私たちの体の細胞のなかには22 対44 本の常染色体と、性別が決定する性染色体2本の、計46 本の 染色体をもっています。細胞分裂の時に、何らかの理由で21 番目の染色体を1本多くもって生まれてきたのが 「ダウン症候群」(正式名)です。イギリスの医師ジョン・ラングドン・ダウン博士によって確立され、博士の名前より命名された疾患です。
どの国にも1,000 人に一人の割合で生まれてきます。
ダウン症の特徴としては、筋肉の低緊張や、多くの場合知的な発達の遅れが見られます。発達は通常の場合とほぼ同じですが、全体的にゆっくり発達します。知的発達の遅れを伴うことが多いので、ダウン症イコール知的障がいとイメージを持つ人も多いですが、そうではなく染色体異常による生まれつきの障がいというのが、ダウン症の正しい捉え方です。
心疾患などの合併症をともなうことも多いですが、医療や療育、教育が進み、最近ではほとんどの人が普通に学校生活や社会生活を送っています。