウェーブレッ ト解析を適用して県別時系列間の”距離”を測り、47都道府県間の同期レベルに時期による変遷が見られることを紹介する。次に、政府が公表する情報と それに基づく 生産者の予測を通じ て同質的な地域が大域的に相互連関する決定論的な数理モデル(多地域大域結合写像モデル) を紹介する。このモデルは、地域間の景気変動が”同期する状態”と”個別的に変動する状態”が間欠的に繰り返されるカオス的遍歴現象を生み出す。最後にこの種の現象の背後には、不安定次元の異なる構造(不安定周期軌道)の共存があることを明らかにする。

11月6日(金)13:30-14:00

丸野健一(早稲田大 准教授)

『3次元問題における自己適合移動格子スキーム』

ある種のソリトン方程式の解の構造を保存する離散化を行うことで得られた大変形問題のための数値計算法「自己適合移動格子スキーム」は、様々な2次元(平面)問題(1次元の非線形波動、平面内の曲線の運動)について有効であることが確かめられているが、3次元(空間)問題についてどのように自己適合移動格子スキームを構築するかは未だ不明である。本講演では自己適合移動格子スキームの3次元問題への拡張の試みについて報告する。特に、渦糸の運動(3次元空間曲線)を例にして、3次元問題での自己適合移動格子スキームの構築法について解説し、自己適合移動格子スキームを用いた数値計算例を紹介する。

11月6日(金)14:00-14:30

廣瀬三平(芝浦工大 特任講師),井ノ口順一(筑波大 教授),梶原健司(九州大 教授),○松浦望(福岡大 助教),太田泰広(神戸大 教授)

『渦糸方程式の離散化』

渦糸方程式は橋本変換によって非線形シュレディンガー (NLS) 方程式と等価であることが知られている。本講演では、離散NLS方程式にしたがって運動するような空間離散曲線の離散的変形を定式化し、その特徴について述べる。

11月6日(金)14:40-15:10

弓林司(首都大 客員研究員)

『不変周期点代数多様体の”成分”と再帰方程式の"基本領域"の双対性について』

本講演では、不変量で記述されたn周期点集合である不変n周期点代数多様体の"n周期的に振る舞う部分集合に依る分解"と、再帰方程式が定義する"空間の対称性の基本領域に依る分解"の間の双対性について与える。

11月6日(金)15:10-15:40

野邊厚(千葉大 准教授)

『Toda lattices, QRT maps, and cluster algebras』

QRT系,すなわち楕円曲線上の点の加法構造を通して,A(1)1型離散戸田格子とA(1)1$クラスター代数の関係を明らかにする.

11月7日(土)10:00-10:30

〇延東和茂(早稲田大 M2),高橋大輔(早稲田大 教授)

『確率粒子セルオートマトンの解析』

多粒子系の確率的な運動を表す確率粒子セルオートマトンについて,定常状態の相図である基本図の理論的な導出を試みる.その際,確率密度間に成り立つ複数の等式を連立させ,その連立非線形系を解くことによって基本図を導く.講演では,いくつかの具体的な確率粒子セルオートマトンについて,それら等式および得られた基本図の妥当性を数値実験と理論解析を交えながら検証した例を紹介する.

11月7日(土)10:30-11:00

○樽角政樹(龍谷大 M2),松木平淳太(龍谷大 教授)

『多値粒子セルオートマトンのMax-Min-Plus表示』

1次元3近傍3値粒子セルオートマトンについて議論する. いくつかのルールの発展方程式がMax-Min-Plus表示で表されることを示す. また, 得られた発展方程式と基本図の関係について考察する. オイラー・ラグランジュ対応についても議論する.

11月7日(土)11:10-11:40

金井政宏(東京大 特任研究員)

『ある交通流モデルを記述する微分差分方程式の楕円関数解について』

交通流の基本的なモデルで,今日では時間遅れ最適速度モデルと呼ばれる微分差分方程式の楕円解について考察する.現在までに位数2の楕円解は知られているが,今回はこれとは独立な3以上の位数の解が存在しないという予想を補強する.

