※2026年度募集用 (2025/12/22更新)
概要
本演習は、約2年間の学習を通じて、履修者が計量分析を用いた政治に関する実証的な研究を行い、卒業論文を執筆することを目的としている。政治に関する実証的な研究とは、「どのような政治現象が起きているのか?」「それはなぜか?」といった問い/リサーチクエスチョン (e.g., 女性候補者は男性候補者と比べて選挙において不利なのか?なぜ多くの先進民主主義国において、急進右派政党が支持を伸ばしているのか?) に対して、データを用いて答えるスタイルの研究を指す。
そのための準備の一環として、本演習では、実証政治学の知識や基礎的なデータ分析の知識・スキルを身に付けることを目的として、テキストや学術論文の輪読を行う。輪読で扱う文献には、日本語で書かれた論文や書籍だけでなく、英語で書かれたものも含まれる。これらのトレーニングを通じて、参加者が卒業論文執筆に必要な、実証政治学の先行研究に関する知識やデータ分析のスキル、実証論文を速くかつ正確に読む力を身に付けることを目指す。
授業内容
・3年次
データ分析手法の基礎を身につけることを主な目標とし、テキストの輪読を行う。具体的には、(i) 様々なデータ分析手法の背後にある統計学の基礎について身につけること、(ii) データの前処理や回帰分析などを、プログラミング言語R (ないしはPython) を用いて実行できるようになること、を目指す。また、データ分析に関する学習と並行して、実証政治学に関するテキストや、学術論文の輪読も行う。さらに、秋冬学期には、翌年度の卒業論文執筆に向けて、研究計画を立てる。
・4年次
卒業論文に関する研究の進捗報告と、文献の輪読を並行して行う。研究の進捗報告は、春夏学期は3-4週に1回ペース、秋冬学期は2週に1回のペースで行う予定。輪読する文献は、参加者の興味関心に合わせて選定する。
テキスト
以下に、2026年度の演習で用いることを検討しているテキストの例を挙げる。
【政治学の知識に関するテキスト】
浅古泰史・善教将大. 2025.『数理とデータで読み解く日本政治』日本評論社.
飯田健・松林哲也・大村華子. 2025.『政治行動論:有権者は政治を動かせるのか 新版』有斐閣.
善教将大編. 2025.『政治意識研究の最前線』法律文化社.
【データ分析手法に関するテキスト】
マイケル・ベイリー. 2026.『社会科学のための統計分析入門:リサーチにすぐ使える統計テクニック (上)(下)』勁草書房.
2026年1月刊行予定
エレーナ・ローデ、今井耕介. 2025.『新・社会科学のためのデータ分析入門 導入編』岩波書店.
今井耕介. 2018.『社会科学のためのデータ分析入門(上)(下)』岩波書店.
授業外学習について
課題文献がある場合には、内容の要約や疑問点などをまとめた文書の提出を求めるので、事前に全て読んでおくこと。発表の担当者は、事前に報告資料の作成も必要になる。また、データ分析手法に関するテキストを輪読する際には、プログラミングに関する練習課題を適宜出す。
履修上の注意・その他
扱う内容の性質上、3年生の演習と4年生の演習は別々に行います。
データ分析や論文読解のスキルは、時間をかけただけ上達します。学期中の予習や復習はもちろん、学期間の休暇中にも学習や研究に積極的に取り組める、意欲の高い学生の参加を歓迎します。
なお、本演習では、DataCamp Classroomを利用し、参加者が自発的にデータ分析やプログラミングのスキルを身につけ、上達させるための環境を提供します。
履修開始時点で、数学やプログラミングが得意である必要はありません。ただし、扱うトピックの性質上、数学やプログラミングから逃げない姿勢 (覚悟) は必要です。
卒業論文のテーマについては、計量分析を用いるものであれば、制約は設けません。ただし、ゼミ選考において選抜が必要になった際には、政治行動論、政治心理学、政治コミュニケーション、日本政治、アメリカ政治のいずれかに関心のある学生を優先します。
人種や国籍、性別などの属性に基づく差別的な言動は、一切許容されません。
海外留学や大学院進学を希望する学生は、適宜助言やサポートを行うので、早い段階で相談すること。