11月7日(土)11:40-12:10

○赤岩香苗(京都大 PD),中村佳正(京都大 教授),岩崎雅史(京都府立大 准教授),堤久宜(同志社大 M2),吉田晃(同志社大 M2),近藤弘一(同志社大 教授)

『拡張型離散ハングリー戸田方程式に付随するTN行列の逆固有値問題について』

"本講演では、離散ハングリー戸田方程式のある種の拡張である拡張型離散ハングリー戸田方程式を導出し、 付随するTN行列の逆固有値問題に対して有限ステップ解法を提案する。 また、TN行列の逆固有値問題が現れる応用例についても触れる。"

11月7日(土)13:30-14:00

○川原田茜(静岡大 助教),宮路智行(明治大 特任講師),中野直人(JSTさきがけ/北海道大 さきがけ研究者)

『解析可能なセル・オートマトン構成法による偏微分方程式の模倣』

"偏微分方程式(PDE)を模倣するセル・オートマトン(CA)の新たな構成法を紹介する。 川原田・飯間はPDEの解データを統計処理してCAを構成する方法を提案しているが、 得られたCAと元のPDEとの関係を数学的に記述することが難しかった。 そこで本講演では解析可能なCA構成法を紹介する。"

11月7日(土)14:00-14:30

村田実貴生(東京農工大 講師)

『連立型反応拡散セル・オートマトン』

"多成分のセル・オートマトンの中で基本的と考えられるセル・オートマトンを定義し,その性質を報告する. 「連立型反応拡散セル・オートマトン」の最も簡単な場合は2つの変数が2つの状態のみを取るものであり,セルの状態が4つ(2×2)の状態しかないことから,ルールの種類が256種類(4の4乗)になる。ただし,その中には拡散度を表すパラメータが入っており,それを変えるごとに異なるセル・オートマトンになる.このセル・オートマトンはグレイ・スコットモデルのセル・オートマトン化やエレメンタリーセル・オートマトンと等価なものも含む."

11月7日(土)14:00-14:30

○林達也(東京大 D2),時弘哲治(東京大 教授),栗原裕基(東京大 教授),野村典正(東京医科歯科大 准教授),安田賢二(東京医科歯科大 教授)

『心筋細胞の同期現象に関する不応期をもつ積分発火モデル』

安田研究室で行われている心筋細胞の拍動同期実験を再現する数理モデルとして不応期をもつ積分発火モデルを提案した.本発表では, モデルの解説および, モデルによるシミュレーション結果と実験結果の比較検討をする.

11月7日(土)14:30-15:00

○間田潤(日本大 准教授),松家敬介(武蔵野大 講師),由良文孝(はこだて未来大 准教授),時弘哲治(東京大 教授),栗原裕基(東京大 教授)

『血管新生の数理モデルについて』

血管新生について、実験による血管内皮細胞の挙動の観測から、血管の伸長および分岐が血管の先端に存在する細胞の数と大きく関わっているという結果を得た。本講演では、その効果を取り入れた数理モデルを紹介するとともに、血管新生に関わる他の効果も取り入れたモデルについて提案する。

ポスター

○伊藤秀剛(東京大 M2),西成活裕(東京大 教授)

『米国ハブ空港における着陸・離陸のバースト性』

本研究では、米国のハブ空港の飛行機の離陸・着陸のバースト性(集中)について解析を行った。その結果、これは普遍的にバースト性を同じ強度の持つことが示された。また、そのバースト性の起源について考察を行った。

ポスター

○大森祥輔(早稲田大 D),山崎義弘(早稲田大 教授)

『反応拡散系に基づくCellular Automatonを用いた時空パターン形成』

ある一般化された反応拡散方程式から、連立超離散方程式を導出し、その方程式の性質及び解のCA化、そしてもとの反応拡散系との関係性を議論する。

ポスター

○齊藤昭洋(同志社大 M2),三木啓司(同志社大 助教)

『例外型直交多項式から導かれる出生死滅過程の拡張』

古典直交多項式の拡張として位置付けされる例外型Krawtchouk多項式が満たす漸化式について明らかにし、得られた結果に基づき出生死滅過程の拡張が導かれることを示す.

ポスター

新澤信彦(芝浦工業大 特任准教授)

『一般化双線形差分方程式の超離散化と、そのベックルンド変換』

離散BKP方程式はそのままでは超離散化できない。この研究では、その係数を一般化した一般的双線形差分方程式を超離散化し、そのベックルンド変換を構成する。求まったベックルンド変換を使って、簡単な解を求める。

ポスター

〇関口真基(荻窪高 教諭),石渡恵美子(東京理科大 教授)

『時間遅れをもつ超離散型SIS病理モデル』

感染症の伝搬を表す病理モデルは多く知られているが、免疫保持者を考慮しない、時間遅れを持つモデルの解の大域的性質はあまり解明されていない。そこで、超離散型モデルを導出し、解の極限挙動への時間遅れの影響を調べ、連続・離散・超離散型の関連性を示す。

ポスター

〇関口真基(荻窪高 教諭),石渡恵美子(東京理科大 教授),中田行彦(東京大 学振PD)

『超離散型ロジスティック方程式における時間遅れの影響』

時間遅れをもつ連続型ロジスティック方程式の解の不安定性は知られているが、不安定性と時間遅れとの関係性については、完全に理解されておらず、未だ課題が残っている。本発表では、超離散型ロジスティック方程式を提示し、時間遅れの大きさによる周期性などを、具体的な解の極限挙動を用いて明らかにする。

ポスター

高田直樹(芝浦工業大 大学院生)

『非可換複比と四元数複比』

複素数の複比、四元数複比は可積分系の理論において重要な役割を果たしている。今回は非可換行列式で定義された非可換複比と四元数複比の関係ならびに、関連研究を紹介する。

ポスター

○竹内弘史(東京理科大 M2),相原研輔(東京理科大 助教),福田亜希子(芝浦工業大 助教),石渡恵美子(東京理科大 教授)

『零固有値を持つ非対称帯行列に対するdhLVアルゴリズム』

離散ハングリーロトカ・ボルテラ (dhLV) 系に基づく非対称帯行列の固有値を計算するdhLVアルゴリズムが知られている。本発表では,dhLVアルゴリズムが対象とする行列の成分やサイズに関する制約を緩和する。これにより,零固有値をもつ場合にもアルゴリズムが適用可能となる。

ポスター

○中村拓人(同志社大 M1),松島正知(同志社大 助教)

『メダカの群れでみる非平衡ゆらぎモデル』

メダカが作る群れの遷移について,ある閉鎖水路を用いることにより解析を行った.その結果,群れは,徐々にしか大きくならないが,ある程度大きな群れになると急減するといった,非対称な状態遷移の循環流を発見した.また.この“詳細釣り合いの破れ”の定量的な解析より,数理モデルの構築を行った.

ポスター

○永原新(早稲田大 M2),丸野健一(早稲田大 准教授)

『Davey-Stewartson方程式のソリトン相互作用』

近年、浅水波を記述するKadomtsev-Petviashvili(KP)方程式の線ソリトン相互作用の詳細な解析がなされ、二次元のソリトンダイナミックスの数理的からくりが明らかとなってきた。二次元有限水深重力波を記述する Davey-Stewartson(DS)方程式においても同様の解析ができると期待されるが、これまでDS方程式においてそのような解析は十分にはなされていない。また、DS方程式の数値的研究もランプ解やドローミオン解などの局在波についてのみいくつかある状況である。DS方程式はより多くのパラメーターを含み、状況によって偏微分方程式の型が変わるため多様な解が存在する。したがってDS方程式の様々な解のダイナミックスを解明することは非常に重要である。本講演では主にDSⅡ方程式(双曲ー楕円型)の線ソリトン相互作用について理論(厳密解を用いた計算)と数値計算(split-step Fourier法)を用いた詳しい解析を報告する。

ポスター

○新嶋健吾(法政大 卒),礒島伸(法政大 准教授)

『正八面体展開図の再折りによる凸多面体の構成について』

計算折り紙の分野で,「与えられた多角形からどんな多面体を折ることができるか」という問題がある.本発表では,正八面体の辺展開図のうちの7種類から折ることのできる全ての凸多面体を求め,分類する.

ポスター

庭田省吾(芝浦工業大 大学院生)

『コストカ多項式, コストカ数とα行列式』

マクドナルド多項式を規格化した対称関数J_μのシューア関数S_λによる展開係数として2変数コストカ多項式K_λμ(q, t)が現れる. あるコストカ数K_λμ(0, 1)はα行列式を用いて表せることが知られている. これらの関係性について調べる.

ポスター

野口弘輔(芝浦工業大 M2)

『mKdV方程式と一般化ヤコビ楕円関数』

mKdV方程式の特殊解が,ヤコビ楕円関数を用いて書き表せることが知られている.本ポスター発表では,mKdV方程式を一般化し,その解を一般化ヤコビ楕円関数を用いて書き表したものを発表する.